2023.12.03

成田が背泳ぎで逆転優勝し3冠 男子200m平泳ぎは渡辺が好タイムで制した[ジャパンオープン2023(50m)]

女子200m背泳ぎ/成田実生(金町SC) ©フォート・キシモト

女子1500m自由形/小堀倭加(あいおいニッセイ/相模原市水泳協会) ©フォート・キシモト

男子800m自由形/田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大学) ©フォート・キシモト

女子1500m自由形表彰式 ©フォート・キシモト

男子800m自由形表彰式 ©フォート・キシモト

男子200m背泳ぎ/加藤理(山陰パナソニック/アクアみすみ) ©フォート・キシモト

女子200m背泳ぎ表彰式 ©フォート・キシモト

男子200m背泳ぎ表彰式 ©フォート・キシモト

女子50m自由形/山本茉由佳(ルネサンス) ©フォート・キシモト

男子50m自由形/塩浦慎理(イトマン東進)・Kyle Chalmers(オーストラリア) ©フォート・キシモト

女子50m自由形表彰式 ©フォート・キシモト

男子50m自由形表彰式 ©フォート・キシモト

女子100mバタフライ/廣下菜月(中京大学) ©フォート・キシモト

男子100mバタフライ/川本武史(TOYOTA) ©フォート・キシモト

女子100mバタフライ表彰式 ©フォート・キシモト

男子100mバタフライ表彰式 ©フォート・キシモト

女子200m平泳ぎ/渡部香生子(MEIGI) ©フォート・キシモト

男子200m平泳ぎ/渡辺一平(TOYOTA) ©フォート・キシモト

女子200m平泳ぎ表彰式 ©フォート・キシモト

男子200m平泳ぎ表彰式 ©フォート・キシモト

リザルト:http://swim.seiko.co.jp/2023/S70704/index.htm

[競泳]Day4
2023年最後となる主要大会、ジャパンオープン2023(50m)も最終日。今年からオープンした東京アクアティクスセンターで、年の締めくくりにふさわしいレースが続いた。
まずは女子1500m自由形のタイムレース決勝から。前半からレースを牽引するのは、400mを制した小堀倭加(あいおいニッセイ/相模原市水泳協会)。800mの時点で小堀は2位以下には約4秒の差をつける。その後も少しずつ周囲との差を広げていった小堀は最終的にその差を7秒に広げ、16分17秒80で優勝。400mと合わせて2冠を果たした。2位は16分24秒96で森山幸美(山本光学)、3位は16分30秒12で蝦名愛梨(日本体育大学)となった。

女子1500m自由形/小堀倭加(あいおいニッセイ/相模原市水泳協会) ©フォート・キシモト

「1500mにはとても苦手意識があったのですが、きちんと泳ぎ切れて良かったです。今大会を通して、持久力が足りない事が良く分かったので、そこを重点的に鍛えていきたいと思います」(小堀)

男子800m自由形タイムレース決勝では、ファステストヒートの最終組の5人が前半は横並びでレースを展開。レースが動いたのは最後の100m。全員が一斉にラストスパートをかけたなかで、Matthew Galea(オーストラリア)と田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大学)のふたりがひとつ抜け出す。最後まで接戦を繰り広げた二人の決着はコンマ数秒。Galeaが7分56秒59で優勝して400mと合わせて2冠。田渕は7分56秒94の2位に入り、1500mを制した竹田涉瑚(オーエンス)が7分57秒64で3位となった。

男子800m自由形表彰式 ©フォート・キシモト

「このタイムで優勝することができて良かったです。僕は400mと1500mをメインにしているので、もちろん800mにも取り組みますが、メインの2種目で結果を残せるようにこれからも練習していきます」(Galea)

女子の50m自由形は、好スタートを切った山本茉由佳(ルネサンス)が、後半にスルスルと伸びてきて頭ひとつのリードを奪ってフィニッシュ。25秒34で初優勝を果たした。

女子50m自由形/山本茉由佳(ルネサンス) ©フォート・キシモト

「24秒台を出したい、という気持ちで泳いでいました。届かなかったのは残念ですが、ジャパンオープンで初優勝できてうれしいです。国体から優勝できるレースが続いているので、今大会も自信につながる大会になりました」(山本)

続く男子50m自由形では、Kyle Chalmers(オーストラリア)と塩浦慎理(イトマン東進)がタッチ差の接戦を見せる。結果、22秒12で優勝したのは、Chalmers。2位には、1レーンから二人の戦いに割り込んだ坂井孝士郎(大和ハウス)が22秒21で入り、塩浦は22秒22の3位に入った。

男子50m自由形/塩浦慎理(イトマン東進)・Kyle Chalmers(オーストラリア) ©フォート・キシモト

「とても良いレースができてハッピーな気持ちですし、日本のトップ選手と一緒に泳げて刺激にもなりました。またこうして日本に戻ってこられて、素晴らしい大会で泳ぐことができて幸せでした」(Chalmers)

