5kmで世界選手権代表が力を見せつける(オーシャンズカップ2022)
【OWS】
6月12日、千葉県館山市北条海岸にてオーシャンズカップ2022が開催され、1周約1.25kmの周回コースで5km、7.5km、そして10kmの3種目が行われた。
レースのコンディションは、前日からの雨で水温は21度と低く、強風により波も高いためOWSの経験値が必要となってくる状況であった。なお、今大会は第19回世界選手権代表選手も出場しており、大会本番に向けた最後の実戦の場となった。
最初は5kmと7.5kmが同時刻にスタート。男子はレース開始直後から南出大伸、野中大暉(ともにTeam Japan)が抜け出し、3位集団から大きく突き放してレースを展開した。このふたりの攻防はゴール間際まで続き、ラスト15mでスパートをかけた南出の戦略が決まり、優勝を飾った。2位には1秒差で野中が入った。4人の集団での接戦となった3位争いは、小林陸(ロコ辻堂)が勝ち取った。
女子は蝦名愛梨(Team Japan)が1周目から大きくリードをし、2位に1分以上の差をつける圧倒的なレース展開で実力を見せつけて優勝を飾った。
16~17歳区分の世界ジュニア選手権の選考レースを兼ねて開催された7.5km。
男子は辻森魁人(須磨学園)、伊藤銀士・鈴木大智(ともに中京大中京高)、白井樹(湘南工大附高校/セントラル本郷台)、土井煌陽(初芝SS)が4周目まで接戦を演じていたが、残り2.5kmで辻森がスピードを切り替えて徐々にほかとの差を広げて優勝を飾った。辻森はレース後に「昨年からナショナルチームメンバーとして力をつけてきた成果が出せた」と話し、安堵の表情を見せた。
女子は昨年の日本選手権で4位に入賞した小島光丘(中京大中京高)が、辻森選手と同様にナショナルチームとしてシニアの選手たちと練習をしたことでつけた地力を見せつけるレースを展開する。1周目から先頭を譲らず、最後も余裕を持ってフィニッシュして危なげないレース運びで優勝を飾った。
午後からのスタートとなった10km。男子は5kmでも優勝争いを演じた野中と南出に加え、古畑海生(Team Japan)を加えた9人が、4周目まで集団を形成する展開に。女子は蝦名が1周目から徐々に抜け出し、4周目までで2位に40秒近くの差をつける独泳体制を築く。だがその後徐々に失速。周を重ねる度に2位集団の森山幸美、加藤はなの(ともにTeam Japan)、そして初出場の梶本一花(枚方SS)が徐々に差を詰めていく。すると、ついに6周目に入ったところで森山が蝦名を捉えて逆転を果たす。
男子も女子もFINA世界選手権代表選手が強さを見せつけるなか、誰が勝つか分からない接戦となっていたが、男子の先頭が8周目に入ったところで、雷が発生。安全を考慮し、残念ながら10kmは途中中断という形で終了した。