【競泳・水球】第16回世界水泳選手権 10日目
メイン会場のカザンアリーナも熱気を帯びてきた、ロシア・カザンで行われている第16回世界水泳選手権。後半戦が始まる今日から、競泳競技が開始。予選から見どころ満載のレースが続きます。さらに、男子水球は順位決定戦でアルゼンチンと対戦します。
競泳初日には、女子100mバタフライに星奈津美選手、男子400m自由形には天井翼選手、女子200m個人メドレーに渡部香生子選手と清水咲子選手が出場。男子50mバタフライには川本武史選手、女子400m自由形に五十嵐千尋選手、男子100m平泳ぎに小関也朱篤選手が登場したあと、女子と男子の4×100mリレーが行われました。
女子200m個人メドレーに出場した渡部香生子選手。「だいぶ落ち着いて、余裕を持ったレースができたと思います」。そう話すとおり周りに惑わされない自分のレース展開で、予選を2分10秒37の3位で準決勝にコマを進めます。その準決勝では、カティンカ・ホッスー選手(ハンガリー)の隣のコース。前半から快調に飛ばすホッスー選手でしたが、渡部選手は落ち着いていました。100mを折り返して5番手でしたが、得意の平泳ぎに入ったところで一気に2人を抜いて最後の自由形へ。タッチして電光掲示板に表示されたタイムは、2分09秒61の日本新記録。全体の3位というメダル圏内で翌日の決勝に進出しました。
「まだ100%で泳いだ、という感じはありません。世界水泳選手権ではじめての決勝ですが、メダルを獲れるチャンスもあると思うので、細かい部分をちゃんと修正して、決勝は思い切っていきたいと思います」(渡部選手)
予選でアメリカ、オーストラリアが脱落するという波乱があった男子4×100mリレー。日本は5位で決勝に進み、予選であと0秒38まで迫った日本記録の更新に挑戦します。
第1泳者は中村克選手。持ち味の後半の追い上げが思ったより伸びず、49秒10で第2泳者の塩浦慎理選手に引き継ぎます。前半の50mを22秒91で攻めた塩浦選手は48秒35の好タイムで小堀勇氣選手にバトンを渡します。小堀選手も48秒69と予選よりもタイムを上げて、アンカーは藤井拓郎選手を迎えます。後半、粘り強い泳ぎを見せる藤井選手は48秒90で泳ぎますが、予選よりもタイムを少し落として3分15秒04の6位となりました。
「気合いが入りすぎてしまったというか、泳ぎに力みが生じて前半から思ったような泳ぎができませんでした。もっと落ち着いて、自分のレースができるようにならないといけないと感じています」(中村選手)
「日本記録を更新しよう、とメンバーで話して臨んだんですが、タイムを落としてしまったのは悔しいです。ですが、みんなで現状出し切れる最高のパフォーマンスができたと思います」(塩浦選手)
大会最初の種目となった女子100mバタフライ予選では、星奈津美選手は自己ベストにあと0.01秒まで迫る58秒47の15位で準決勝に進みます。その準決勝では、同じ組で泳いだサラ・ショーストロム選手(スウェーデン)が55秒74という世界新記録を樹立するほどのハイペースでしたが、星選手は落ち着いてレースを展開。58秒45で自己ベストを更新しましたが14位となり、決勝には進めませんでした。
「ラップを見たら前半が少し予選よりも遅かったのですが、後半はベストラップで返ってきているので、200mにつながる良い手応えだと感じています」(星選手)
また、清水咲子選手は女子200m個人メドレー準決勝で2分11秒53の自己ベストで10位、男子50mバタフライ準決勝に出場した川本武史選手は23秒74の16位、男子100m平泳ぎの準決勝に進んだ小関也朱篤選手は「前半から力んでしまった」と予選よりも記録を落として、1分00秒31で悔しい準決勝敗退となりました。
女子4×100mリレーは、内田美希選手、池江璃花子選手、山口美咲選手、松本弥生選手で挑みましたが、3分38秒47で9位となり、惜しくも決勝進出を逃しました。
男子400m自由形は天井翼選手が3分52秒06で予選35位、女子400m自由形では五十嵐千尋選手が4分13秒47で予選20位という結果でした。
男子水球は順位決定戦をアルゼンチンと行いました。
第1クオーターから、日本は優位に試合を進めます。竹井昂司選手がカウンターアタックを決めて先制したのは、開始2分をすぎたころ。そこから立て続けに志賀光明選手、飯田純士選手、大川慶悟選手がゴールを奪い、4対0のスコアで第2クオーターへ。
アルゼンチンも負けじと2ゴールを奪いますが、日本も2点をさらに追加して前半を6対2のリードで終えます。
後半を開始しても、勢いづいた日本チームの猛攻は続きます。筈井翔太選手が後半開始1分でゴールを奪い、その後は志水祐介キャプテンも続き、アルゼンチンに攻撃をするすきを与えません。最終第4クオーターに入っても終始アルゼンチンを圧倒した日本は、竹井選手が4ゴールを奪う活躍もあり、14対6でカザン世界水泳選手権初勝利を上げました。
「世界水泳選手権での最初の勝利に、とても満足しています。試合の間、アルゼンチンチームよりも集中してプレイができていたと思います。最終試合は持てる力を出し切って、勝つだけです」(志水キャプテン)
11日目には、男女の100m背泳ぎ、女子100m平泳ぎに男子200m自由形の予選がそれぞれ行われ、午後には3位で決勝に進んだ渡部香生子選手がメダル獲得に挑戦します。女子水球は、15、16位決定戦で南アフリカとの対戦となります。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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