2025.03.17

【月刊水泳1月号】ニチレイチャレンジ特別泳力検定会 報告 香川会場

執筆・寄稿:一般社団法人香川県水泳協会競技委員長 三橋 雅人

 今回の検定会は、本協会主催として初となるニチレイチャレンジ特別泳力検定の開催であった。当日に向けて、県内各スイミングクラブ協会に水泳協会の理事会の場において、泳力検定の趣旨や目的を説明し、参加を依頼した。開催の実績がないこともあり、どれだけの参加者が来てくれるか不安があったが、最終的には、小中学生45人、のべ66種目への参加があった。本県では、今回の泳力検定を大きなきっかけとして競技者登録を行い、本格的に競泳選手として活躍してほしい、との願いのもと企画・運営を行った。募集の際には、「競技者登録をしていないこと」を条件として参加を呼びかけ、これだけの多くのスイマーが集まったことは大変意義深いことであると考える。

 ゲストには、北京五輪代表の宮下純一さん、東京五輪代表の武良竜也さんの二名にお越しいただいた。両ゲストによる水泳教室は、身体の動かし方の基本テクニックやレーンを真っすぐ最短距離に泳ぐことのほか、ストロークの動かし方のコツなど、競泳競技に取り組むうえで非常に重要な事項を参加者の目線に合わせながらご指導をいただいた。両名ともに、とても気さくに参加者にふれあい、うれしそうに話を聞く様子や握手をする参加者の姿も見られ、その後に予定されていた泳力検定に向け、気持ちを盛り上げている様子がうかがえた。

 ニチレイ様よりご提供いただいたお水は、参加者に配布したほか、検定中にはゲスト席や通告員のデスクに置くなど、参加者のみならず検定会全体を大きく支える存在となった。また、プール中央の2階手摺り部には横断幕を設置し、会場全体が泳力検定に向けて一丸となった雰囲気を創出することができた。また、クリアファイルには、ゲスト両名のサインを書いていただき、参加者は笑顔で受け取っていた。

 当日は残念ながら2人の欠席者がいたものの、参加した子どもたち全員が、自分の設定した級を合格する力泳を見せてくれた。各組3、5、7レーンの最大3人で一緒に泳ぎ、泳ぎ終わるとすぐに通告で結果を場内にアナウンスした。「ただいま、第○レーンを泳ぎました、〇〇さんは〇級を合格いたしました。おめでとうございます」と通告が入るたびに、会場内からは温かい拍手が生まれるなど、良い雰囲気の中で検定会を行うことができた。観覧中の保護者からは我が子に限らず、すべての泳者へ温かな拍手の応援があり、好タイムにつながったと考える。

 泳ぎ終わった後には、記録証・認定証・バッヂ・サイン入りクリアファイルをゲストから直接参加者に渡していただいた。両名とも、子どもたちにハイタッチや握手をしながら合格を一緒に喜んでいただき、参加者が非常に喜んでいる様子が印象的であった。今回の参加者が全員合格できたことには、お越しいただいた2人のゲストの存在が非常に大きかったのではないかと推察する。

 今回の開催にあたり、日本水泳連盟の生涯スポーツ・環境委員の石塚千輝さんに帯同いただいたが、ゲストの2人との打ち合わせや、会場設営・運営面での様々なアドバイスをいただいた。本協会では、初めてとなる特別泳力検定会が、石塚委員の的確なアドバイスにより安心して事前準備や当日運営することができた。

 結びに、本検定会の開催に際しましてご協賛いただいた株式会社ニチレイ様をはじめ、多大なるご支援をいただいた関係者各位にお礼を申し上げ、報告とする。

月刊水泳 vol.582 2025年1月号掲載