【シンクロ・飛込・水球】第16回世界水泳選手権 6日目
連日強い日差しが降り注ぐロシア・カザンで行われている第16回世界水泳選手権。6日目を迎えたこの日は、シンクロのソロフリールーティン決勝、飛込の女子高飛込の予選、準決勝、水球は男子のセルビア戦が行われました。
シンクロのソロフリールーティンの7番目に登場した乾友紀子選手。予選終了後、井村雅代ヘッドコーチは「最後のほうは演じきれていなかった」と話していましたが、この日はソロフリールーティンの決勝のみ。エネルギーを切らせることなく、最後まで力強く、そして繊細に鳳凰を演じきり、予選よりも0.7000ポイント上げる92.4333を獲得して5位となりました。
「井村先生にとっても私にとっても、この演技は特別なプログラムでしたので、自分のすべてをぶつけてストーリーを演じきれました」(乾選手)
「強力なソリストが集まるなかで、良く演じきってくれたと思います。一昨年の10月からこのソロを作ってきて、ようやくあの子の代表作となるルーティンになりましたね」(井村ヘッドコーチ)
女子高飛込の予選が行われた飛込は、出場選手のなかで最も難易率の高い109Cを武器にする板橋美波選手と、その板橋選手を代表選考会で破った佐々木那奈選手が出場。
予選は3本目の207Bで身体の開きが早く、入水が乱れたことで順位を19位まで下げてしまいます。しかし4本目の109Cを見事成功させて89.95の高得点を獲得し、順位を7位までジャンプアップ。馬淵崇英ヘッドコーチも笑顔で板橋選手を迎えます。波に乗ったまま、ラスト5本目の5253Bも78.40を得て、トータル344.65の6位で準決勝にコマを進めます。
佐々木選手は、国際大会という初の舞台で思うような力が発揮できません。佐々木選手の持ち味である、入水時の水切れの良さが出せずに苦戦。4本目の305Cで大きくしぶきをあげてしまう場面もあり、トータル255.10の31位という結果となりました。
「緊張しすぎていたわけではないんですが、自分が納得する演技はできませんでした。まだまだ練習が足りません。もっと難易率が高い演技でも、安定して決められるように練習をもっと積んでいきます」(佐々木選手)
お昼を挟んで行われた高飛込の準決勝。1本目の407Cは予選よりも得点を上げて、73.60の3位で好スタートを切ります。しかし、苦手とする305B、207Bを続けて入水でミスがあって得点が伸びません。勝負の4本目の109C。予選のイメージを持ちつつ臨みますが入水で大きく乱れて55.50ポイントとなり、16位まで順位を下げます。ラスト5本目の5253Bも得点は伸びず、トータル305.30で16位のままとなり、決勝進出はなりませんでした。
「これが自分の実力なのだと思います。109Cは、ジャンプしたときに右にズレて回転軸もズレてしまったのが分かってしまいました。ただ、今さら公開しても仕方がないので、明後日の3m飛板飛込で良い結果を残せるように気持ちを切り替えていきたいと思います」(板橋選手)
「世界と戦えるまでの技術を身につけたかもしれないけど、心がまだまだ弱い。メンタル面ももっと成長しないと。ただ、国際大会という大きな舞台で109Cを決められたこと、予選落ちではなく準決勝に進んだ、ということは評価できます」(馬淵ヘッドコーチ)
男子水球は、強豪セルビアとの対戦。第1クオーター開始早々、竹井昂司選手がゴールを奪って先制します。直後、セルビアに1点を返されますが、粘り強く高い運動量でのディフェンスでセルビアの攻撃を押さえつけます。最後に1点を追加されますが、1対2の接戦で第1クオーターが終了。ところが、第2クオーターに入ると、セルビア攻撃陣が牙をむきます。第2クオーター開始30秒で1ゴール追加すると、そこからは立て続けに日本ゴールに襲いかかり、3対8で前半を終了。
何とか巻き返しを図りたい後半の第3クオーター。セルビアも攻撃の手をゆるめませんが、日本もここで3点を追加。点の取り合いになって第4クオーターでも3点を追加しますが、セルビアもさらに追加点を加えて試合終了。9対19で第2戦目も黒星となりました。
しかし、2009年ローマ世界水泳選手権では優勝を果たし、2011年上海世界水泳選手権でも2位、ロンドン五輪も銅メダルを獲得したほどの強豪を相手に、カウンターアタックを機能させて9点を奪ったことは、大きく評価できる結果だと言えます。
「セルビアチームはパワフルで、ショットも非常に正確でした。この試合で3点を奪い、攻守ともに活躍した竹井選手も負けてはいませんが、やはり世界トップクラスのチームですから、皆が素晴らしいプレーヤーでした」(志水祐介キャプテン)
男子水球は、7月31日にモンテネグロと予選リーグ最終戦を行います。
7日目はシンクロデュエットとミックスデュエットのフリールーティン決勝、飛込は男子3m飛板飛込が行われ、水球は女子が予選リーグ最終戦となる、アメリカとの対戦を迎えます。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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