2016.05.14

【水球】FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメント 5日目

FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメントの予選リーグも、大会5日目の今日が最終日となります。この日の3試合をもって順位が決定し、最終日に行われる順位決定戦の組み合わせが決まります。

第1試合は、カザフスタン対オーストラリア戦。
第1ピリオドは静かな立ち上がり。両チームともにシュートを打ちますが、決め手に欠く展開。その試合を動かしたのはオーストラリアのネーサン・パワー選手。先制ゴールを奪い、第1ピリオドは0対1のロースコアで終了。

第2ピリオドに入ると、オーストラリアが徐々に牙をむき始めます。ジャロッド・ギルクリスト選手の2点目に始まって、ジョージ・フォード選手が3、4点目を挙げて3連続得点。対するカザフスタンも2点を返しますが、オーストラリアがさらに2点を追加して、前半を2対6で折り返します。

第3ピリオドに入っても、試合のペースはオーストラリア。フォード選手がこの試合3得点目となるゴールを奪うと、オーストラリアはさらに3点を追加。カザフスタンもユリアン・ベルデシュ選手とルスタム・ウクマノフ選手がそれぞれ得点しますが、このピリオドも2得点に抑えられ、4対10とオーストラリアのリードが6点となって第4ピリオドへ。

最終ピリオドも、オーストラリアディフェンスを崩せないカザフスタンは得点を奪えず。逆にオーストラリアのギルクリスト選手がフォード選手に続き3得点目。点差を7点としたところで試合終了。4対11でオーストラリアが勝利。

この試合で、予選リーグのオーストラリアが2位以上が確定、カザフスタンの5位以下が確定しました。

第2戦目となった、アメリカ対中国戦。
開始早々30秒でゴールを奪ったのは、アメリカのアレックス・オバート選手。そこから5連続得点を奪ったアメリカは、中国につけいる隙を与えないまま5対0で第2ピリオドに突入。

第2ピリオドに入ると、中国のキャプテン、解澤楷選手が1点目となるゴールを決めますが、アメリカの壁は大きく、追加点が奪えません。反対にアメリカは順調に4得点を積み重ねていき、9対1として前半を終了します。

後半、第3ピリオドはゆっくりした立ち上がりでしたが、ペナルティースローを決めたブレッド・ボナニ選手の得点をきっかけにして4連続得点。得点差をさらに広げる13対1とします。

第4ピリオドに入っても、中国はアメリカの猛攻を止めることができません。サミュエルズ選手の2得点目に加え、ルカ・カピード選手が追加点。中国は雷振瑞選手のゴールで2点目を獲得しますが、アメリカは中国ゴールに試合終了まで襲いかかり、19対2としたところで試合終了。アメリカが全勝を守りきり、予選リーグ1位突破を決めました。

第3戦目はブラジル対日本戦。
第1ピリオドで先制点を挙げたのは、ブラジルのヨシプ・ブルリッチ選手。立て続けに2点目も決めて、早速リードを奪います。対する日本は飯田純士選手からのアシストを受けたキャプテン、志水祐介選手が得点を挙げます。その30秒後、ブラジルのフェリペ・シルバ選手のエクスクルージョンファウルから、足立聖弥選手が角度のないところからバウンドシュートを決めて同点に追いつき、さらにエース竹井昂司選手のペナルティースローで一気に逆転します。

このまま流れに乗りたい日本でしたが、今度は反対に飯田選手がブラジルにペナルティースローを与えるファウルを取られ、これをグスタボ・ギマラエス選手が冷静に決めて同点。さらに、日本のお株を奪うようなカウンターアタックでパウロ・サレミ選手のアシストパスからブルリッチ選手が逆転ゴールを奪って4対3で第1ピリオドを終了します。

第2ピリオドはセンターボールを奪った日本。速攻からベルナルド・ローシャ選手のファウルを誘って攻め立てますが、志賀光明選手が放ったシュートは惜しくもゴールバーに阻まれます。ブラジルは落ち着いて反撃に出ます。ギレルミ・ゴメス選手からセンターに詰めていたベルナルド・ゴメス選手にボールが入って5点目を奪い、さらにペナルティスローで6点目。

3点リードされた日本は、ここから荒井陸選手がペナルティースローも含めた連続3得点で一気に同点にします。次の1点がどちらに入るか。戦局を左右する場面でゴールを奪ったのは、ブラジルのギマラエス選手でした。さらにそのギマラエス選手からフワッと浮かしたボールをセンターで受け取ったブラジルのキャプテン、フェリペ・ペローネ選手が8点目を決めて、さらにもう1点を追加したブラジルが9対6として前半を終了。

後半、第3ピリオド開始早々10点目を挙げたブラジルでしたが、日本も負けじとカウンターアタックで保田賢也選手がキーパーと1対1になったところで冷静にシュートを決めて何とか食らいつきます。しかし、このあと2本のシュートをブロックされ、反対にブラジルにゴールを奪われてしまいます。さらに日本のカウンターアタックのミスを切っ掛けに、ブラジルがカウンターを仕掛けてペナルティースローを獲得。ここもきっちり決めたブラジルが3点差を守り、11対8で最終第4ピリオドを迎えます。

その第4ピリオドも、最初にゴールを決めたのはブラジル。どうしても後手に回ってしまう日本は荒井選手、足立選手が得点しますが、それを上回る5点を獲得。日本は最後までブラジルに主導権を握られたままで試合終了。16対10でブラジルが勝利しました。

「失点はある程度覚悟していましたが、こちらが決めたあと、さぁいくぞ、というところで相手に決められてしまい、流れに乗っていけない展開になってしまいました。課題が浮き彫りになった試合だったと思います。また明日も同じブラジル戦ですが、今日とは違う戦いを見せたいと思います」(大本洋嗣ヘッドコーチ)

また、大会2日目から行っている試合終了後の熊本地震への募金活動の呼びかけをこの日も行い、多くの方に募金していただくことができました。ありがとうございました。

FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメントの予選リーグがこの日で終了。
1位が全勝のアメリカ、続く2位がオーストラリアで4勝1敗、3位に日本が3勝2敗、ブラジルが4位で2勝3敗、5位にカザフスタンで1勝4敗、そして6位に全敗の中国と、予選リーグの順位が確定しました。

この結果によって、5月15日の大会最終日の組み合わせは以下の通りに決定しました。
・第1試合(5、6位決定戦):カザフスタン対中国
・第2試合(3、4位決定戦):日本対ブラジル
・第3試合(1、2位決定戦):アメリカ対オーストラリア

32年ぶりの五輪に向けて鍛錬を積み、パスラインディフェンスとカウンターという武器を手に世界と戦う水球日本代表『ポセイドンジャパン』へのご声援、これからもよろしくお願いします。

※写真1:第2ピリオドで3連続得点を奪った荒井選手
※写真2:カウンターからゴールを決めてガッツポーズの保田選手
※写真3:試合を終えた選手が募金を呼びかける

©フォート・キシモト

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