2016.04.08

【競泳】第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技 5日目

大会が進むにつれ、リオデジャネイロ五輪代表の内定を手にする選手が増えていく、第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技も5日目を迎えました。

この日の決勝競技は、男女の100m自由形、男子200mバタフライ、男子200m背泳ぎの4種目。準決勝は、男子200m背泳ぎ、女子200m平泳ぎと男子200m個人メドレーの3種目が行われました。

最初の決勝競技である男子100m自由形。中村克選手(イトマン東進)と塩浦慎理選手(イトマン東進)の2人が、日本記録の更新とともに、個人での派遣標準記録突破に期待がかかりました。

スタートして塩浦選手が一気に飛び出し、50mを23秒05で折り返します。中村選手は5番手でターン。75mを過ぎてもスピードの衰えない塩浦選手を中村選手が追いかける展開。勝負はラスト5m手前。少しスピードが鈍った塩浦選手との差を一気に詰めた中村選手が、そのままタッチで塩浦選手をかわしてフィニッシュ。48秒25の日本新記録を樹立して優勝しました。塩浦選手も48秒35と、従来の日本記録を超える記録で2位に入りました。

そして、3位には小長谷研二選手(岐阜西SC)が49秒07で、4位には背泳ぎの古賀淳也選手(第一三共)が100m背泳ぎで代表内定を逃してしまった悔しさを晴らす49秒25で入り、400mリレーでの代表派遣標準記録も突破。4人がリオデジャネイロ五輪の代表内定を決めました。

「日本記録もうれしいですが、4人でリレーに出られることがうれしいです。個人で派遣標準記録を切りたかったですけど、明日の50mでは派遣を意識して臨みたいと思います」(中村選手)

続く女子100m自由形決勝でも、リレーの代表派遣がかかったレース。1月、腰の故障からほとんど泳げなかった内田美希選手(東洋大学)でしたが、この日はそんなことを感じさせないほどのスピードに乗った泳ぎを見せてくれます。

前半を26秒09で折り返すと、後半も長身を生かした泳ぎは全く乱れません。自由形短距離の第一人者になってから、ずっと目標にしてきた53秒台にとうとう到達する、53秒88の日本新記録を樹立して優勝しました。終始レースをリードし、強さを見せつけた見事な泳ぎでした。

「やっと53秒台が出たのはうれしいです。でも、個人での派遣標準記録突破を狙っていたので、正直悔しいです。リレーでは絶対に決勝に残って、みんなで良い順位を目指したいと思います」(内田選手)

内田選手がそう話すように、2位には54秒06の高校新記録を樹立した池江璃花子選手(ルネサンス亀戸)、ベテランで松本弥生選手(ミキハウス)と山口美咲選手(イトマン)が3、4位と続き、リレーでの派遣標準記録を突破して、リオデジャネイロ五輪内定を手にして、4人とも喜びを全身で表しました。

この日最後の決勝種目だった、男子200m平泳ぎ。なかなか調子が上がらない小関也朱篤選手(ミキハウス)でしたが、この日は150mまで世界記録を上回るハイペースのレースを展開。大きく、そして力強く進んで行きます。ラスト50m、さすがに疲れが見えてスピードが衰えますが、ほかの選手たちは寄せ付けず、2位以下に1秒以上の差をつけてフィニッシュ。2分08秒14で五輪の代表派遣標準記録を突破しての優勝に、少しホッとした表情を浮かべました。

「不安は残ったままでしたし、本当に苦しかったです。ラスト15mは本当にきつくて。ただ、初の五輪出場を決められたので、世界の強豪と肩を並べて戦いたい」(小関選手)

2位には渡辺一平選手(早稲田大学)が2分09秒45で入り、こちらも代表派遣標準記録を突破。小関選手とともに、五輪初代表内定を手にしました。

5日目を終え、五輪代表内定者はリレーも含めて30人(3人のカザン世界水泳での内定者及びリレー派遣を含む)まで到達。日本全体のレベルが底上げされていることを証明する結果が続きます。

4年に一度の大一番に向けて今大会に出場し、死力を尽くして戦う全選手たちが、最高の力を発揮できるように、皆さんのご声援をよろしくお願いします。

※写真1:リレー代表派遣を決めた男子100m自由形陣
※写真2:リレー代表内定した選手たちと喜びを分かち合う内田選手
※写真3:苦しみながらも代表内定を手にした小関選手

©フォート・キシモト

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