【飛込】第91回日本選手権水泳競技大会飛込競技 3日目
東京・辰巳国際水泳場で行われている、第91回日本選手権水泳競技大会飛込競技も最終日を迎えます。
この日行われた決勝は3種目。最初の決勝種目だった女子1m飛板飛込は、カザン世界水泳選手権代表の渋沢小哉芳選手(セントラルN)がヒザの調子が悪く、決勝を棄権なかでしたが、ユニバーシアード大会代表の馬淵優佳選手(JSS宝塚)と榎本遼香選手(筑波大学)をはじめとする選手たちが奮闘します。
その馬淵選手は、1本目の5132Dの助走でバランスを崩してしまい、39.60と出遅れてしまいます。反対に、大きなミスのなかった榎本選手がトップでスタート。榎本選手は2本目の5132D、403Bも危なげない演技でトップをキープします。しかし、馬淵選手は2本目以降、気持ちと助走を修正していって徐々に榎本選手に追いついていきます。点差を1.10まで詰めて臨んだ4本目、榎本選手が303Bで45.60と得点が伸びない隙に、203Bで51.75を出した馬淵選手がトップを奪います。ラスト5本目の403Bも安定した演技で55.20を獲得し、合計257.55で優勝を果たしました。榎本選手は250.60で2位、3位には今期好調の金戸華選手(日出高校)が240.60で入りました。
「助走に苦手意識があり、いつも試合になるとバランスをとるようにして飛んでしまうのですが、その悪いクセが出てしまいました。ですが、2本目以降は思い切ってパワーを出そうと切り替えて飛んだのが良かったと思います。1mはすべての基礎となる種目ですし、そこで優勝できたことは必ず3mにもつながるので、これからは助走を中心に練習していきたいと思っています」(馬淵選手)
男子高飛込決勝は、カザン世界水泳選手権代表の萩田拓馬選手(静岡ビル保善)と岡本優選手(JSS宝塚)が登場。その岡本選手と萩田選手は、どうしても入水を決めきることができずに点数が伸び悩みます。
反対に好調だったのは、岡島太一選手(日本体育大学)と村上和基選手(JSS白子)でした。1本目の407Cを決めて76.80を獲得した村上選手が先行し、3本目までトップをキープ。その村上選手に10.60差で2位につけていた岡島選手は、4本目に109Cを決めて92.50を獲得してトップを奪います。その後、207B、5255Bも危なげない演技で最後まで逃げきった岡島選手が、444.70で日本選手権初優勝を飾りました。2位には村上選手が432.50で入り、3位には3本目の407Cから驚異的な追い上げを見せた岡本選手が431.50で入りました。
「いつもは優勝しないと、と考えていたんですが、今回は優勝することは考えずに、まずは練習通りに、いつも通りにリラックスすることを心がけました。国体から調子は良かったんですが、優勝できるとは思っていなかったので驚きでした。今回は、良い種目と悪い種目の差がなく、全体的に安定していたことが勝因だと思います」(岡島選手)
女子10mシンクロは、高飛込で優勝した佐々木那奈選手・荒井祭里選手ペア(ともにJSS宝塚)が、275.88で優勝、男子10mシンクロは岡本選手・村上選手ペアが410.88を獲得して日本選手権を獲得しました。
3日間に及ぶ日本選手権もこれで終了。しかし、2カ月後の11月14、15日には、飛込国際大会代表派遣選考会でリオデジャネイロ五輪代表枠がかかるワールドカップへの出場権をかけた争いが行われます。
たった1秒ほどの演技に対する集中力、そして水しぶきをあげないノースプラッシュにかけるダイバーたちに、引き続きご声援をよろしくお願いします。
※1m飛板飛込を制した馬淵選手
※高飛込で初優勝を果たした岡島選手
※男子10mシンクロで優勝した岡本選手・村上選手ペアの演技