2016.09.06

【OWS】第71回国民体育大会水泳競技大会 OWS競技

第71回国民体育大会水泳競技大会の会期前競技として行われる、水泳競技。シンクロナイズドスイミングが終了し、次に開幕したのは水球競技。水球も岩手・盛岡市総合プールで熱戦が繰り広げられていますが、この日に記念すべき第1回目の開催となる競技が岩手・釜石市根浜海岸で開催されました。

それが、オープンウォータースイミング(OWS)競技です。7月にはリハーサル大会を行い、前日の5日には、監督者会議が終了後、同じ会場で公益財団日本水泳連盟の復興支援イベントとして、そして希望郷いわて国体オープンウォータースイミング競技開催記念として、“水泳ニッポン”トークショーが行われました。
司会進行はアスリート委員会・委員長の萩原智子さん、ゲストに五輪メダリストの田中雅美さん、森田智己さんを迎えて、OWSについて、水泳について、様々なお話をいただきました。会場は笑顔に包まれ、水泳に触れたことがない人たちも、水泳に興味を持ってくれた様子。翌日に根浜海岸で行われる、OWS競技への応援を呼びかけ、盛大のうちに終了しました。

そして日が明けて6日、いよいよOWS競技の本番を迎えました。

オリンピックではマラソンスイミングという名前で行われるこのOWSは、メインは10kmとなっていますが、今大会では男女とも5kmで行われました。

参加選手のなかには、リオデジャネイロ五輪で日本代表として初となる8位入賞を果たした平井康翔選手(千葉)や、同じ五輪代表の貴田裕美選手(群馬)も名を連ねていました。

天候にも恵まれ、波もほぼない状態。多少の風で流されるところはありつつも、最高のコンディションで競技がスタート。男子がまずスタートし、その2分後に女子がスタートしていきます。

その男子で先行したのは、宮本陽輔選手(埼玉)。その後ろに平井選手、中島拓海選手(岐阜)が続く展開に。宮本選手も、残念ながら五輪には出場できませんでしたが、1500m自由形で14分台の自己ベストを持ち、競泳競技で日本代表入りの経験のある実力者。3ラップ、4ラップと進むにつれて、徐々に宮本選手と平井選手の2人が抜け出していきます。
そして、勝負は最後のブイを回って最後の直線に入ってもまだつかず。フィニッシュゲートの手前200mあたりで、平井選手が力強いキックを打ってラストスパート。そのタイミングでコースを変更しようとした宮本選手が、一瞬もたつきます。その隙に平井選手が抜け出し、そのまま第1回の記念すべき最初の優勝を飾りました。
宮本選手も、平井選手から遅れること約2秒、2位でフィニッシュ。そして3位に入ったのは、途中で少し順位を下げながらも、平井選手、宮本選手に食らいついていった中島選手でした。

女子も五輪代表の貴田選手が最初から飛び出すレースになるかと思われましたが、2ラップ目でトップを奪ったのは、新倉みなみ選手(東京)。新倉選手から約2秒遅れて、貴田選手、そして森山幸美選手(愛知)が続きます。
OWSで「レースを先行して引っ張る展開はきつい」と言う貴田選手ですが、この大会では実力ナンバーワンのため、誰もが貴田選手をマークしてレースを展開していきます。
それでも、五輪を含めて数多くの世界大会を戦ってきた実力者である貴田選手は、落ち着いて自分の体力をしっかり温存しながら、周りとの距離を測りつつ試合を進めます。そして、最後のフィニッシュゲートに向かうところでラストスパート。ずっと1〜2秒遅れで貴田選手についていた森山選手を振り切るように差を広げていき、トップでフィニッシュ。こちらも実力を見せつけて優勝を果たしました。2位には森山選手、そして3位には勇気を持ってレースを引っ張った新倉選手が入りました。

国体では初の開催となったOWSでしたが、会場は大いに盛り上がり、そして5kmを戦い抜く選手たちにあたたかいご声援をくださり、ありがとうございました。

5kmでも1時間前後、そしてメイン種目である10kmでは2時間前後、自然を相手に泳ぎ続けるという過酷な競技に挑むOWS選手たち。これからも応援をよろしくお願いします。

※写真1:記念すべき第1回の表彰台に上った選手たち
※写真2:優勝してガッツポーズを見せる平井選手
※写真3:レース後、声援に笑顔で応える貴田選手

リザルトはこちら
http://kirokukensaku.net/5NS16/discipline_055_20160906.html

大会公式HPはこちら
http://www.iwate2016.jp