2017.09.16 生涯スポーツ・環境委員会

水泳の日

平成28年9月16日 日刊スポーツ掲載記事より

笑顔で子どもたちを指導する萩原智子さん

日本水泳連盟認定の「ニチレイチャレンジ特別泳力検定会」(ニチレイ協賛、日刊スポーツ新聞社協力)が8月28日、神奈川・鎌倉海浜公園水泳プールで行われた。ゲストはシドニー五輪200㍍背泳ぎ、200㍍個人メドレー女子日本代表の萩原智子さん(36)。小学生など対象の水泳教室では、スタート前の笑顔の大切さを伝授。スターターも務めた後はサイン会と、精力的に動き回った。
萩原さんにとって会場は30年前に泳いだ思い出のプール。父親の実家が逗子のため来たことがあり、開会式では「昔と変わらない」と言って笑顔を見せた。気温23度と肌寒い1日だったが、水に入れば、子どもたちとともに元気いっぱい。大きな声を響かせた。「しっかり頭を入れて」と蹴伸びの基本から、ビート板を通常の横以外に、縦と壁にしたユニークな指導で、みるみるうちに子どもたちの泳ぎを上達させた。
小学2年生の夏、南紀白浜の海水浴で溺れかけたのがきっかけで、地元山梨で水泳を始めた。秋に甲府市のドルフィン甲府SSに入ると、当時から抜きんでていた身長を見込まれ、3年生の春には選手コースに誘われた。「できないことができるようになって、すごく楽しかった」。体は大きかったが、初めはそれを動かす筋力がなかった。山を走って体幹を鍛え、体を使いこなせるようになると、一気に才能が開花した。
現在は日本水連理事・アスリート委員長として多忙な日々を送るが、子どもたちを指導する時は必ず「できないことはラッキー」と話す。「できないことができると成長できる。だからチャンスになる」という。そして「楽しいのが1番」と、笑顔で泳ぐことの大切さを説く。「このスポーツが好きだと思える瞬間を大事にしてほしい」。ママさんアスリートらしくほほ笑みながら、この日も参加した子どもたちに愛情を注いでいた。

同検定は種目別に定められた基準タイムで泳ぐと、1~5級の認定証とバッジがもらえる制度。今年も全国各地で開催される。
https://www.swim.or.jp/eiryokukentei/へ。