【飛込】日本室内選手権飛込競技大会 翼ジャパンダイビングカップ 3日目
最終日を迎えた、東京辰巳国際水泳場で行われている日本室内選手権飛込競技大会兼国際大会派遣代表選手選考会（翼ジャパンダイビングカップ）。
この日の決勝種目は、女子1m飛板飛込と男子高飛込、男女の10mシンクロナイズドの4種目です。
最初の決勝種目は、女子1m飛板飛込。予選で自己ベストとなる270.45を出した好調の馬淵優佳選手（JSS宝塚）を中心に試合が展開されるかと思いましたが、1本目でトップを奪ったのは、中学1年生の前田花奈選手（米子DC）でした。馬淵選手は3位からのスタートとなりましたが、徐々に順位を上げていき、3本目の303Bで52.80を獲得したところでトップに立ちます。
そこからは安定した危なげない演技で、予選のポイントには届きませんでしたが、馬淵選手が253.50で優勝。2位は宮本葉月選手（土佐女子高）が237.85、後半に追い上げてきた榎本遼香選手（筑波大）が225.40で3位に入りました。
「決勝も予選と同じくらいの記録は出したかったんですが、小さいミスが重なってしまって、すべての種目で少しずつ点が引かれていってしまいました。でも予選も決勝も身体は動いていて、良いトレーニングができていたことで自信を持って今大会は臨めたので、持っている力は出せたと思います」（馬淵選手）
男子高飛込決勝は、日本代表経験者の予選1位だった村上一基選手（JSS白子）と萩田拓馬選手（静岡ビル保善）の戦いに。岡島太一選手（日本体育大）と高校生の伊藤洸輝選手（JOC EA）に西田玲雄選手（大阪水泳学校）が加わり、接戦の様相。
1本目に好スタートを切ったのは、村上選手。2本目を終えると、2番手に伊藤選手が食い込んできます。試合が動いたのは4本目でした。伊藤選手が205Bで得点を伸ばせず、メダル争いから脱落してしまいます。さらに、大技の109Cにチャレンジした村上選手がこれを失敗。31.45として順位を3位まで下げます。変わってトップに躍り出たのは、同じ109Cを決めきった岡島選手。このまま逃げ切りたかった岡島選手でしたが、5本目に萩田選手が207Bでノースプラッシュ。84.60を獲得してトップに立ちます。最後の6本目の5255Bも安定して79.20を出した萩田選手が、トータル425.10で優勝しました。
2位には、村上選手が5、6本目を踏ん張って417.05で入ります。3位は接戦に。徐々に得点を伸ばし続けてきた西田選手が、6245Dで79.20の高得点を獲得し、トータルを385.50まで伸ばします。岡島選手が64.45ポイント以下だと逃げ切れる状態に。少しでも入水が乱れると60点台の可能性が出てきてしまうプレッシャーのかかる場面でしたが、5255Bをきっちり決めて73.80を獲得し、トータル394.85として3位を決めました。西田選手は惜しくも385.50で4位という結果になりました。
大会最後の競技は、男子10mシンクロナイズドと女子10mシンクロナイズド。
男子は直前に行われた男子高飛込を制した萩田選手と久永将太選手（セントラルスポーツ）のペアが、3本目を終えてリードを奪いますが、4本目に70点台を獲得した千歩純一選手、荒田恭兵選手（日本体育大）ペアが逆転します。そして最後の6本目、萩田選手、久永選手ペアは5255Bで74.52を獲得して再度逆転。ペアを組んでからまだ3週間ながらトータル348.96で優勝しました。
「萩田選手とペアを組ませていただいた3週間で、踏み切り姿勢などを見本にさせてもらって自分も成長したと感じています」（久永選手）
「高飛込のあとで疲れもあったので、久永選手が僕に合わせるのを苦労したと思いますが、うまく合わせてくれました。表彰台のいちばん上に連れて行けたことは良かったですし、感謝しています」（萩田選手）
女子は荒井祭里選手、佐々木那奈選手（JSS宝塚）ペアが、1本目から安定した演技を披露。男子にも劣らない高い難易率の演技をこなし、トータル297.24として優勝しました。
全競技が終了後、今大会の最優秀選手が発表され、男子3m飛板飛込で優勝した坂井丞選手（ミキハウス）が受賞しました。
3日間に渡る大会も終了し、今大会に出場した坂井選手、板橋美波選手（JSS宝塚）に加え、大ベテランの寺内健選手（ミキハウス）の3選手は、これからイタリアグランプリを経て、リオデジャネイロ五輪に臨みます。
たった1秒ほどの間に行う美しさを追求した演技と、水しぶきをあげないノースプラッシュを追い求めるダイバーたちに、引き続きご声援をよろしくお願いします。
※写真1:最優秀選手に選ばれた坂井選手
※写真2:女子1m飛板飛込を制して笑顔の馬淵選手
※写真3:男子髙飛込と男子10mシンクロナイズドを制した萩田選手
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