2016.05.12

【水球】FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメント 3日目

水球の世界3大大会のひとつである、FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメントも3日目を迎えました。

この日の初戦は、ブラジル対中国。
第1ピリオドに先制したのはブラジル。決めたのはキャプテンのフェリペ・ペローネ選手でした。中国もキャプテンの解澤楷選手がすぐさま1点を返しますが、カザフスタン戦で19点を奪ったブラジルは、今戦でもその攻撃力の高さを見せつける猛攻で、第1ピリオドを5対1の4点リードで終えます。

第2ピリオドは、技ありのループシュートでブラジルキャプテンのペローネ選手が2得点目を挙げ、残り2秒となってタイムアウトを取ったブラジルが開始直後の一瞬の隙を突いてヨシプ・ブルリッチ選手がゴールを奪うなど、中国への攻撃の手を休めることなくさらに4点を追加し、10対2とブラジルが点差を広げて後半の第3ピリオドへ。

ブラジルも少しペースダウンしますが、それでも中国に攻め入る隙を与えることなく2点を追加。12対2で第4ピリオドに入ります。

中国は2得点を挙げて反撃に出ますが、ブラジルはさらに5点を追加。結果、17対4でブラジルが大勝しました。

2戦目はカザフスタン対アメリカ。
第1ピリオドはアメリカのブレット・ボナニ選手とカザフスタンのルスタム・ウクマノフ選手のゴールの奪い合いからスタート。先制したのは、ボナニ選手。さらに1点をボナニ選手が追加したところで、ウクマノフ選手が連続2得点で追いつきます。ボナニ選手が1点をさらに追加すると、またウクマノフ選手が奪い返すという展開に。

しかし、第1ピリオド終了間際にはアメリカのルカ・カピード選手が2得点を挙げて、3対5のアメリカが2点のリードを奪います。

第2ピリオドはアメリカペースでゲームが進みます。ジョシュ・サミュエルズ選手、キャプテンのトニー・アゼベド選手らが追加点を奪い、9対4のアメリカリードとしたところで前半を終了。

第3ピリオドになってもアメリカは攻撃の手を休めません。さらに3点を追加して点差を7点まで広げて迎える第4ピリオド。反撃したいカザフスタンはムラト・シャケノフ選手やキャプテンのエフゲニー・メドベージェフ選手が得点しますが、アメリカのボナニ選手が自身8得点目となるゴールを決めるなど、アメリカも得点を重ねていって試合終了。7対19でアメリカが全勝を守りました。

3日目の最終戦となった、日本対オーストラリア。
先制点はオーストラリア。飯田純士選手のエクスクルージョンファウルから、オーストラリアのアークラン・エドワーズ選手が先制ゴールを奪います。

日本も負けじとジョージ・フォード選手(オーストラリア)のエクスクルージョンファウルから、エースの竹井昂司選手が同点ゴールを決めます。波に乗りたい日本でしたが、筈井翔太選手のファウルでオーストラリアにペナルティースローを与えてしまいます。そのペナルティースローは、オーストラリアのキャプテン、リース・ホーデン選手が落ち着いて決めて1対2。さらに1点をオーストラリアが追加して、1対3で第1ピリオドが終了。

第2ピリオド開始早々、日本は得意のカウンターアタックで飯田選手からのアシストを受けた竹井選手が得点しますが、オーストラリアはエドワーズ選手のこぼれ球をネーサン・パワー選手が押し込んでゴール。

ここからは両チームともに決め手を欠き、苦しいラリーが続きます。第2ピリオドが残り1分30秒となったところで、日本がチャンスを迎えます。

ジャロッド・ギルクリスト選手のエクスクルージョンファウルを切っ掛けに、筈井選手からのアシストを飯田選手が最高の形で受けますが惜しくもブロック。続けてコーナースローから再度チャンスを作った日本ですが、再度オーストラリアのキーパー、ジェームズ・スタントン選手にブロックされてしまいます。そのまま第2ピリオドが終了し、点差は変わらず2対4のオーストラリアリードで後半戦に突入します。

第3ピリオドもラリーの連続で、両チーム我慢の展開。2分が経過したところで、ジョージ・フォード選手(オーストラリア)のエクスクルージョンファウルから竹井選手がこの試合3得点目となるゴールを奪い、三度1点差に。ここから3分間、両者一歩も譲らない攻防を見せて、またもラリーが続きます。次に挙げる1点が戦局を左右することを両チームとも理解しているような展開。

その1点を奪ったのは、オーストラリアでした。ゴール前に落ちたボールを巡った争いで角野友紀選手がファイル。オーストラリアにペナルティースローが与えられ、キャプテンのホーデン選手が落ち着いて決めて5点目を獲得。さらに日本を追い込むかのように、オーストラリアが猛攻を仕掛け、連続で日本がエクスクルージョンファウルをとられます。しかし、日本もこれを耐え抜いて第3ピリオドを3対5で終了。

そして迎えた第4ピリオド。開始30秒でカウンターから竹井選手のアシストを受けた柳瀬彰良選手が1点差に詰め寄るゴールを奪います。長いラリーの末、カウンターをブロックされた日本は、反対にオーストラリアのタイラー・マーティン選手に点を奪われ、再び2点差とされます。諦めない日本は、ジョージ・フォード選手(オーストラリア)の永久退水となるファウルからペナルティースローを獲得。これをしっかり足立聖弥選手が決めますが、日本の反撃もここまで。残り1分を切ったところでオーストラリアに7点目を奪われて試合終了。第1ピリオドで日本から奪った2点のリードを守りきったオーストラリアが、5対7で勝利しました。

「格上の選手だとはいえ、勝ちにいきましたし、勝たなければいけない試合でした。ですが、ラストの勝負どころで競り負けてしまいました。これからの課題です。明日のカザフスタン戦は負けられない試合。選手をしっかり休ませて、万全の状態で臨みたいと思います」(大本洋嗣ヘッドコーチ)

「明日は、勝たなければいけない試合。どんな展開、どんな試合になろうとも、勝つことを意識して臨みます。私たちはアジアのトップですし、それを見せつける試合をします」(志水祐介キャプテン)

3戦目を終えて、全勝のアメリカがトップ、オーストラリアとブラジルが2勝1敗、日本とカザフスタンが1勝2敗、そして3敗の中国という順位となりました。
4日目は、アメリカ対ブラジル、中国対オーストラリア、日本対カザフスタン戦の3試合が行われます。

32年ぶりの五輪に向けて鍛錬を積み、パスラインディフェンスとカウンターという武器を手に世界と戦う水球日本代表『ポセイドンジャパン』へのご声援、これからもよろしくお願いします。

※写真1:全員でオーストラリアからの猛攻に耐えるポセイドンジャパン
※写真2:アメリカ戦に続いて3得点の活躍を見せた竹井選手
※写真3:要所要所で的確に指示を出す大本ヘッドコーチ

©フォート・キシモト

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