【OWS】オープンウォータースイミング ジャパンオープン2015館山 結果
今回は、例年より1カ月遅れての開催でしたが、天候も晴れで穏やかな風が吹く、絶好のコンディションでオープンウォータースイミング ジャパンオープン2015館山が行われました。
今大会は男女ともに10kmで行われ、ポルトガル・セチュバルでのリオデジャネイロ五輪最終予選大会をはじめ、来月のFINAワールドカップ香港大会、そしてOWS全豪選手権の代表派遣選手選考会を兼ねた大会であり、ハイレベルなレースが期待されました。
男子は49人、女子は31人の参加。そのなかには、カザン世界水泳選手権代表の平井康翔選手(朝日ネット)、宮本陽輔選手(自衛隊)、貴田裕美選手(コナミ)の姿はもちろん、ユニバーシアード大会代表の三村浩介選手(福岡大学)や浅山美貴選手(山梨学院大学)、昨年のジュニアパンパシフィック選手権で優勝を果たした森山幸美選手(日本体育大学)など、国際大会経験豊富な選手たちが勢ぞろい。
男子の2分後に女子が始まるというかたちで、レースがスタート。
男子の1周目から先頭パックを引っ張ったのは、平井選手。その平井選手を取り囲むようにして、宮本選手をはじめとする10人以上の選手が集団を作ってレースを展開していきます。
一方の女子は、1周目で貴田選手と森山選手が抜け出す展開。そのあとを浅山選手や岩永美里選手(ATSC.YW)、新倉みなみ選手(セントラル目黒)らが追いかけていきます。
水温が25℃と少し高めで、日差しの強いなかでレースは淡々と進んでいきますが、徐々に男子は先頭パックの人数が減っていき、最終8周回目にはやはり実力者である平井選手と宮本選手が抜け出します。2人がぴったりとくっついたまま最終ブイをターンしたあと、フィニッシュラインに向けた直線に入ったところで平井選手がスプリント勝負をしかけます。宮本選手は食らいつこうとしますが、スピードでは及ばずジリジリと後退。最後は宮本選手に7秒の差をつけた平井選手が、大きな声を上げ、何度もガッツポーズを繰り返しながら喜びを表現し、2時間04分59秒4で連覇を果たしました。
宮本選手は2時間05分07秒1で、自身も納得の2位。3位には、宮本選手のチームメイトである片岡裕也選手(自衛隊)が2時間06分31秒5で入りました。
「国内だとみんなからマークされてしまうので、気持ちとしては国内大会のほうがハードに感じますし、緊張感もありました。そのなかでも、自分のパターンで勝つことができてホッとしています。去年のこの大会に向かう1年間と、今大会に向かった1年間は場数を踏んできた数が全く違うので、少し余裕を持ってレースを展開できました。レース経験は積んできましたので、これからは自分の身体のスペックを上げるトレーニングをしていきます」(平井選手)
女子は、トップを泳ぐ森山選手に初優勝の期待が高まります。しかし、残り3kmとなったところで貴田選手がスパート。一気に森山選手を引き離して単独トップに立ちます。そのまま最後まで全く他を寄せ付けることなく、実力を見せつけたかたちで貴田選手が2時間12分28秒3で、こちらも大会連覇を飾ります。
前半、レースを引っ張った森山選手はハイペースがたたったのか、貴田選手のスパート後に失速してしまいます。代わって上位に上がってきたのは新倉選手で、貴田選手に遅れること1分15秒の2時間13分43秒3で、自身も驚きの2位フィニッシュでした。森山選手は2時間14分24秒9という悔しい3位という結果になりました。
「世界選手権では、周りがスパートをかけたラスト3kmからついて行くことができずに悔しい思いをしました。そのレースを意識して、今回はラスト3kmあたりでスパートをかけてみましたが、思い通りのレースができたことで自信になりました。これからはしっかり集団のなかでも体力を削られないように、ベースを上げるトレーニングに取り組んでいきたいと考えています」(貴田選手)
国際大会の代表選手は、今大会の結果を踏まえて9月30日に正式発表される予定です。
長距離ならではの駆け引きに加えてボディコンタクトの激しい争いが見どころのOWS。リオデジャネイロ五輪を目指して戦い続ける選手たちに、引き続きご声援をよろしくお願いします。
※男子10kmの表彰式
※女子10kmの表彰式
※OWSならではのレース中の給水
大会結果はこちら
http://www.swim.or.jp/upfiles/tonamnt/1443055586-OWS2015result.pdf