2016.04.07

【競泳】第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技 4日目

日々熱戦が繰り広げられている、東京辰巳国際水泳場で行われている第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技。大会4日目のちょうど中日を迎えました。

この日の決勝競技は、女子100m背泳ぎ、女子200mバタフライ、女子200m個人メドレーの3種目。準決勝は男女100m自由形と男子200mバタフライ、男子200m平泳ぎの4種目が行われました。

女子200mバタフライで注目を集めたのは、この種目の五輪内定をすでに手にしている星奈津美選手(ミズノ)の記録と、若手高校2年生で準決勝を1位で通過してきた長谷川涼香選手(東京ドーム)の泳ぎでした。

前半、1分01秒06のトップでターンしたのは星選手。長谷川選手も1分01秒17で、星選手にぴたりと食らいつきます。150mをターンしても、差は広がらず。反対に、ターン後のバタフライキックを使って差を詰めてきた長谷川選手。この種目6連覇中の星選手に追いすがりますが、星選手も持ち前の後半の強さを見せつけて、2分06秒32で長谷川選手を押さえて優勝。結局、最初の50mから最後まで一度もトップを譲ることはありませんでした。
しかし、長谷川選手も2分06秒92でリオデジャネイロ五輪の派遣標準記録を突破して、代表内定を手にしました。

「もう少しタイムを出したかったですが、7連覇ができてホッとしています。五輪に向けて、またしっかりトレーニングしていきます」(星選手)

「派遣標準記録は切れると思っていました。実際に内定が決まって、うれしいです。緊張感がずっとあったので、今は解放されて楽になりました」(長谷川選手)

女子200m個人メドレーは、驚きの結果になります。
この種目、昨年行われたロシア・カザン世界水泳選手権で銀メダルを獲得した渡部香生子選手(JSS立石)がセンターコースで、その両脇を2014年仁川アジア大会代表の寺村美穂選手(セントラルスポーツ)と、400m個人メドレーで五輪内定を手にした清水咲子選手(ミキハウス)が固めるかたちでスタート。
すると、いきなり飛び出したのは寺村選手。バタフライを27秒58でターンして、そのまま背泳ぎでもトップをキープ。平泳ぎを終わった時点で、2位以下に2秒以上の差をつけて最後のクロールに入ります。
すると渡部選手、清水選手に加え、平泳ぎから徐々に順位を上げてきていた今井月選手(豊川高校)の3選手が、寺村選手を猛追。しかし、寺村選手がそのまま逃げ切って、自己ベストを1秒37も更新する2分09秒87で派遣標準記録を突破して優勝を果たします。
渡部選手、清水選手、今井選手の3人がなだれ込んだ2位争いを制したのは、高校1年生の今井選手でした。2分10秒76の世界ジュニア新記録でこちらも派遣標準記録を切ってリオデジャネイロ五輪の代表内定を決めました。

「4年前の日本選手権が終わってからヒザを2回手術しました。辛かったことも多かった日々でしたが、はじめて五輪への内定が決まって本当にうれしいです」(寺村選手)

「夢みたいでまだ実感はありませんが、五輪に内定して、それにタイムも速くて本当にうれしい」(今井選手)

8人が1秒以内にひしめき合っている状態だったので、大混戦が予想された女子100m背泳ぎ。最初に飛び出して、50mを28秒台でターンしたのは、高いスピードを持つ諸貫瑛美選手(スウィン館林)と竹村幸選手(イトマン)。75mを過ぎても諸貫選手と竹村選手の2人が頭ひとつ抜け出した状態。この2人の勝負になるかと思われたラスト5m、一気に伸びてきたのは中学3年生の酒井夏海選手(スウィン南越谷)でした。174cmの長身を生かして、最後のタッチで諸貫選手と竹村選手をかわしきり、1分00秒12の日本中学新記録で初優勝を飾りました。

「こんなに良いタイムが出るとは思っていませんでした。予選を合わせて、今大会で1秒以上ベスト記録を縮められました。コーチにも、最後まで諦めずに泳げ、と言われていたので、最後まで諦めずに頑張りました」(酒井選手)

3日目までの五輪代表内定者は16人(3人のカザン世界水泳での内定者及びリレー派遣を含む)でしたが、4日目の結果を加えると、総勢19人が五輪出場内定を手に入れました。

4年に一度の大一番に向けて今大会に出場し、死力を尽くして戦う全選手たちが、最高の力を発揮できるように、皆さんのご声援をよろしくお願いします。

※写真1:表彰後に笑い合う代表内定を決めた星選手と長谷川選手
※写真2:代表内定が分かって称え合う寺村選手と今井選手
※写真3:中学生で100m背泳ぎを制した酒井選手

©フォート・キシモト

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