【シンクロ・飛込・水球】第16回世界水泳選手権 7日目
ロシア・カザンでの第16回世界水泳選手権も、開幕して今日でちょうど一週間となる7日目。この日はシンクロのデュエットとミックスデュエットのフリールーティン決勝が、飛込は男子3m飛板飛込の予選と準決勝、水球は女子の予選リーグ最終戦が行われました。
男子3m飛板飛込の予選と準決勝が行われた飛込競技には、5大会目の五輪出場を目指す寺内健選手と若手筆頭の坂井丞選手が登場しました。
1本目から安定して70点前後を獲得し、トータル440.25の予選9位で決勝に進んだ寺内選手とは対照的に、坂井選手は思うような演技ができません。バネと鋭い回転が持ち味の坂井選手ですが、演技にキレが見られずに前半の得点はあまり伸びません。4本目以降は感を取り戻して最終307Cでは82.25を獲得しますが、準決勝進出ラインの18位までは8.10ポイント足りず、トータル411.10で22位となりました。
「調整できる範囲のことはしっかりやってきましたが、出だしの1本目から3本目までが悪くて、課題しか残らない結果です」(坂井選手)
予選出場人数が61人だったこともあって予選の競技時間が長くなってしまい、準決勝までの間が2時間程度しかなかったなかでも、数多く出場してきた国際大会の経験を生かして細かい調整を行って挑んだ寺内選手。
1本目の205Bから4本目の405Bまですべてで予選の得点を上回り、迎えた勝負の高難易率(3.4)の5154B。踏み切りから入水まで、予選よりも丁寧に飛びきって83.30を獲得。波に乗った寺内選手は、最後の107Bも79.05を得てトータル463.25の10位で決勝に進出。馬淵崇英ヘッドコーチと抱き合って喜びを分かち合い、来年行われるリオデジャネイロ五輪におけるこの種目の代表枠を獲得して代表に内定しました。
「最初の2、3本目は小さなミスもありましたけど、粘り強く飛べました。最後は決勝ラインギリギリのところにいるのは分かっていたので、踏み切りや入水など、自分にできることをやるだけやと思って飛びました。五輪枠は獲れましたが、まずは目の前の決勝に向けて、ひと桁順位を狙ってやれることをやって決勝に臨みます」(寺内選手)
乾友紀子選手と三井梨紗子選手のシンクロデュエットは、3位で迎えたフリールーティンの決勝が行われました。もうすでに5日目、疲労もあるなかで乾選手、三井選手ともに息の合った演技で素晴らしい同調性を見せます。ジャズという難しいテーマでありながら、それを見事に2人で演じきりました。
しかし、予選より点数を0.1000落とす、93.4333という評価を受けてウクライナの後塵を拝し、4位という結果となりました。
「ウクライナは本気で逆転をするんだ、という強い気迫で泳いでいました。私たちも、もっと勝つんだという強い気持ちを持って、明日のチームのフリールーティンに挑みたいと思います」(乾選手)
「自分の泳ぎをしようという強い気持ちで臨んだので、とても悔しいですし、ここでは終われないのでチームに良い流れを持って行くように気持ちを切り替えたい」(三井選手)
今大会から初の開催となったミックスデュエットもフリールーティンの決勝を迎えます。テクニカルルーティンで優勝した、男子シンクロ界では非常に有名なアメリカのビル・メイ選手や、ソリストとして衝撃的な一時代を築いたフランスのヴィルジニー・デデュー選手のミックスでの復帰など、見どころはたくさんありました。
そのなかで、日本初のパイオニアとして世界の舞台を踏んだ、足立夢実選手・安部篤史選手ペアも負けない演技をフリールーティンでは見せてくれました。得点は84.9000の7位という結果ではありましたが、日本のシンクロ界が新しい第一歩を踏み出した記念すべき大会となりました。
「ラストスイムなんだ、という想いが強かった。集大成なので、とにかく良い泳ぎをしたい気持ちで臨みました。自分としてもとても良い経験でしたし、私が挑戦してみたかった新しいシンクロを2人で作り上げられたことを誇りに思います」(足立選手)
「今は終わった安心感と、寂しさが入り交じった感じがしています。ステージを降りるときに、あぁ最後なんだ、と実感しました。ひと言では言い表せない5カ月間でした」(安部選手)
予選リーグの最終戦を迎えた女子水球は、2009年のローマ世界水泳選手権を制し、2012年ロンドン五輪の金メダルも獲得しているアメリカとの対戦となります。
さすがは強豪アメリカというプレーを見せて、日本ゴールに第1クオーターから襲いかかり、第3クオーターで日本の中野由美選手が1点をもぎ取るまでに14点を日本ゴールから奪い取ります。その後、再度中野選手がゴールを奪いますが、アメリカは圧倒的な攻撃力で3点を追加し、2対17で試合終了。結果、日本は予選リーグ敗退となりました。
この結果によって日本は順位決定戦に回り、8月1日にグループDの4位となったフランスと対戦することが決まりました。
8日目はシンクロチームのフリールーティン決勝、飛込は女子3m飛板飛込の予選と準決勝、そして寺内選手が進んだ男子3m飛板飛込の決勝が行われます。水球は男子の予選リーグ最終戦となる、モンテネグロとの対戦となります。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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