【競泳】第16回世界水泳選手権 14日目
競泳の後半戦がスタートする、ロシア・カザンでの第16回世界水泳選手権。14日目を迎え、大会自体も後半戦に突入しました。
14日目の競泳は、予選が5種目、準決勝が4種目、決勝が5種目行われます。
前半戦、渡部香生子選手が200m個人メドレーで獲得した銀メダル1つという、思うような流れができずに苦戦が続いていた日本代表チームでしたが、とうとうその流れを大きく変える瞬間が訪れました。
女子の200mバタフライ決勝。笑顔を見せながら最後に入場してきたのは、準決勝を1位で通過した星奈津美選手。過去に出場した2大会連続でメダルを逃しており、今度こそはと意気込んで臨んだ今大会でしたが、焦ることなく、プレッシャーをかけすぎることもなく「レースに向けてわくわくする気持ちがわきてきていました」というほど、心も身体も良い状態でスタートしました。
周りの選手たちが前半からスピードを生かして飛び出すなか、星選手は落ち着いていました。50mでは6位でしたが、100mで4位、150mでは3位まで徐々に順位を上げて、最後の50mでテンポを上げてラストスパート。残り25mをすぎたあたりからスルスルっと抜け出した星選手は、そのまま2位に身体ひとつ分ほどの差をつけてフィニッシュ。電光掲示板に光る『1』の文字。2分05秒56で見事優勝を果たし、金メダルを手にしました。
「今日はしっかりと自分の理想とするレースをしようと心がけて泳ぎました。それが結果として金メダルにつながって、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。代表チームのみんなが手を振ってくれている姿を見て、だんだん実感がわいてきたんですが、いちばんは先輩の寺川綾さんがインタビューに来てくれたとき、想いがあふれてしまって涙が止まらなくなってしまいました。昨年の12月に手術をしてから、家族をはじめ様々な方々に支えてもらえて、この場に立たせてもらったことに感謝しています」(星選手)
『センターポールに日の丸を』
このスローガンを達成した星選手に続けとばかりに、女子200mバタフライのあとに行われた男子200m平泳ぎの準決勝に出場した小関也朱篤選手も気を吐きます。
50m、100mのレースは良い結果を残せず、悔しい思いをしていた小関選手は、そのうっぷんを晴らすようにスタート直後から積極的に飛び出します。最初の50mのラップタイムから、150mまでは世界記録を大きく上回るレース展開。ラスト50mはさすがに失速したものの、2分08秒03で全体1位で明日の決勝にコマを進めました。
「泳ぎがいまいちな部分があったところを今日の予選でだいぶ修正できていて、準決勝はとても良い感覚で泳げました。明日も自信を持って臨みたいと思います」(小関選手)
また、日本代表キャプテンである入江陵介選手も200m背泳ぎに出場。落ち着いた泳ぎで持ち味の後半を意識してレースを展開し、1分55秒76で全体の6位で決勝にコマを進めます。同じく準決勝に出場していた金子雅紀選手は、周りにペースを崩されてしまって思うような泳ぎができず、持っている力を発揮しないまま1分57秒33で準決勝10位となりました。
200m個人メドレーで銀メダルを獲得したあと、100m平泳ぎで惜しくも4位でメダルを逃してしまったことで「200mに対する思いは強くなりました」を話す渡部選手と、金藤理絵選手の2人が女子200m平泳ぎ準決勝に出場。後半型の金藤選手ですが、この日はめずらしく渡部選手を先行するかたちでレースを展開。ラスト50mは渡部選手が抜け出して2分22秒15の3位で決勝に進出。金藤選手は最後のタッチがあわなかったところもありましたが、2分22秒88の6位で決勝に進みました。
女子100m自由形準決勝には内田美希選手が出場し、「日本記録が出なくて悔しい」と話すとおり54秒30という記録で準決勝12位となりました。
この日の最終種目である、女子4×200mリレーの決勝。リレーチームのリーダーを任された五十嵐千尋選手が「日本記録を目指していこう」と、レース前に気合いを入れて臨みます。
五十嵐選手は前半から攻める泳ぎをしますが、後半に踏ん張りきれずに1分58秒20で第2泳者の池江璃花子選手にバトンを渡します。その池江選手は、中学生ながら大舞台でも物怖じしない泳ぎを見せて1分57秒70で、普段はライバル同士の持田早智選手に引き継ぎます。持田選手は1分59秒16でアンカーの青木智美選手につなぎ、最後を託します。青木選手は1分59秒56で泳ぎ、トータルで7分54秒62の7位となりました。
そのほかの結果は、以下の通りです。
・女子100m自由形
松本弥生選手 55秒71 予選32位
・男子200m平泳ぎ
立石諒選手 2分13秒23 予選
大会15日目の予選は、男子50m自由形、女子50mバタフライ、男子100mバタフライ、女子200m背泳ぎ、男子4×200mリレーと女子800m自由形が行われます。午後の決勝には、この日の準決勝を勝ち進んだ入江選手、渡部選手、金藤選手が登場します。
来年のリオデジャネイロ五輪を見据え、各国の強豪が出そろう水の祭典・世界水泳選手権で、連日レベルの高い勝負をし続ける代表選手たちへの熱い声援を引き続きよろしくお願いいたします!
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