新倉、豊田のふたりが初優勝を飾る <OWSオーシャンズカップ2019>
[OWS]千葉・館山鏡ヶ浦
夏の韓国・光州で行われる世界水泳選手権の日本代表選考会を兼ねた、OWSオーシャンズカップ2019が千葉県館山の鏡ヶ浦で開催された。
東京オリンピック・パラリンピックの出場権が懸かる世界水泳選手権の代表争いは、風と波の影響もあってスローペースの戦いとなったが、男女ともに最後まで接戦を演じた。
男子はベテランの宮本陽輔(自衛隊)が序盤からレースを牽引。それに豊田壮(チーム福井)、野中大輝(木下グループ)、南出大伸(木下グループ)といった、リオデジャネイロ五輪後から力を伸ばしてきた選手たちが続く。
10秒差以内に6人が収まる集団を形成したまま迎えた最終ラップ。疲れが見えた宮本に豊田、野中のふたりが襲いかかり、フィニッシュまで抜きつ抜かれつの展開を見せる。最後は豊田が最後の直線で抜け出し、1時間59分26秒1で初優勝を飾る。2位は1時間59分28秒2で野中、宮本は1時間59分33秒1の3位となった。
「優勝できてとても幸せです。第2、3ブイのところで波がありましたが、それは泳ぐ前から分かっていたことだったので、その波に負けないように泳ぐことを心がけました。昨年のパンパシフィック水泳選手権では思うような結果を残せなかったので、世界水泳選手権では10位以内を目指します」(豊田)
女子は日本選手権3連覇中の森山幸美(山本光学)が、スタートから飛び出していく。ベテランの貴田裕美(コナミスポーツ)は、その森山にピッタリと食らいつく。このふたりの争いに、国際大会の経験も積んできた山本美杏(枚方SS)や新倉みなみ(セントラル目黒)らが続く。
このまま森山が逃げるかと思われたが、3週目から徐々に失速。変わってトップに立ったのが新倉。勝負どころのラスト1周。第1ブイから第2ブイで引き離しにかかった貴田だったが、新倉が離れない。貴田と新倉は並んだまま最終ブイを周り、最後の直線へ。新倉が前に出れば、貴田がベテランの意地で抜き返す。
写真判定にまでもつれ込んだ接戦を制したのは、新倉だった。2時間10分52秒9での初優勝に「優勝できるとは思っていなかったのでうれしいです」と笑顔を見せた。貴田は敗れたものの、2時間10分53秒0の2位で自身7度目となる世界水泳選手権の代表内定を手にした。
「冬場にしっかりと積んできた練習の成果が出たと思います。去年は福井国体で競り合いで負けてしまったので、今回は競ったときに、絶対に勝つぞ、という強い気持ちを持って泳ぎました。世界水泳選手権では10kmで世界と勝負できるように頑張りたいです」(新倉)
男女ともに2位までに入った豊田、野中、新倉、貴田の4選手が、夏の世界水泳選手権の代表に内定した。
※リザルトは準備ができ次第、大会情報ページに掲載予定(下記リンクを参照)
※写真1:優勝してガッツポーズの豊田
※写真2:新倉は初優勝に喜びを爆発させた
※写真3:上位2位までの選手が世界水泳選手権の代表に内定した