女子200m背泳ぎは水野柚希(スウィン大教/栄東高校)と白井璃緒(ミズノ)が先行してレースを作っていく。ラスト50mに入って4レーンの成田実生(金町SC)が一気に追い上げて逆転。2分10秒84で優勝。成田はこれで3冠を達成した。白井は2分11秒48の2位、3位には後半に成田とともに追い上げてきた山本千晶(ダンロップSC/日大藤沢高校)が2分11秒59で入った。

女子200m背泳ぎ/成田実生(金町SC) ©フォート・キシモト

「自分のレースプランをぶらさず実行できるように、ということを考えて泳ぎました。その通りのレースができたと思うので良かったです。背泳ぎのこの結果も個人メドレーにつながると思うので、これからもしっかりと練習に取り組んでいきます」(成田)

男子200m背泳ぎは、50mと100mを制したBradley Woodwardが先行し、スピードを生かして56秒22で折り返す。世界水泳選手権福岡2023代表の竹原秀一(東洋大学/はるおか赤間)も追い上げたいところだが、Woodwardに広げられてフィニッシュ。1分55秒56で優勝を果たして背泳ぎ3冠を達成。2位は加藤理(山陰パナソニック/アクアみすみ)がベストを更新して1分57秒89で入り、竹原は1分58秒22の3位となった。

男子200m背泳ぎ表彰式 ©フォート・キシモト

「1分55秒56はとても良いタイムでしたし、すごく良いレースができたと思っています。次の54秒台に向けて、さらに強化していきたいと思います」(Woodward)

女子100mバタフライは、高校生の平井瑞希(ATSC.YW/日大藤沢高校)が積極的に攻める展開を見せる。すると、後半に強い選手たちがこぞって一気に追い込んでいき、なんと5人がなだれ込むようにしてフィニッシュ。コンマ数秒のわずかな差で勝ちきったのは、廣下菜月(中京大学)。記録は57秒87。その廣下に100分の1秒差の2位だったのは、飯塚千春(NOK)。3位には相馬あい(ミキハウス)が58秒00で入り、平井は池本凪沙選手(イトマン東京/中央大学)と同着の58秒03で4位となった。

女子100mバタフライ/廣下菜月(中京大学) ©フォート・キシモト

「今大会2冠することができてとてもうれしいです。毎日しっかりと練習を頑張っているのですが、その成果を1試合ごとに感じています。3月に向けてはさらにレベルアップしていきたいと思っています」(廣下)

男子100mバタフライ決勝は、予選でひとり51秒台をマークしていたオーストラリアのMatthew Templeが、このレースでも高いスピードを見せつける。前半を23秒台で折り返すと、後半もスピードに乗ったままでフィニッシュ50秒25で優勝を飾った。2位には51秒69の好タイムで川本武史(TOYOTA)が入り、50mでは8位だった本多灯(イトマン東京/日本大学)がごぼう抜きを見せてで51秒78で3位に入った。

男子100mバタフライ表彰式 ©フォート・キシモト

「この素晴らしい日本の会場で、なかなか出すことができなかった自己ベストを更新できてとてもうれしいです。すごく良いレースができました。ありがとうございました」(Temple)

女子200m平泳ぎは、スタートしてから渡部香生子(MEIGI)がレースを牽引。50m、100m、150mと落ち着いた泳ぎでペースを刻み、ラスト50mでのスパートも効いてフィニッシュ。2分23秒66で優勝を果たした。2位には2分24秒34でMatilda Smith(オーストラリア)が入り、3位には高校3年生の中澤海凪(ダンロップSC/日大藤沢高校)が2分25秒91で入った。

女子200m平泳ぎ/渡部香生子(MEIGI) ©フォート・キシモト

「理想のラップタイムが刻めましたし、満足のいくレースができました。ここ数年思うようなレースができないことが続いていたので、今大会で良いレースができたことがうれしかったです」(渡部)

男子200m平泳ぎは、渡辺一平(TOYOTA)が100mを1分01秒28で折り返す積極性を見せる。150mのターンで一気に周囲との差を身体ひとつに広げると、2分07秒70の好タイムで優勝を飾る。2位には100mを制した花車優(イトマン東京)が2分09秒31で続き、佐藤翔馬(東京SC)が2分10秒28で3位となった。

男子200m平泳ぎ/渡辺一平(TOYOTA) ©フォート・キシモト

「自分も良い泳ぎをしたいと、前半から思い切っていきました。このレベルの高い日本の平泳ぎのなかで戦えるのはとても楽しいです。世界で戦うにはもっとタイムが必要なので、もっと精進したいと思います」(渡辺)

今大会を通して新記録は1つ(日本学生新記録)が誕生した。