2016.11.17

【競泳・飛込・水球・シンクロ】第10回アジア水泳選手権2016 4日目

水球競技が14日から始まっていた、第10回アジア水泳選手権。大会としては4日目を迎え、東京体育館プールの水球競技に加え、この日から競泳競技、飛込競技、シンクロナイズドスイミング競技が東京辰巳国際水泳場でスタートしました。

競泳競技では、いきなり好記録が誕生します。「出場する全種目でメダルを獲りたい」と今大会に臨んだ池江璃花子選手(日本)。この日は女子100m自由形に出場し、前半から先行する朱夢恵選手(中国)を後半になって徐々に追い詰めていき、惜しくも朱選手までは届きませんでしたが、53秒68の日本新記録を樹立して2位に入りました。

「日本記録を出そう、というよりは、メダルを獲る、という気持ちのほうが強かったです。でも、100m自由形では自己ベストを更新したのが久しぶりで、日本新記録だったのはすごくうれしいです。明日は2種目ありますが、自己ベスト近くで、メダルを目指して臨みます」(池江選手)

男子50m平泳ぎでは、小関也朱篤選手(日本)が予選で更新した大会記録をさらに縮める、27秒62で優勝し、男子キャプテンを務める瀬戸大也選手(日本)も「10秒が切れていたらもっと良かった。でも前半は2分を切って入れていますし、調子は悪くない」と、4分10秒17の大会新記録で優勝しました。

この日は予選と決勝を合わせて、大会新記録が13個誕生(うちタイ記録が1個)、日本新記録が1個誕生しました。競泳競技の2日目も好記録に期待したいところ。

飛込競技は男子3mシンクロナイズドダイビングと女子高飛込の2種目が行われました。
女子高飛込は、リオデジャネイロ五輪で8位入賞を果たした板橋美波選手(日本)と、佐々木那奈選手(日本)の2人が出場し、リオデジャネイロ五輪銀メダリストの司雅傑選手(中国)に挑みました。
1本目から水切れの良い演技で入水を決めていた佐々木選手に対し、板橋選手は少し入水が乱れたスタート。しかし、3本目には207B、そして4本目には109Cと、世界で板橋選手しか飛んでいない種目を続けて逆転を狙います。207Bは回転が足りず得点が伸びませんでしたが、4本目の109Cは回りきって入水も大きなしぶきは上がりません。得点は83.25を獲得して会場を沸かせました。最後の5本目は、ほぼ完璧とも言える入水を魅せた板橋選手が、トータル332.65ポイントを獲得して3位表彰台を獲得しました。
司選手は、まさにメダリストの演技でした。大きなミスはひとつもなく、1本目から5本目まで安定した演技を披露。難易率は板橋選手よりも低い種目が多いなかで、きっちりと演技を決めることで得点を伸ばしていき、トータルは366.70ポイントで貫禄の優勝を果たしました。

「109Cは不安もありましたが、大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせて飛びました。優勝を狙っていたので負けたのは残念です。ですが、207Bと109Cという、自分しかできない大技をきっかけにして、飛込競技を知ってくれる人が多くなったらうれしいです」(板橋選手)

男子3mシンクロナイズドダイビングは、長谷川英治選手・荒木宥図選手のペアが出場。5本目で順位を一度4位に落としてしまう場面はありましたが、最後の6本目の405Bで巻き返して、トータル337.11ポイントで3位に入りました。

シンクロナイズドスイミング競技で行われたのは、ソロテクニカルルーティンとチームテクニカルルーティンの2種目。新チームとなって挑む、はじめての国際大会。選手たちは不安を持ちつつも、練習してきたことを発揮したい、と臨みました。

リオデジャネイロ五輪とは違うルーティンでソロに出場した乾友紀子選手(日本)は、最初から流れるようなしなやかな演技を披露。和のリズムに乗って、きっちりとルーティンをこなしていきます。結果、91.3209ポイントを獲得し、2位以下に2ポイント以上の差をつけて優勝しました。

「新しいルーティンを自分なりにこなせるようになっていたので、まずは今できることを思い切って出し切ろう、と思って臨みました。まだまだ伸ばしたい部分もありますし、課題が見つかったという意味では、良いスタートになったと思います」(乾選手)

チームテクニカルルーティンも、新メンバーを加えての出場。たった数カ月で合わせきらなければならないという厳しい状況のなかでも、90.8705ポイントを獲得して、こちらも乾選手のソロと合わせて優勝を果たしました。

競泳、飛込、シンクロに先駆けてスタートしていた水球は、この日で4日目。男子はいよいよ順位を決定するトーナメント戦が開始。この日に日本と対戦したのは、香港。第1ピリオドに1点を奪った香港でしたが、日本はお返しとばかりに4点を獲得。第2ピリオドに入っても攻撃の手を緩めることはありません。16日のサウジアラビア戦後、「日本代表としての責任を持て」と大本洋嗣ヘッドコーチから檄に応えるようにして、後半に入ると若手の新メンバーが積極的にシュートを放っていきます。最終第4ピリオドでは8点を追加する猛攻を見せ、結果として全員が得点し、2対21で日本が勝利。準決勝に駒を進めました。

サウジアラビアと対戦したイランが6対15で勝利し、18日の準決勝はイラン対日本戦が確定。準決勝のもうひと試合は、中国対カザフスタンに決まりました。

女子は3試合が行われ、この日は日本の試合のない日。しかし、リオデジャネイロ五輪入賞の中国は安定した強さを見せ、この日対戦した香港を1対21で撃破。ウズベキスタンと対戦したカザフスタンは15対4で、こちらもウズベキスタンを破って勝利。日本が今大会で破らなければならない強豪である2国とも、好調を維持しています。

水泳のアジアナンバーワンを決める、アジア水泳選手権。水球に加えて競泳、飛込、シンクロが加わって、さらに熱を帯び始めてきました。
し烈な戦いに臨む選手たちへのご声援をよろしくお願いします。

※写真1:女子100m自由形で日本新記録を樹立した池江選手
※写真2:女子高飛込で109Cを決め、3位表彰台に登った板橋選手
※写真3:しなやかな演技を披露する乾選手

各競技のリザルトは公式HPから
http://www.asc2016tokyo.org/index.html

水球競技はこちらで試合を観戦できます
https://abemafresh.tv/japanopen