2016.05.13

【水球】FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメント 4日目

水球の世界3大大会のひとつである、FINA水球ワールドリーグ。そのスーパーファイナルをかけた戦いである、今大会も4日目となりました。

まずはアメリカ対ブラジルの対戦からスタート。
全勝のアメリカに対して先制ゴールを奪ったのはブラジルのフェリペ・シルバ選手。アメリカのジョン・マン選手がすぐに同点とします。その後はペナルティースローを得たブラジルが3点を追加し、第1ピリオドは3対4のブラジルがリード。

第2ピリオドは、ルカ・カピード選手が早速同点にしたあと、ブラジルも再度1点を返しますが、アメリカが2点を追加。6対5のアメリカリードで前半戦を終了しました。

第3ピリオドは、まさにシーソーゲーム。ブラジルが同点に追いつけば、アメリカが引き離す。逆にブラジルが逆転しても、すぐにアメリカが追いつく展開。残り1分のところでブラジルのジョナス・クリベラ選手のエクスクルージョンファウルをきっかけにアメリカのルカ・カピード選手が得点して1点リードで第3ピリオドを終えます。

このまま接戦かと思われましたが、第4ピリオドに入るとアメリカが3連続得点を挙げて、一気にブラジルを突き放します。その後も順調に得点を重ねたアメリカが、最終的には16対11の5点差をつけて全勝を守りました。

2戦目は中国対オーストラリア。
開始1分でオーストラリアのジョン・コトリル選手が先制ゴールを奪うと、そこから怒濤のゴールラッシュ。7分間で9点を上げたオーストラリアが、第1ピリオドを中国に7点差をつける2対9で終えました。

第2ピリオドから反撃をしたい中国でしたが、守備を得意とするオーストラリアをなかなか崩せず2点を追加するに留まります。反対にオーストラリアは4点を加えて点差をさらに広げる4対13で前半を終了。

後半に入ってもオーストラリアは攻撃の手を緩めません。第3ピリオドに5点、第4ピリオドに3点を追加していきます。対する中国は、鉄壁のオーストラリアディフェンスをどうしても越えることができません。後半は得点を挙げることができないまま試合終了。オーストラリアが4対21で中国に大勝しました。

大会4日目の最終戦である、日本対カザフスタン。
日本は『アジアナンバーワン』の看板を背負って、意地でも負けられないという気持ちで臨んだこの試合。開始1分30秒で日本の飯田純士選手がペナルティファウルを取られ、先制されるかと思われましたが、今大会好セーブを何度も繰り返している日本の守護神、棚村克行選手がこれをブロック。反対にカザフスタンのロマン・ピリペンコ選手のエクスクルージョンファウルから、竹井昂司選手からの好アシストを受けた志水祐介選手が先制ゴールを奪います。そこからは、カウンターアタックで荒井陸選手が追加点を挙げ、さらに足立聖弥選手がセンターに切り込んでから荒井選手のアシストを受けてゴール。終了間際には竹井選手もゴールを決めて、4対1で第1ピリオドが終了。

第2ピリオドに入ると「いちばん良い形のシュートだった」と、自身も納得のループシュートで志水選手が5点目を奪います。しかし、2分30秒を過ぎたところで、気が抜けたかのようなパスミスで日本の手を離れたルーズボールをカザフスタンが奪い、そのままルスタム・ウクマノフ選手が2点目を奪います。ここで気合いが入ったか、日本の荒井選手がセンターに切り込んで6点目を奪うと、大川慶悟選手が7点目と8点目を決めて、前半をカザフスタンに5点差をつける8対3で終えました。

後半の第3ピリオドは、この試合はじめてカザフスタンに連続得点を許しますが、それでも地力が上だと言わんばかりの攻撃。さらに日本のしつこいディフェンスでリズムを崩されたカザフスタンは、ファウルが目立つようになります。その隙をついて、日本が攻め立てるという展開で、12対6の日本が6点リードした状態で第4ピリオドに入ります。

最後は、日本の独壇場と行って良いほどの猛攻。カザフスタンの体力がなくなってきたところに攻撃を仕掛け続けます。特に3分30秒を過ぎたところで、カウンターアタックからカザフスタンキーパーのマディカン・マクメトフ選手と1対1になった竹井選手が、フェイントを織り交ぜた技ありのノールックシュートで14点目を挙げます。さらにここから5連続得点を加え、試合終了。アジア王者としての力を見せつける、19対7で日本がカザフスタンに勝利しました。

日本はこれで4位以上が確定し、6月に行われるスーパーファイナルへの出場を決めました。

「何としてでも出たかったスーパーファイナルが決まり、アジア王者としてカザフスタンには勝つ、と強い気持ちで臨んだ試合でしたので、満足しています。明日のブラジル戦は、リオデジャネイロ五輪の前哨戦という気持ちで戦います」(大本洋嗣ヘッドコーチ)

「自分としては前半に競っているところで点を決めたかったところですが、行かなければならないスーパーファイナルがかかった試合で勝てたことは、素直に良かったです。明日も勝って、さらに最終日も良い結果を残していきたいと思います」(筈井翔太選手)

また大会終了後には、ポセイドンジャパンが熊本地震への募金活動を呼びかけ、多くの方に募金していただくことができました。ありがとうございました。
大会5日目、そして最終日も、ポセイドンジャパンは募金活動の呼びかけを行う予定です。

4戦が終わった水球ワールドリーグ。アメリカが全勝でトップ、続くオーストラリアは3勝1敗、日本とブラジルが2勝2敗で並び、カザフスタンが1勝3敗、4敗の中国という順位となっています。
大会5日目は、カザフスタン対オーストラリア、アメリカ対中国、そしてブラジル対日本戦の3試合が行われます。

32年ぶりの五輪に向けて鍛錬を積み、パスラインディフェンスとカウンターという武器を手に世界と戦う水球日本代表『ポセイドンジャパン』へのご声援、これからもよろしくお願いします。

※写真1:勝負どころで頼りになるポイントゲッター、竹井選手
※写真2:この試合2得点の大川選手
※写真3:募金活動を呼びかける志水選手と角野友紀選手

©PICSPORT

ポセイドンジャパン応援サイトはこちら
http://poseidonjapan.net/index.html