【#水球】IKAI・Kingfisher74が6連覇、女子はNSSU Water Polo Clubが激戦を制して王者に輝く(第100回日本選手権水泳競技大会水球競技)
日本水泳連盟大会HP:https://swim.or.jp/tournament/44050/
リザルト:https://seikosportslink.com/aqwp/002/?i=1002024001
水球のまち、新潟県柏崎市で行われていた第100回日本選手権水泳競技大会の水球競技も最終日。男女それぞれ3位決定戦と決勝戦の合計4試合が行われた。
男子はIKAI・Kingfisher74対ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎は地元ということもあって、会場は満員に。大歓声が沸き起こるなかで決勝戦がスタートした。
第1ピリオド、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎の眞坂悠貴が先制点を奪うも、IKAI・Kingfisher74はパワープレーから荒木健太が高さのあるシュートを決めて同点に。その後も点を奪っては奪われの展開に。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎のセンターの志水悠介、髙田勇希がうまくファウルをもらいつつ、パワープレーでエースの稲場悠介が点を重ね、逆にIKAI・Kingfisher74は素早いパス回しから隙を突いたシュートで点を加えていく。最後はラリーが続いたのち、渡邉太陽がシュートを突き刺し逆転。5対4のIKAI・Kingfisher74リードで第1ピリオドを終える。
第2ピリオドは鈴木透生によるIKAI・Kingfisher74の追加点からスタート。稲場がすぐさま返す。このピリオドも第1ピリオド同様、それぞれがチャンスをしっかりと生かした攻撃を見せ、点差は変わらず1点の8対7で前半終了。
迎えた後半、最初の得点は足立が決めて2点差に。常にピリオドの最初に得点を奪い、試合をリードした状態で優位に進めるIKAI・Kingfisher74。さらに鈴木透生、伊達清武がゴールを決めて、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎との差をここで4点に広げた。
まさに勝負どころ、食らいつきたいブルボンウォーターポロクラブ柏崎は、ペナルティシュートのチャンスに稲場が決めて3点差。しかしIKAI・Kingfisher74は渡邉太陽がセンターから決めて再度点差を広げる。IKAI・Kingfisher74はここで獲得した4点の差を保ったまま、第3ピリオドを終了させて最終ピリオドへ向かう。
13対9で始まった最終ピリオド。やはりここでも髙田充のシュートで先制し、IKAI・Kingfisher74が点差を広げてからピリオドがスタート。さらに鮮やかなカウンターで足立が15点目を奪う。追う展開のブルボンウォーターポロクラブ柏崎もIKAI・Kingfisher74のディフェンスをパス回しで崩すも決めきれない。4分を過ぎたところで前野孝紀がようやくゴールを奪ったが、その間にIKAI・Kingfisher74がカウンターを含めてブルボンウォーターポロクラブ柏崎のゴールに襲いかかる。オフェンスはディフェンスから。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎にシュートチャンスを与えない守備からカウンターを生み出し、得点を重ねるIKAI・Kingfisher74。対するブルボンウォーターポロクラブ柏崎は最後にエース稲場が彼らしい力強いロングシュートを決めて、自身8点目奪って意地を見せた。
お互いに最後まで自分たちのプレーを貫く堂々とした試合を見せたところで試合終了。IKAI・Kingfisher74が23対13で地元のブルボンウォーターポロクラブ柏崎を下し、6連覇を成し遂げた。
「この大歓声のなかで水球ができたのがとてもうれしくて、楽しい1時間でした。このIKAI・Kingfisher74は前大本洋嗣さんが水球の魅力を伝えたいという思いで作ったチーム。その思いも私が引き継いで、水球の面白さを伝えていけるチームを作っていきたいと思います。」(塩田義法監督)
「選手たちには、楽しみながら最高のパフォーマンスをしよう、とだけ伝えて試合に臨みました。満員の観客の前で戦えるのはとても楽しかったです」(大川慶悟主将)
女子決勝は秀明大学水球クラブ対NSSU Water Polo Clubの対戦。開始早々、NSSU Water Polo Clubがペナルティシュートのチャンスを逃すと、秀明大学水球クラブが流れを引き寄せる先制点を主将の稲場朱里が奪う。浦映月、砂邊亜衣のシュートが決まり順調に得点を積み重ねる秀明大学水球クラブ。対するNSSU Water Polo Clubはチャンスをうまくいかせない部分もありながら、要所で日本代表経験のあるゴールキーパーの川田代悠花がファインセーブを見せる。序盤から攻撃的に点を奪い合う両者は、第1ピリオドを9対5で終える。
