2016.09.18

【飛込】第92回日本選手権水泳競技大会 飛込競技 3日目

長く連戦が続いていた飛込競技も、東京辰巳国際水泳場で行われている第92回日本選手権水泳競技大会 飛込競技でひと段落を迎えます。

大会最終日となったこの日は、男子高飛込の予選と決勝、女子1m飛板飛込決勝と、男女10mシンクロが行われました。

最初の決勝種目は、女子1m飛板飛込。1本目を終えてトップに立ったのは、JOCジュニアオリンピックカップ夏季大会で3m飛板飛込優勝の宮本葉月選手(土佐女子高校)。3本目まで1位を守りますが、榎本遼香選手(筑波大学)が4本目の403Bで54.00を獲得して宮本選手を逆転。最後の5本目の303Bも危なげない演技で54.00をマークして、トータル252.40を獲得。ケガや病気を乗り越え、この種目3年ぶり2回目の優勝を果たしました。2位には240.45で金戸華選手(日出高校)が入り、宮本選手は最後の305Cの入水でのミスが響き、230.80の3位となりました。

「3本目の捻り技(5134D)で、捻りを1回にするか2回にするかで大きく迷いましたが、失敗しても良いから挑戦してみよう、とコーチと話をして臨みました。不安はありましたが、4本目以降はいつも通りに自分の演技をすれば大丈夫、と落ち着いて飛べました」(榎本選手)

男子高飛込決勝は、この種目で2年ぶりの優勝を狙う村上和基選手(JSS白子)が好スタートを切ります。1本目の407Cで73.60、2本目の6243Dでも76.80を獲得し、3本目の207Bでは82.80をマーク。4本目でも村上選手がトップを守りますが、じりじりと差を詰めてきたのは、岡島太一選手(日本体育大学)。4本目の高難易率の109Cで72.15を獲得し、村上選手との差を14.35点まで縮めます。
そして5本目、307Cで入水が乱れた村上選手に変わってトップに立った岡島選手は、最終6本目の5255Bも安定して70点台をキープ。トータル436.05で2連覇を果たしました。村上選手は417.40の2位となりました。3位には、最後の6本目の307Cで88.40を獲得し、トータル401.65を得た大久保柊選手(筑波大学)が入りました。

「2連覇はうれしいですが、まだまだ入水が甘い部分がたくさんありました。高い難易率に助けられているだけですから、これから入水の精度を高めていきたいと思います。今シーズンはケガも多かったので、それをなくす意味でも筋力アップを図っていきたい」(岡島選手)

今大会最後の決勝種目は、男女の10mシンクロです。男子は4チーム、女子は1チームのみの参加となりましたが、女子は佐々木那奈選手・荒井祭里選手ペア(ともにJSS宝塚)が、高いシンクロ率を連続で見せつけて、303.12を獲得しました。
男子10mシンクロでは、2本の制限選択飛を終えた時点では大久保柊選手(筑波大学)・金子舜汰選手(セントラルスポーツ)ペアがトップに立ちます。
ですが、自由選択飛に入るとすぐさま長谷川英治選手・遠藤正人選手ペア(日本体育大学)がトップを奪います。そのまま逃げ切りたかったところですが、5本目でふたりとも痛恨のミスダイブで43.56と得点が伸びず。変わって1位に浮上したのは、萩田拓馬選手(静岡ビル保善)・久永将太選手(セントラルスポーツ)ペアでした。とはいえ、5本目の時点で2位の大久保選手・金子選手ペアとの差は、たったの0.54。最後まで勝負の行方は分かりません。
そのラスト6本目、先にプレッシャーをかけたのは大久保選手・金子選手ペア。入水が少し乱れたものの、65.28を獲得してトータル355.32とします。最後の演技順だった萩田選手・久永選手ペアは、高難易率の5255Bを持ってきますが、ふたりの呼吸が合わずに59.40のトータルは349.98。
結果、大久保選手・金子選手ペアが優勝を飾り、2位には千歩純一選手・荒田恭兵選手(日本体育大学)が354.72で入り、萩田選手・久永選手ペアは3位となりました。

今大会で、飛込競技も夏のシーズンが締めくくられました。11月にはアジア選手権も行われますが、少しの休憩を挟み、また世界を目指して選手たちはトレーニングを開始します。
ノースプラッシュを追求し、たった1秒ほどの瞬間にすべてを懸ける飛込競技。選手たちへのあたたかいご声援をお願いします。

※写真1:1m飛板飛込で3年ぶり2回目の優勝を果たした榎本選手
※写真2:高飛込で優勝した岡島選手
※写真3:男子10mシンクロを制した大久保選手・金子選手ペア

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