【シンクロ・飛込・水球】第16回世界水泳選手権 8日目
冷たい雨が降り、気温が一気に下がったロシア・カザンですが、第16回世界水泳選手権8日目の競技が行われている会場は熱気に包まれています。この日はシンクロのチームフリールーティン決勝、女子3m飛板飛込の予選、準決勝、そして男子3m飛板飛込決勝に加え、水球男子の予選リーグ最終戦が行われました。
男子3m飛板飛込の決勝。リオデジャネイロ五輪代表枠を獲得して波に乗る寺内健選手は、1本目の205Bから安定した演技を見せつけます。得意のひねり技の5353B、5154Bでは80点を越え、そのほかの4種目でもすべて70点オーバーを獲得。トータルで準決勝の得点と順位を上回る468.15で9位となりました。
「今自分が出せる演技はできたと思います。かなり高いレベルの試合でしたが、そんななかで自分も演技ができたことは光栄ですし、良い経験になりました。今回の大会で得た課題を持ち帰って、五輪に向けてどう戦っていくかをコーチと話し合います」(寺内選手)
「彼にとっては良い演技でした。世界は急速に成長しているので、今後の戦い方をしっかりと考えてきます」(馬淵ヘッドコーチ)
女子3m飛板飛込予選には、板橋美波選手とベテラン渋沢小哉芳選手が出場。板橋選手は3本目の205Bで入水が乱れて45.00となり順位を24位まで下げます。反対に、渋沢選手は3本目の5152Bで61.50を獲得。13位で迎えた4、5本目を丁寧に決めて最終順位を14位として準決勝に進みました。板橋選手は4本目の305Bで回転が足らずに大きくしぶきをあげる結果となってしまい、35位という最終順位となりました。
「3本目でもまだチャンスはあると言われたんですが、順位と点数を見て不安になってしまいました。次は諦めることなく、最後まで自分の演技ができるようにしたいと思います」(板橋選手)
3m飛板飛込の準決勝、渋沢選手は1本目の205Bの大きなミスで48.00となり、スタートで大きく出遅れてしまいます。しかし、そこから連続で60点台をキープして、4本目を終えて234.45の11位という位置につけます。予選ではラスト5本目の405Bは61.50を獲得している、渋沢選手が得意とする種目。決まれば最低限の目標としていた300点越えを達成するところでしたが、そのプレッシャーからか踏み切りから動きが固く54.00と点が伸びずに、トータル288.45の14位。決勝進出ラインが296.10だったため、非常に悔しい結果になりました。
「最後は得意な種目でしたが、この1本で結果が左右されるという気持ちもあって、集中し切れてなかったのかもしれません。これから先、もっと技の精度を上げることはもちろんですが、試合のなかでどういう気持ちで飛ぶのかを一試合ごとにしっかり考えて取り組んでいきます」(渋沢選手)
昨日のデュエットフリールーティンではウクライナに敗れて4位だった日本ですが、この日はチーム全員の力を合わせて銅メダルを獲りに挑みました。先に演技を終わらしているメダル争いの最大のライバル、ウクライナは93.7000を獲得しており、日本チームがどのような演技をするかに注目が集まります。
摩訶不思議をテーマに、スタートから観客を魅了。途中のリフトもバランスが崩れることなくこなし、持ち味の同調性を生かした演技で最後まで泳ぎ切ります。得点が発表された瞬間、大きな感性をあげて抱き合って喜んだのは、日本チーム。93.9000を獲得して3位の銅メダルを獲得。デュエットで逃したメダルの雪辱を果たしました。
「悔しい想いは昨日で終わって、今日はチーム全員で表彰台にのぼりたいという想いが強かったですし、自分たちの持てる力のすべてをぶつけて、最後まで勝ちたいという気持ちを持って臨めました」(乾選手)
男子水球も、予選リーグの最終戦を迎えました。対するは、2013年のバルセロナ世界水泳選手権で2位となったモンテネグロ。
第1クオーター開始40秒、飯田純士選手のエクスクルージョンファウルから先制点を奪われてしまいます。モンテネグロに追加点を入れられたあと、相手のファウルからペナルティスローを得て竹井昂司選手が1点を奪い返します。
その後、それぞれ1点ずつ追加して2対3で迎えた第2クオーター。柳瀬彰良選手、角野友紀選手が1点ずつ奪い取りますが、モンテネグロも5点を追加して前半を4対8で終了。
後半に入って速攻からの志水祐介キャプテンや柳瀬選手の2点目となるゴールや、モンテネグロ選手を中に入れさせないように早めに当たるディフェンスで対抗しますが、モンテネグロの猛攻も止みません。
6対13での最終第4ピリオド。速攻からのゴールや柳瀬選手の3ゴール目、竹井選手の連続得点などもあって追いすがりますが、モンテネグロも攻撃の手を休めることなく日本ゴールを襲い続けて試合終了。10対16で敗退し、予選リーグ4位となりました。
「連続失点が多かったのが課題。自分たちが小さなミスをして点を奪われているケースも多かった。それは攻撃も同じで、最後のところで小さなパスミスやシュートミスがないようなプレーができるようにトレーニングしていかなければならない」(大本洋祠ヘッドコーチ)
女子と同様、男子も日本は順位決定戦に進むこととなり、8月2日にグループC4位のアルゼンチンと対戦することが決まりました。
9日目はシンクロのフリーコンビネーション決勝、飛込は男子高飛込の予選と準決勝、水球は女子の順位決定戦でフランスとの対決が行われます。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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