2016.08.06

【競泳・水球】リオデジャネイロ五輪 1日目

4年に一度の祭典である第31回オリンピック競技大会が、ブラジル・リオデジャネイロで開幕しました。
南米大陸で初の開催となる五輪に、会場はもちろんのこと、リオデジャネイロ中で盛り上がりを見せています。

現地時間の8月5日に行われた開会式ではブラジルの歴史が表現され、その翌日、早速競泳競技と水球競技が始まりました。

その初日から、日本代表が掲げるスローガン『センターポールに日の丸を』が達成されます。
最初の決勝種目となった、男子400m個人メドレー。萩野公介選手と瀬戸大也選手が登場。センターコースには、予選で自己記録を大幅に更新したチェイス・カリシュ選手(アメリカ)が入りました。その両脇を萩野選手、瀬戸選手が囲むようなかたちでスタート。
バタフライから飛び出したのは、瀬戸選手。予選よりは1秒近く遅かったものの、55秒23ので折り返して背泳ぎへ。そこでトップに踊り出たのは、3コースを泳ぐ萩野選手でした。1分57秒73で200mを折り返し、瀬戸選手とカリシュ選手に身体ひとつ以上の差をつけます。
平泳ぎに入ると、瀬戸選手とカリシュ選手が一気に追い上げて、萩野選手との差を詰めていき、ラスト100mの自由形勝負になります。
最初に遅れをとってしまったのは、瀬戸選手。カリシュ選手は萩野選手に身体半分の差まで詰め寄りますが、最後の25mで力強くキックを入れてギアをひとつ上げた萩野選手が逃げ切って、4分06秒05の日本新記録で金メダルを獲得。4年前のロンドン五輪で銅メダルを手にして、その後ライバルの瀬戸選手に敗れたり右ヒジの骨折があったりと苦労もありましたが、見事に最大の目標を達成。右こぶしを振り上げて雄叫びを上げながら喜びを爆発させました。

「タッチした瞬間、ひとりじゃないと感じました。本当に多くの人から支えてもらいましたし、感謝したいと思います。最後まで競っていましたが、勝てて良かった。いつ抜かれてもおかしくない展開でしたけど、平井伯昌コーチにメダルをかけてあげたいという思いで頑張りました」(萩野選手)

瀬戸選手は、予選で自己ベストを出していましたが、決勝ではその予選の疲れが少し残っていたとのこと。「ちょっと疲れちゃいました」と話ながらも、「この結果は萩野選手が4年間、本当に頑張ってきた成果だと思います。僕も次の東京五輪では負けないように、ここから4年間しっかりとトレーニングしていきたいと思います。でも、まずは気持ちを切り替えて200mバタフライに臨みます」と、スッキリした表情で気持ちを引き締めていました。

女子400m個人メドレー決勝には、予選で4分34秒66の日本記録を更新した清水咲子選手が7位で進出。夢の舞台である決勝レースでは、緊張からか得意の前半の飛び出しに陰りが見えてしまいます。レースを4分38秒66の8位で終えた清水選手は、「すごく楽しかったです。この楽しさを教えてくれた藤森善弘コーチにまずは会いたいと思います」と、少し目に涙を浮かべながら話します。

「予選と決勝、2本を泳ぐ体力がずっと課題でした。それを克服できなかったのは悔しいですが、テレビの前でいつも応援してくれる方々に見てもらえたことは良かったと思います」(清水選手)

昨年のロシア・カザン世界水泳選手権で達成できなかった日本記録更新と、ロンドン五輪で逃した決勝進出を目標にして臨んだ女子4×100mリレー。
その予選で、3分36秒74の日本新記録を更新し、7位で決勝進出を果たした日本は、決勝の舞台でも堂々としたレースを展開。記録は更新することはできませんでしたが、3分37秒78の8位入賞を果たしました。

女子100mバタフライの準決勝では、予選で前半の50mを26秒45という驚異的な記録で飛び出し、そのまま57秒27でフィニッシュして日本記録を更新した池江璃花子選手が、その記録をさらに更新する57秒05の日本新記録で3位決勝進出を決めました。200mが得意とする星奈津美選手も、予選、準決勝と自己ベストを更新。準決勝は58秒05の11位という結果になりました。

男子100m平泳ぎの準決勝には、予選で58秒91と、日本記録に0秒01まで迫る自己ベストを更新した小関也朱篤選手が出場。「タイムは落ちてしまいましたが、これなら明日もいけると思います。全員にメダルのチャンスはありますから、自分もそこに食い込みたいです」と、59秒23の4位で決勝に進出しました。

そのほかの結果は以下の通りです。
・男子400m自由形予選 江原騎士選手 3分50秒61 31位
・女子400m個人メドレー予選 高橋美帆選手 4分37秒33 10位
・男子100m平泳ぎ予選 渡辺一平選手 1分00秒33 18位

また、水球競技は予選リーグ初戦を迎えます。
初戦の相手は、カザン世界水泳選手権3位のギリシャ。格上のチームではありましたが、パスラインディフェンスを武器に堂々と渡り合います。第1ピリオドではギリシャに2点を先制されますが、第2ピリオドに日本は、エース竹井昂司選手のゴールから反撃を開始。前半を3対4の1点差で折り返します。
後半第3ピリオドは、日本がギリシャゴールを攻め立てます。大川慶悟選手のゴールで4対4の同点に追いつくと、保田賢也選手のミドルシュートで5対4のリードを奪います。さらに荒井陸選手、再度大川選手のゴールでこのピリオドは4点を追加。しかもギリシャにはゴールを割らせないディフェンスを見せて、7対4の3点リードで第4ピリオドを迎えます。
大金星を前にした日本でしたが、ギリシャも世界3位の強さを見せつけます。日本が攻めあぐねている隙に7対7の同点に追いつくと、残り38秒でギリシャが勝ち越しゴールを奪い、7対8。最後の攻撃にすべてを懸けますが、センターに落としたボールを奪われてしまってゲーム終了。
日本は惜しくも7対8という1点差で惜敗。しかし、世界3位にここまで迫った日本は、最終予選、FINA水球ワールドリーグインターコンチネンタルトーナメント、そしてスーパーファイナルを経て、確実にレベルアップしている姿を世界に見せつけました。

水球は1日あけて、8月8日にブラジル戦を迎えます。

世界最高峰の舞台で、最高の戦いを繰り広げる選手たち。『センターポールに日の丸を』のスローガンを胸に、世界で戦い続ける選手たちに引き続きご声援をよろしくお願いします。

※写真:フォート・キシモト

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https://www.rio2016.com/en/swimming-schedule-and-results/day-6

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