2016.05.15

【水球】FINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメント 6日目

連日白熱した試合が行われ、会場も大いに盛り上がっているFINA水球ワールドリーグ インターコンチネンタルトーナメント。
大会5日目までで予選リーグが終了し、残すは最終日の順位決定戦のみとなりました。

第1試合の5、6位決定戦は、カザフスタン対中国。
センターボールを奪い、そのまま先制点を挙げたのはカザフスタンでした。中国もすぐに盧文輝選手が1点を奪い返して同点にします。その後も点を奪い合い、第1ピリオド最後に得点を決めたカザフスタン、マキシム・ジャルダン選手のゴールで4対2として、カザフスタンが2点リードを奪う立ち上がり。

第2ピリオドに入ると、中国が攻めあぐねている隙にカザフスタンが3連続得点を挙げてリードを広げます。中国は残り9秒となったところで、カザフスタンのムラト・シャケノフ選手のペナルティファウルで得たペナルティースローを陳逸民選手が決めた1点にとどまり、前半を7対3のカザフスタンリードで折り返します。

第3ピリオドも、開始からすぐにカザフスタンが3連続得点。対する中国も負けずに3連続で得点を奪い返します。しかし、第3ピリオド残り1分を切ってから、カザフスタンが2ゴールを奪って12対6とします。

第4ピリオドに入っても、カザフスタンペースの展開は変わらず。ジャルダン選手、ルスタム・ウクマノフ選手、ラビル・マナフォフ選手らが4点を奪い、試合を決定づけます。中国は試合終了と同時に1点を獲得するのが精一杯で、16対7でカザフスタンが勝利。

これで5位がカザフスタン、6位が中国と確定しました。

第2試合はブラジル対日本の、大会5日目の昨日と同じカード。
高いボールをセンターに入れられてゴールを奪われる展開だった昨日の試合。第1ピリオド開始から、ブラジルのヨシプ・ブルリッチ選手が、同じような形で先制し、さらに1点を追加。

しかし、ここからが違いました。「明日は違う戦いを見せます」と話していた大本洋嗣ヘッドコーチの言葉通り、パスラインディフェンスで早めにプレスをかけ、ブラジルがパスを出せない展開に持ちかけます。日本はブラジルのフェリペ・シルバ選手のペナルティファウルから、エース竹井昂司選手が落ち着いて1点を獲得。ブラジルも負けじと追加点を挙げますが、3対1の2点差にとどまります。

第2ピリオドは最初にカザフスタンのアドリアン・バチェス選手が1点を加えますが、日本が2連続でペナルティシュートを獲得し、足立聖弥選手、荒井陸選手がそれぞれ確実に決めて1点差に詰め寄ります。そこからブラジルと日本はそれぞれ2点ずつ追加。点差は1点のままで前半が終了します。

点差を詰めて前半を終えた日本は、第3ピリオドに反撃を開始します。センターボールを奪い、ブラジルのエクスクルージョンファウルを誘って志賀光明選手が同点ゴールを奪ってガッツポーズ。会場の大声援にも後押しされ、カウンターアタックから大川慶悟選手が逆転の7点目を決めます。

ここからブラジルが追いつけば日本が突き放す展開に。第3ピリオド終了間際、志賀選手のドライブから惜しい場面もありましたが、2点差にすることはできません。ですが、8対9と日本が逆転して、最終第4ピリオドに突入します。

3位をかけたこの戦い。昨日負けた悔しさを晴らしたい日本は、第4ピリオド開始早々、ブラジルを突き放しにかかります。大川選手がセンターへのアシストを受けた柳瀬彰良選手が10点目、さらに志賀選手から大川選手、もう一度志賀選手に戻すパスワークでブラジルディフェンスを翻弄。最後は志賀選手がループシュートを決めて11点目。ブラジルとの点差を3点まで広げます。

流れは日本に傾いたかと思われましたが、なんとここからブラジルが怒濤の5連続得点。あっという間に、スコアはブラジルが2点リードの13対11に。日本も必死の抵抗で、残り2分のところでブラジル、ベルナルド・ローシャ選手のエクスクルージョンファウルを誘い、13対12と1点差に差を詰めます。残り30秒でタイムアウトを取った日本は体勢を立て直し、さらに試合終了10秒前にグスタボ・ギマラエス選手のエクスクルージョンファウル。最後の攻撃のチャンスに放ったシュートは、残念ながらブラジルキーバーのビニシウス・アントネリ選手がブロックし、試合終了のブザーが鳴り響きます。

結果、13対12の1点差でブラジルが勝利。3位がブラジル、4位が日本に決定しました。

そして、今大会最後の1、2位決定戦は、アメリカ対オーストラリア。
先制点は、オーストラリアでした。ジョン・コトリル選手が先制ゴールを奪い、さらにアイダン・ローク選手が2点目を挙げます。もちろんアメリカも負けじと2ゴールを奪い返し、さらにそれぞれ1点ずつを加えて、3対3で第1ピリオドが終了。

第2ピリオドは、アメリカがペナルティスローのチャンスを生かせませんでしたが、すぐにオーストラリアのローク選手のエクスクルージョンファウルからアメリカのジョシュ・サミュエルズ選手が勝ち越しの4点目。さらに残り1分でアメリカのキャプテン、トニー・アゼベド選手が5点目を獲得。オーストラリアは1点を入れて、5対4のアメリカリードで後半戦に突入します。

その第3ピリオドは静かな立ち上がりから、約3分間ラリーが続きます。均衡を破ったのは、オーストラリアのジョン・コトリル選手。同点ゴールを決めて試合を動かします。そこからはアメリカが追加点を奪えば、オーストラリアが追いつき、追い越す。そしてアメリカが再度同点に持ち込みますが、第3ピリオド終了1分前に、オーストラリアのジョエル・スィフト選手が勝ち越しゴールを決め、7対8でオーストラリアリードで最終第4ピリオドへ。

第4ピリオドも長いラリーのあと、オーストラリアのローク選手のエクスクルージョンファウルから、アメリカのブレット・ボナニ選手が同点ゴール。オーストラリアはコトリル選手が9点目を挙げて再度勝ち越しますが、残り1分30秒でアメリカ、ルカ・カピード選手がもう一度同点にするゴールを奪います。

残り時間が少なくなり、決着はペナルティスロー戦に持ち込まれると思われた一瞬の隙を突いたカピード選手。右サイドからゴールの右隅に決まる逆転ゴール。時計は残り2秒を指していました。そのまま試合が終了。最後まで接戦だったこの戦いは、試合終了のブザーが鳴るまで諦めなかったアメリカが10対9で勝利。

この結果によって、今大会の1位がアメリカ、2位がオーストラリアとなり、全順位が以下のように決定しました。

1位:アメリカ
2位:オーストラリア
3位:ブラジル
4位:日本
5位:カザフスタン
6位:中国

表彰式では個人表彰も行われ、以下のメンバーが表彰されました。
・最多得点:ヨシプ・ブルリッチ選手(ブラジル) 21得点
・最優秀ゴールキーパー:棚村克行選手(日本)
・MVP:トニー・アゼベド選手(アメリカ)
・OC賞:荒井陸選手(日本)

32年ぶりの五輪に向けて鍛錬を積み、パスラインディフェンスとカウンターという武器を手に世界と戦う水球日本代表『ポセイドンジャパン』へのご声援、これからもよろしくお願いします。

※写真1:表彰式後、1位から3位までのチーム全員で
※写真2:個人表彰を受けた4人の選手たち
※写真3:OC賞を獲得した荒井選手

©フォート・キシモト

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