2023.11.05

梶本が女子10kmを初制覇 男子5kmは南出が優勝[第99回日本選手権水泳競技大会 OWS競技]

女子10km表彰 ©日本水泳連盟

女子10m ©日本水泳連盟

男子5km表彰 ©日本水泳連盟

リザルト:https://swim.or.jp/tournament/34463/

[OWS]Day2
第99回日本選手権水泳競技大会OWS競技の2日目は、女子10km、男子5kmが行われた。

海の状況は1日目とは異なり、風も落ち着いていたなかでスタート。女子10kmは、レース序盤から梶本一花(枚方SS)、蝦名愛梨(日本体育大)、奥園心咲(枚方SS)、加藤はなの(ダッシュ三条)らが先頭集団を形成。6周目の途中で蝦名と梶本が前に出て少し縦長の形に変化。ただ、奥園と加藤もしっかりと食らいつく展開でレースは進む。
7周目に入る前から梶本が徐々にペースを上げて、蝦名らを突き放しにかかる。6周目終了時のスプリットは梶本がトップで通過し、6.3秒差で蝦名が続く。少し梶本と蝦名の距離が空いたよう見えたが、蝦名は7周目で給水を取らず、梶本に追いつくことを選択。一段階ギアを上げてしっかり梶本との距離を詰め、すぐに並びかけた。また、このタイミングで離されまいと、奥園もしっかりギアを上げて食らいつく。

最終ラップでは、確実にコースの内側をうまくキープし続けた梶本が先頭で引っ張る。蝦名も勝負を仕掛けるが、こうなると主導権は梶本にあった。最後まで蝦名に前をとらせることなくリードを守りきり、梶本が見事に初優勝を果たした。2位には2.9秒差で蝦名、3位は14.9秒差で奥園という結果になった。

女子10m ©日本水泳連盟

男子5kmは日本代表選考は行われていないなかであったが、各選手が実力を出し切るレースを見せてくれた。
10kmの途中までトップを泳いでいた今福和志(枚方SS)、辻森魁人(須磨学園高校)が、初日に敗れたリベンジを果たすべく、レース序盤から気合いの入った泳ぎを披露。今福、辻森に加え本山空(新潟医療福祉大学)の3人が先頭を引っ張る。だが、途中で今福がコース取りを失敗。その隙を突いて渡辺雅空(日本体育大学)が先頭に立つなど、激しくトップが入れ替わる展開となる。
やはり前日の10kmの疲れもあり、少々スローペースではあったが、3周目終了時点では8人が3秒以内の差で通過。勝負を仕掛けた辻森が先頭に出ると、それに10kmを制した南出大伸(木下グループ)が隣にピタリと食らいつく。最終ブイは南出・辻森・今福がほぼ同時にクリアし、横一線のまま最後の直線へ。誰が勝つか分からない手に汗握る展開に。

ラスト最後50m時点では南出、辻森、今福の3人が並び、最初に今福が脱落。南出、辻森の争いになった残り30mで、南出が一気にスパートを掛けて辻森の前に出ると、辻森に0.5秒のタッチ差でこの接戦を制し優勝。10kmと合わせて2冠を達成した。

男子5km表彰 ©日本水泳連盟

2日目は、デュアルスイマーとして活躍している梶本、蝦名が結果を出した。また、五輪代表としての意地と経験を見せつけた南出と、実力者が勝つレースとなった。
ただ、奥園や今福、辻森といった高校生らの活躍に、次世代の成長も感じられた日本選手権となった。