南出が接戦を制して男子10kmを制す 女子5kmは小島が初優勝[第99回日本選手権水泳競技大会 OWS競技]
リザルト:https://swim.or.jp/tournament/34463/
[OWS]Day1
第99回日本選手権水泳競技大会OWS競技が千葉県・館山市の北条海岸で開幕。初日は男子10km、女子5kmが行われた。
10kmは、五輪出場権を獲得する世界水泳選手権2024ドーハの日本代表選手を決める選考レースとなっており、低水温が想定されるドーハでのレースを想定した上で、この11月開催となった。
しかし、今年の猛暑が影響してか、水温は22度程度となり、気温は11月としては異例の26度を記録。当初想定していた低水温とはならなかったものの、風が吹き、沖合はうねりがある状況でのレースとなった。
男子10kmはレース序盤から高校1年生の今福和志(枚方SS)が飛び出すと、後続を最大で40mほど離した。その離されてしまった2位集団は、なかなか今福に追いつくことができない。
レースが動いたのは、6kmを過ぎてから。スタートから自身のペースを守って泳いでいた南出大伸(木下グループ)と渡辺雅空(日本体育大学)がペースを挙げて今福に迫り、並びかけると同時に一気に抜き去り先頭に出た。さらには古畑海生(佐藤製薬)が8km手前で前に追いつき、8.5kmでは辻森魁人(須磨学園高校)も加わって5人で先頭集団を形成。
最終周、序盤からレースを引っ張った今福が先頭集団から遅れをとり、最終的な優勝争いは南出・古畑・辻森・渡辺の4人に絞られた。
この優勝争いを優位に進めたのは、レース序盤で焦らず自分のペースを守っていた南出と古畑だった。ゴール手前300mでも南出、古畑にはスパートをするだけの余力がある様子だったが、辻森、渡辺は少し苦しい状況。ラスト50m。キックを入れて南出と古畑がラストスパートをかけ、2人が並んでフィニッシュ。
勝利を確信した南出が雄叫びを上げるなか、写真判定の末、南出が選手権を獲得した。2位の古畑との差はたったの0.9秒であった。3位には渡辺が、4位に辻森が入った。
女子5kmは初参加の選手も多く、うねりがある海の状況で行われたため、集団が形成されずばらついた状態でレースが展開された。
序盤にレースを牽引したのは、OWS経験が豊富な永尾美友(新潟医療福祉大学)。2.5kmを過ぎて世界水泳選手権2023福岡大会5km代表の小島光丘(中京大中京高校)が永尾に追いき、一気に抜き去る。最後は小島がそのまま逃げ切り、日本選手権初優勝を飾った。前半飛び出した永尾が2位、3位には松崎りん(早稲田大学)が入った。
初日は次世代の選手の成長を感じられる一方で、経験の差を見せつけるようにしてベテラン勢がしっかり勝ちきるレースとなった。