【飛込・水球】第17回アジア大会水泳競技 14日目
9月20日のシンクロナイズドスイミングから始まった、韓国・仁川での第17回アジア大会の水泳競技も、10月3日が最終日となりました。
最後を締める飛込競技は、男子高飛込の予選・決勝、女子3m飛板飛込の決勝が行われます。
女子3m飛板飛込に出場した渋沢小哉芳選手と、板橋美波選手。「踏み切りから遠くに流れた感じ。最初からズレてしまった」。そう話した渋沢選手は、1本目から演技が安定せず、205Bを54.00、305Bを49.50と波に乗れません。反対に1本目の405Bを67.50、2本目の5152Bを64.50と、4位につける好位置でのスタートしたのは、板橋選手。しかし3本目から205B、305B、107Bと回りすぎて入水が乱れてしまって順位を落とし、270.05の7位という結果に。一方の渋沢選手は得意な4本目の5152Bで66.00を出して落ち着き、5本目の405Bも63.00。トータル288.30で4位まで順位を上げました。
「思い切って踏み切ることができませんでした。気持ちの部分をもっと強く持てるようにしたいと思います。今シーズン、新たに技術的な部分で良くなったところがあって、踏み切りの感覚も良くなった。高さを出して回れるようになっているので、世界と戦うためにもそれを自分のものにしていきたい」(渋沢選手)
「3、4本目が苦手な演技で、それを失敗してしまって最後も立て直せませんでした。今回の結果を見直して、今後どの大会でもこれ以上の成績を残したいと思っています」(板橋選手)
アジア大会水泳競技の最後の種目となった、男子高飛込の決勝。1本目の村上和基選手は407Cで、岡本優選手は6243Dでそれぞれ76.80を出して、好調なスタートを切ります。先に崩れてしまったのは、岡本選手でした。得意な407Cで回りすぎて、背中側に大きな水しぶきを上げてしまいます。「3本目は得意な種目だったので、ここで差を詰めて、と思っていたのですが、練習以上の力が出てしまった」。まだまだ未熟、と言うものの、4本目には立て直して5253Bを72.00、5本目の307Cは47.60でしたが、最後の207Bを82.80でまとめ、結果は379.70の10位でした。
「最後くらい良いところを見せないと、という気持ちでした。戦う姿勢でほかの国の選手たちに負けているな、と率直に思います。これから先、演技構成にも変化をつける必要はありますし、もう一度考えないといけないと感じています」(岡本選手)
一方村上選手は、予選では109Cを飛んだ4本目を安定性を重視して107Bに切り替えました。しかし、その107Bでは69.00と悔しさの残る演技に。ほかの演技は、すべて70点台でまとめる安定性を発揮していましたが、それが反省点、と涙をこらえながら話します。「悪い演技もなく、良いものもなく、平凡な試合をしてしまった。世界から遅れているのを感じています。今日、特に韓国の強さを肌で感じました。危機感を持って、次の大会に備えたい」。結果は、446.70の5位でした。
大会を振り返り、坂井弘靖コーチは次の目標を定めます。「簡単な難易率では、よほどの演技をしなければ9点台はもらえなくなっている。来年、世界水泳選手権で戦うためには、ある程度の難易率と8点台を安定して出せる演技が必要」。
馬淵崇英コーチも同様に課題を挙げつつ、選手だけではなく、コーチや環境も含めてレベルアップしなければ、と話しました。若手期待のホープとして参加した板橋美波選手については、期待を込めて厳しい言葉を投げかけます。「高飛込も飛板飛込も、自分の実力を出せれば、今大会でも良い勝負ができていた。もっと経験を積み、精神的な成長と自分と演技をコントロールできるような選手になってほしい」。
飛込競技は大会を通して、男子3m飛板飛込の銅メダル1を獲得しました。
14日間に渡って行われた、第17回アジア大会の水泳競技も、全種目が終了しました。アジアのなかでも、レベルの高い戦いを繰り広げた選手たちへのあたたかいご声援、ありがとうございました。
しかし、選手たちは次の戦いに向けて動き出しています。10月10〜12日には、水球の第90回日本選手権が東京・辰巳国際水泳場で行われます。競泳も、10月28〜29日に第56回日本選手権(25m) FINAスイミングワールドカップ2014東京大会が、同じく東京・辰巳国際水泳場で開催されます。
リオデジャネイロ五輪、そして東京五輪を見据えて世界と戦う選手たちに、引き続きご声援をよろしくお願いいたします。
大会公式ホームページはこちら
http://www.incheon2014ag.org/index