2019.09.22

OWSで貴田、豊田が東京五輪につながる値千金の優勝 <第95回日本選手権水泳競技大会 飛込競技/OWS競技>

[飛込]2日目
飛込日本一決定戦、第95回日本選手権水泳競技大会 飛込競技の2日目は、男子3m飛板飛込決勝と女子高飛込決勝の2種目が行われた。

同種目で先日のアジアカップを制した寺内健(ミキハウス)は、連戦のなかでも安定感のある演技を見せる。序盤は水切れに寺内らしさが見られなかったものの大きなミスはなく、確実に得点を積み上げていく。
その寺内に迫る演技を披露したのは、2mを制した荒木宥図(NSP)と若手期待の高校生、遠藤拓人(JOC EA)のふたり。
最終6本目、先に演技を終えた荒木が412.70、遠藤は205Bできっちりと入水も決めて72.00を獲得し、合計得点を417.30にして演技を終了。
寺内は68.45以上の得点を叩き出さなければ負けるという緊張感のなか、きっちりと演技、入水まで決めきって71.30を獲得。合計420.15で5年ぶり、15回目の優勝を果たした。2位の遠藤、3位の荒木のふたりはベストスコアをマーク。寺内も「チームJAPANとして強くなっていけたら」とハイレベルな争いになったことを楽しむ様子を見せた。

女子高飛込決勝も、男子3m飛板飛込決勝に負けず劣らずの接戦となった。
インカレ覇者の長澤明生(日本体育大学)が好スタートを切ると、世界選手権ファイナリストの荒井祭里(JSS宝塚)が2本目に逆転したが、3本目の205Bでしぶきを上げてしまう。その隙にトップに立ったのは宮本葉月(近畿大学)。
再度4本目で荒井が逆転でトップに立つも、ラスト5本目、宮本が305Cで67.20を獲得して合計319.90で演技を終了。荒井は74.40以上の得点を獲得しないと届かない場面で、「決まって本当にうれしかったです」と5253Bで最高の演技を披露して86.40を獲得。合計331.90でこの種目3連覇を成し遂げた。

[OWS]
東京五輪世界最終選考会の日本代表選考となったOWSの日本選手権水泳競技大会は、9月22日に千葉県館山市て開催された。台風15号の影響が残る中、館山市および大会主管である千葉県水泳連盟との協議の結果、予定通り開催された。

このような状況のなかで大会を開催してくれた各所への感謝を込めて、選手たちは白熱したレースを展開した。

今年は女子52人、男子81人がエントリー。日本選手権として初めてとなる男女別スタートで行われた。

レース中は雨がほぼ降らないなかで行われたが、海には風波やうねりがは入っており、選手にとっては非常にタフなレースとなった。

女子は6周回中、4周回までを森山幸美(SWANS)が引っ張ると、5周目の途中で貴田裕美(コナミスポーツ)がペースを上げてスパートをかけた。2km以上のロングスパートとなったがそれが功を奏し、徐々に後続の新倉みなみ(セントラル目黒/明治大学)、森山、山本美杏(枚方SS/同志社大学)が離れると、そのまま貴田が2位に10.6秒差で優勝した。2位は新倉と森山の大混戦となるも、タッチ差で新倉が2位を勝ち取った。

男子は和田大悟(日本体育大学)がスタートと同時に飛び出すと、10人超の大きな集団のままレースが展開された。沖合は女子のときよりも風波が強くなるなか、秦隆太朗(日本体育大学)が沖合で後続を離し、中盤のレースをコントロール。その泰は5周目の給水を取らず、沖合に向かいロングスパートをかけたかに見えたが、沖合の海が落ち着いていたこともあり、後続を離すことができない。
このチャンスを見逃さなかったのは、豊田壮(チームフクイ)をはじめとする後続グループ。豊田に南出大伸(木下グループ)、野中大暉(木下グループ)、宮本陽輔(自衛隊)、平井康翔(SBI/ASAHIネット)が泰を抜き去り、最終回に突入した。

最終回の半分を過ぎても誰が勝つか分からない状況のなか、豊田が的確なコース取りを見せるとともにスパートをかけると、後続に17秒2の差をつけて単独優勝。2位はゴール前に抜け出した南出が獲得した。

※写真1:OWS日本選手権で東京五輪につながる勝利を得た貴田と豊田
※写真2:男子3m飛板飛込は接戦を寺内が制する
※写真3:荒井は劇的な逆転勝利で女子高飛込を3連覇

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http://swim.seiko.co.jp/diving/2019/08/jp/02.html