2015.08.07

【競泳】第16回世界水泳選手権 15日目

日本代表チームに待望の金メダルが生まれた翌日、第16回世界水泳選手権も15日目を迎え、競泳も6日目の競技が終わりました。この日は、予選が6種目、準決勝が4種目、そして決勝が5種目行われました。

星奈津美選手が金メダルを獲得してから一夜空け、良い流れをつないでいきたい日本代表チーム。その役割を担ったのは、200m個人メドレーで銀メダルを獲得した渡部香生子選手でした。

渡部選手は、ベテランの金藤理絵選手とともに女子200m平泳ぎの決勝に登場。この種目の世界記録保持者であるリッケ・ペダーセン選手(デンマーク)の隣のコースにやや緊張の面もちで入場してきます。
スタートすると予想通りペダーセン選手がスピードを生かして先行し、100mの折り返しでは約1秒差で渡部選手があとに続きます。金藤選手はさらに少し遅れての折り返しとなり、ここから持ち味の後半の追い上げにかかりたいところでしたが、思うように泳ぎが伸びず、結果は2分23秒19の6位となります。
一方、渡部選手は150mをターンしても、まだ先行するペダーセン選手の約1秒遅れの位置につけており、最後のスパートのタイミングを伺います。
レースが動いたのは、ラスト25mでした。疲れが見えたペダーセン選手に並びかけた渡部選手は、そのまま他を引き離していき、最後は2位に1秒以上の差をつける2分21秒51でフィニッシュ。見事、星選手に続いて金メダルを獲得しました。
「まだあまり実感はないんですが、竹村吉昭先生と話していた通りのレースをすることができて、今はすごく満足しています。竹村先生と一緒に取り組むようになってから、本当に自分のすべてが変わったので、いろいろな人に感謝したいんですが、今はやっぱりいちばんは竹村先生に感謝の気持ちを伝えたいです」(渡部選手)

メダルが期待されていた、男子キャプテンの入江陵介選手。100mでは悔しい結果に終わっているだけに、この日の男子200m背泳ぎ決勝にかける思いは人一倍でした。
しかし、泳ぎがうまく気持ちとかみ合いません。前半から積極的に攻めているように見えたこのレース、100mをトップで折り返しますが、余裕を持っていたわけではありませんでした。後半の100mで周りを追い上げていくのが入江選手のレースパターンなのですが、いつもとは逆に150mでラップを奪われてしまいます。再度スパートをかけたいところでしたが、周りの選手のスピードについて行くことができずに4位となる1分54秒81でフィニッシュしました。
「今まで頑張ってきた分、もう悔しい気持ちしかありません。昨年出したタイムであれば優勝できていただけに、今はただただ自分が弱かった、という思いしかありません」(入江選手)

この種目一本に絞って代表権を勝ち取ってきた藤井拓郎選手は、男子100mバタフライの準決勝に登場します。前半を24秒22で折り返すと、ラスト25mをすぎてから周りを追い上げていきます。最後はタッチの差で準決勝1組目の4位となる51秒58で泳ぎ切ります。「51秒6くらいが決勝ラインだと思っていた」という目標はクリアしましたが、実際の決勝ラインは51秒51。たった0秒07差で惜しくも準決勝9位となり、決勝進出を逃しました。
「この準決勝が勝負になることは分かっていましたし、ここでベストパフォーマンスを出すことを考えて練習してきました。それでも決勝の舞台には立つことができず、悔しいですね。レース展開うんぬんではなく、ただ単に自分の実力不足なので、しっかりと練習し直します」(藤井選手)

準決勝で150mまで世界記録を上回る記録で泳いで会場を大いにわかせた小関也朱篤選手は、勝負の男子200m平泳ぎの決勝を迎えます。
準決勝と同様に、小関選手がスタートから飛び出していきます。100mのターンも1位で折り返し、このまま最後まで押し切りたかったところですが、ほかの選手もそれを許すことなく小関選手を追い上げます。150mで捕まってしまった小関選手は、ラスト50mでもう一度トップに立つ体力が残っていませんでした。準決勝から記録を落としてしまう、2分09秒12で5位という結果になりました。
「前半にも後半にも、準決勝よりタイムロスする場面があったのだと思います。泳ぎの映像を確認して、しっかりと反省して次につなげたいと思います」(小関選手)

2001年以来となる決勝進出を目指す塩浦慎理選手と中村克選手のスプリンターは、男子50m自由形の準決勝に出場。世界一速く泳げる選手を決めるこの種目、スタートから横一線の展開で最後はゴールに8人全員がなだれ込みます。結果、中村選手は22秒15の13位となり、塩浦選手は22秒08の11位となりました。

そのほかの結果は、以下の通りです。
・女子50mバタフライ
池江璃花子選手 26秒66 予選19位
山口美咲選手 26秒68 予選20位
・男子100mバタフライ
川本武史選手 52秒45 予選21位
・男子4×200mリレー
小堀勇氣選手 1分47秒51
天井翼選手 1分48秒56
江原騎士選手 1分47秒64
瀬戸大也選手 1分47秒88
トータル 7分11秒59 予選10位
(リオデジャネイロ五輪のリレーの出場枠を獲得)

大会16日目の予選は、女子50m自由形、男子50m背泳ぎ、女子50m平泳ぎ、4×100Mixリレーと、男子1500m自由形が行われます。

来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!

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大会公式HPはこちら
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