【シンクロ・OWS・水球】第16回世界水泳選手権 4日目
大会4日目のロシア・カザンでの第16回世界水泳選手権は、シンクロ、飛込、水球に加え、OWSの10kmが行われました。
昨日、乾友紀子選手・三井梨紗子選手ペアのデュエットテクニカルルーティンで銅メダルを獲得したシンクロは、乾選手のソロフリールーティン予選と、チームテクニカルルーティンの決勝が行われました。
ソロフリールーティンは鳳凰伝説をテーマに、和の雰囲気を出した演技を乾選手が披露します。銅メダルを獲った日本の演技に観客の注目が集まるなか、堂々と演じきった乾選手は91.7333の5位で決勝に進出します。
「各国ともソリストの選手は、自分を出して演じているので、私もそれを意識して泳ぎました。曲に入り込み、演者になりきることを意識しました」(乾選手)
夕方に行われたチームテクニカルルーティン。昨夜のミーティングで、乾選手と三井選手が獲得した銅メダルをチームメンバーも手にして『私も獲りたい、メダルがほしい』という想いを強くします。
その気持ちを前面に出し、同調性を強く表現する演技で一つひとつのエレメンツを丁寧にこなしていきます。結果、予選よりもエレメンツの得点を上げて92.4133を獲得。デュエットに続いてライバルウクライナを逆転して3位となり、涙の銅メダルを手にしました。
「チームでメダルを獲れたことが本当にうれしい。デュエットで表彰台にのぼって見た景色をみんなで見られて、さらに2つ目のメダルを手にできて良かったです」(三井選手)
「演技が終わったあと、3番って掲示板に出てほしいって願っていました。本当に3番と出たときは、表現しきれないほどうれしい気持ちでいっぱいになりました」(箱山愛香選手)
明日はデュエットとミックスデュエット、そしてチームのフリールーティンが行われます。井村雅代ヘッドコーチも「テクニカルとフリーの両方で勝たないと次につながらない。あの子たちが出せる演技のすべてを出してあげて、表彰台に乗せたいですね。そして、表彰台にのぼる選手がいる国なんだ、ということを世界にアピールしていきたい」と気持ちを引き締めていました。
1周2.5kmの周回コースで行われたOWSの男子10kmには、元1500m日本記録保持者として挑む宮本陽輔選手と、OWS第一人者の平井康翔選手が出場し、10位以内で五輪出場枠獲得、という条件に挑戦しました。
前半の5kmを終えて、トップはハンガリーのグレゴリー・ギュルタ選手。宮本選手はついて行くようにして27位につけ、平井選手は集団後方の37位で様子を伺いながら展開していきます。
ギュルタ選手が少しずつ遅れ始めたのは、7km手前。変わって前に出たのは、アメリカのウィルモフスキー・ジョーダン選手、ウィートマン・フェリー選手(オランダ)。そして、レースが大きく動いたのは3周目、7.5kmをすぎたところでした。
ジョーダン選手が一気にスパートをかけて先行し、集団が縦に細く長く変化します。宮本選手は前半のハイペースがたたって41位に後退しますが、変わって前に出たのが平井選手。3周目の時点で22位に上がると、残り1kmを切ったところで10位争いに加わります。ラスト、平井選手が戻る前に2人がほぼ同時にフィニッシュ。5秒遅れて平井選手がフィニッシュしましたが、「タッチしても自分の順位が分からなかった」という混戦。
結果は、10位と5秒差の11位。惜しくも五輪出場枠を獲得することはできませんでした。そして、宮本選手は再度粘りを見せましたが、32位でフィニッシュしました。
「タッチしても順位は分からなくて、ギリギリ枠に入れたと思っていました。悔しいですけど、自分の力は出し切れたと思います。パック(集団)で激しい削り合いもありましたし、今まででいちばんタフなレースでした。ここで11位というのも、何かの縁。ここまでこれたら、来年6月の最終予選では自信を持って五輪を決められると思いますので、また気持ちを切り替えて頑張ります」(平井選手)
初戦を迎えた男子水球は、オーストラリアと対戦。大柄な選手との対戦でしたが、早めに当たるディフェンスでオーストラリアのチャンスをつぶします。それでもエクスクルージョンファウルからのセットプレーで点を奪われて、0対2で第1クオーターを終えます。
第2クオーターは日本にも攻撃のチャンスが生まれ、大川慶悟選手と足立聖弥選手がゴールを奪いますが、第1クオーターと同じエクスクルージョンファウルからの失点で追いつけず。前半を2対4で折り返します。
後半早々、オーストラリアのエクスクルージョンファイルから志賀光明選手が点を奪います。しかし日本チームにパスミスなどの小さなミスが出始めて失点を重ね、第4クオーターも得点チャンスを作り出しますが決めきることができず、4対10で試合終了。オーストラリアに敗退しました。
「前半までは食らいついていけましたし、ディフェンスも機能していました。ただなかなかチャンスに決めきれない場面があり、多くの課題を残した試合でした」(志水祐介キャプテン)
「ディフェンスは相手がいやがることができていましたし、特に前半の失点は退水(エクスクルージョンファウルは1人フィールド外に出る)からだったので、日本のペースを作れていました。ですが、どうしても大事なところで点を奪えなかったので主導権を握れなかった。次戦はさらに強敵ですが、思い切って自分たちのプレーで当たっていきたい」(大本洋祠ヘッドコーチ)
5日目のシンクロは、デュエットとチーム、ミックスデュエットのフリールーティン予選がそれぞれ行われます。水球は女子が大事なブラジル戦、OWSは女子10kmに貴田裕美選手、そして飛込は3mシンクロに寺内健選手・坂井丞選手が出場します。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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