2017.10.08

【水球】第93回日本選手権水泳競技大会 水球競技 3日目

とうとう最終日を迎えた第93回日本選手権水泳競技大会 水球競技。この日は、男女ともに3位決定戦と決勝戦が行われました。

秀明英光高等学校対秀明水球クラブの女子3位決定戦。第1ピリオドから秀明英光高等学校が、スピードを生かした攻撃で橋田舞子選手がひとりで3得点を挙げて一気に攻め込んで5点を獲得。対する秀明水球クラブも4得点を挙げて食い下がります。第2ピリオドには、秀明水球クラブ主将の中田萌選手のゴールもあり、逆転に成功。

6対7の秀明水球クラブリードで迎えた後半、第3ピリオドはともに2点ずつ追加。点差は1点のままで最終第4ピリオドへ。1点を守りきりたい秀明水球クラブと、逆転したい秀明英光高等学校。徐々に秀明英光高等学校が秀明水球クラブにプレッシャーをかけていき、残り1分を切って同点に追いつき、試合終了。勝負はペナルティーシュートアウト戦にゆだねられました。

結果、1本目と3本目を外してしまった秀明水球クラブを秀明英光高等学校が破り、3位となりました。

「最後までチームでやってきたことが出し切れました。出場した選手、できなかった選手が全員で戦ってくれた結果ですし、そのことを誇りに思います」(秀明英光高等学校:濵田卓監督)

男子の3位決定戦は、三建・30CLUB対日本体育大学。試合開始直後から日本体育大学が三建・30CLUBゴールに襲いかかり、日本代表のシューターでもある足立聖弥選手が先制ゴールを奪うと、センター荒木健太選手が連続得点を挙げます。波に乗るかと思われましたが、三建・30CLUBも負けじと市川雅浩選手から連続で得点を挙げて反撃。醍醐裕也選手、山脇秀一選手のゴールで逆転し、4対3の三建・30CLUBリードで第2ピリオドへ。

第2ピリオドは、第1ピリオドとは逆に日本体育大学が4点、三建・30CLUBが3点をそれぞれ追加して、7対7の同点で後半を迎えます。

第3ピリオドは、日本体育大学が得意とするカウンターからの足立選手のゴールでスタート。そこから日本体育大学は3連続で得点を重ね、三建・30CLUBも2点を追加。9対10で日本体育大学が逆に1点リードを奪い、第4ピリオドでもさらに4点を追加した日本体育大学が9対14の逆転で勝利し3位となりました。

「まずはディフェンスをしっかりしてから攻撃に移ること、シュートを積極的に打つことという昨日の反省点を生かすことができました」(大本洋嗣監督)

女子の決勝戦は、秀明大学対藤村の対決。第1ピリオドは藤村に攻撃の隙を与えず、風間祐李選手、野呂美咲季選手、山本実乃里選手ら日本代表選手が中心に得点を重ねた秀明大学が4得点を挙げて一気に突き放します。第2ピリオドになっても、秀明大学の攻撃は押し寄せる波のようにして藤村を襲います。第2ピリオドには5点、第3ピリオドには6点と着実に得点を積み重ねていく秀明大学。

藤村も第2ピリオドには2得点を挙げて反撃に出ますが、秀明大学の連続した攻撃になかなか攻め込むきっかけをつかむことができません。

第3ピリオドには藤村との点差を12点とした秀明大学ですが、攻撃を手を休めることはなく、第4ピリオドにも4点を追加して試合終了。結果、秀明大学が19対5で藤村を下し、初優勝を飾りました。

「国際大会を経て、選手たちは大きく成長してくれました。私以上に、勝つ、という強い気持ちを持って試合をしてくれたことがうれしいですね」(加藤英雄監督)

男子決勝は、Kingfisher74対ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。
3分に渡るラリーの末、先制点を奪ったのはKingfisher74の柳瀬彰良選手。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎も、負けじと筈井翔太選手が得点を奪い返します。第1ピリオド終了間際、Kingfisher74のお株を奪うカウンターでブルボンウォーターポロクラブ柏崎志水祐介選手が追加点を挙げ、1対2としたところで第1ピリオドが終了。

反撃に出たいKingfisher74は、主将の大川慶悟選手のミドルシュートで第2ピリオド開始早々に同点とします。大川選手がもう1点を追加し、さらに志賀光明選手が1点を加えて3得点。Kingfisher74が逆転し、4対2で後半戦へ。

第2ピリオドからことごとくゴールバー、ポストに阻まれていたブルボンウォーターポロクラブ柏崎のシュートも、リッチー・キャンベル選手がようやく決めて流れを引き寄せかけますが、志水選手が得たペナルティースローもゴールバーに阻まれます。その間に、Kingfisher74の荒井陸選手が追加点を挙げて、点差を3点に広げます。

3点ビハインドで第4ピリオドを迎えたブルボンウォーターポロクラブ柏崎は、エイダン・ローチ選手、キャンベル選手のふたりの活躍で1点差まで詰め寄り、残り2分30秒で筈井選手のカウンターが決まって同点に。会場のボルテージも上がるなか、次の1点を決めたのはKingfisher74の荒井選手。試合終了のブザーとともに柳瀬選手がさらに追加点を挙げ、9対7でKingfisher74が優勝を果たしました。

「昨年も同じ対戦カードでしたから、こういう接戦になることは予想していました。そういうなかで、選手たちはプライドを持って戦ってくれました。こういう大きな大会で、たくさんの観客がきてくれているなかで結果を残せたことが本当にうれしいですし、感謝しています」(福元寿夫監督)

最終結果は、以下の通りです。
・女子
優勝:秀明大学
準優勝:藤村
3位:秀明英光高等学校

・男子
優勝:Kingfisher74
準優勝:ブルボンウォーターポロクラブ柏崎
3位:日本体育大学

日本の頂点を懸け、3日間戦い抜いた選手たちへのご声援、ありがとうございました。

※写真1:女子初優勝の秀明大学
※写真2:Kingfisher74は前身の全日体大時代から合わせて5連覇
※写真3:男子決勝戦で、8点目の決勝点を挙げた荒井選手