第2ピリオドはNSSU Water Polo Clubの河口華子が反撃の狼煙となるゴールを挙げると、カウンターから蜷川百音が決めて、再び河口が決め手1点差。秀明大学水球クラブは小林真穂が2点差に広げるゴールを奪うも、蜷川、福田のゴールで食らいつき、そしてNSSU Water Polo Clubのキャプテン設樂ひかるの連続得点で同点に追いつくと、蜷川が勝ち越しゴール。浦が再度同点にするも、河口が再度2連続得点を挙げて突き放し、14対15で前半終了。
第3ピリオドに入ると、NSSU Water Polo Clubの勢いがいよいよ加速。攻撃のリズムができると、ディフェンスにもキレが出る。秀明大学水球クラブは浦の驚異的な突破力を生かしてディフェンスをこじ開けるも、宮川妃奈乃の好セーブもあり決めきることができない。結果このピリオドで秀明大学水球クラブは得点を奪うことができず。反対にNSSU Water Polo Clubは第2ピリオドと第3ピリオドで合計17点を挙げて14対22とする。秀明大学水球クラブの主将である稲場朱里は「ここ(の0点)が大きかった」と振り返る。
最終ピリオドは小林真穂のゴールから秀明大学水球クラブが3連続得点を挙げ、さらには砂邊亜衣、関根桜彩、小林、稲場がゴールを奪い一気に2点差に詰め寄る。だが、追い上げムードになったところで稲場朱里がパーソナルファウル3つ目で永久退水に。その隙を突いて河口が8点目を挙げて4点差に広げる。その後は秀明大学水球クラブは浦、NSSU Water Polo Clubは福田がそれぞれ1ゴールずつ決めて試合終了。22対26で日本一に輝いた。
「試合中にそんなにたくさんのことはできませんから、最後は自分たちのやってきたことだけやろう、と声をかけました。選手たちは普段の練習では見たことがないような素晴らしいプレーを見せてくれました。優勝できてうれしい気持ちです」(大井恵慈監督)
「優勝できてうれしい気持ちでいっぱいです。苦しいところもありましたけど、弱気にならず攻め続けようという気持ちで最後まで頑張りました」(設樂主将)
高体連選抜対日本体育大学の男子3位決定戦では、スピード感溢れる見応えのある試合となった。
先制したのは、高体連選抜。「大学日本一のチームなんだから、思い切ってぶつかっていこう」と三浦敏史監督。その言葉通りのプレーを選手が見せ、日本体育大学のエクスクルージョンファウルのあとにキャプテンを務める岡本宝生がシュートを決めた。当然ながら、日本体育大学は負けていられない。大学日本一の意地ですぐさま同点にすると、そこから4連続得点を奪う。その後も得点を積み重ね、3対7で第1ピリオドが終了。
第2ピリオドに入ると、日本体育大学の村岡伯虎、山本将行の2連続得点などで一気に高体連選抜を突き放しにかかる。第3ピリオドに入るとその勢いはさらに加速。気づけば7対25にまで点差は広がっていた。
最終ピリオド、最後の力を振り絞る高体連選抜の勢いに日本体育大学が押されたか、高校生日本代表の井上皆、若月星輝、中西大海、前田敦也本部颯汰らのゴールで、大量8点を獲得。ピリオド内で8対5と日本体育大学を上回る得点を挙げた。結果としては、15対30で日本体育大学が貫禄の勝利を挙げて3位となった。
「昨日は惜しくも負けてしまったんですが、今日の最後の試合は大学チャンピオンとして、高校生たちの目標となるような試合ができたんじゃないかと思います」(中嶋崇光監督)
女子3位決定戦は秀明八千代水球クラブ対Violet Stars。第1ピリオドに先制点を奪ったのはViolet Starsの中野由美。秀明八千代水球クラブもペナルティシュートチャンスを生かしてすぐさま柴田奏が同点に。その後もViolet Starsが点を奪い、秀明八千代水球クラブも奪い返す展開で3対4として第2ピリオドへ。試合が大きく動いたのは、このピリオドであった。ここでViolet Starsが秀明八千代水球クラブの得点を1に抑えつつ、有馬優美、北村江梨、山﨑千夢らの得点で4点を追加。Violet Starsが4点のリードを奪って後半戦へ。
第3ピリオドに入ってもViolet Starsのエース、有馬優美のゴールが止まらない。このピリオドだけでも4点を奪い、さらに最終ピリオドは北村や中野の得点もあり、最終的には12対18として試合終了。新チームとして発足したViolet Starsが初の表彰台を獲得し3位に入った。
「日本一を目指して立ち上げたチームだったので、準決勝で負けてしまったことはとても悔しいのですが、今日の試合に向けて選手たちがしっかりと気持ちを立て直してくれて、自分たちの水球をやってくれました。今回メダルを獲れたことは、Violet Starsにとって大きな第一歩となりました」(志賀美沙監督)