【競泳・飛込・水球】第83回日本高等学校選手権水泳競技大会・第55回全国中学水泳競技大会 3日目
京都アクアリーナでの第83回日本高等学校選手権水泳競技大会(インターハイ)は後半戦の3日目を迎えました。
最初の決勝種目である女子800m自由形には、日本選手権チャンピオンとして佐藤千夏選手(埼玉栄)が挑みます。前半から独泳状態になり、200mからは1分04秒後半から1分05秒台のラップを刻みます。最後は自分と記録との戦いとなり、8分36秒24の大会新記録でフィニッシュ。しかし「目標タイムまで届かなかった」と悔し涙を流す結果に。この目標達成は、あとの大会へとお預けになりました。
ロシア・カザン世界水泳選手権代表の持田早智選手(千葉商大付)は、200mに続いてこの日の女子100m自由形決勝も55秒26の大会新記録で制して2冠を達成。1年生で2種目優勝を成し遂げたことで、これから連覇がどこまで続くか期待が高まります。
男子100m自由形決勝では、200m自由形で涙の優勝を果たした吉田冬優選手(淑徳巣鴨)が50秒41で2冠を達成しました。
さらに女子400m個人メドレーは、初日の200m個人メドレーで大本里佳選手(立命館)に破れて2位だった牧野紘子選手(東大附属)が雪辱を果たし、4分41秒46の自己ベストで笑顔の優勝を飾りました。
飛込競技は、女子3m飛板飛込決勝が行われました。
こちらも競泳の持田選手と同様に、世界水泳選手権代表の板橋美波選手(甲子園学院)に注目が集まります。しかし5本の制限選択飛を終えて、板橋選手に15.90差をつけてトップに立ったのは金戸華選手(日出)でした。
自由選択飛の2本目、205Bで金戸選手は細かいミスが響いて58.50と点が伸びず、3位まで順位を下げてしまいますが、次の305Bでは67.50を獲得して再度トップを奪います。残り2本、何とかトップを守りきりたい金戸選手はそのプレッシャーからか、405Bでミスダイブとなって45.00で合計445.70。一方、金戸選手を追いかける板橋選手も305Bを決めきれずに合計439.70で最終演技を迎えます。
先の演技順だった金戸選手が、5152Bで54.00を獲得してトータル499.70で板橋選手の演技を待ちます。最終演者だった板橋選手は、金戸選手の演技を越える60点以上の演技をすれば優勝という状態。会場も静まり返るなか、板橋選手のみが挑戦した3回転半の演技である107Bを回りきり、60.45を獲得。トータル500.15という、金戸選手をたった0.45ポイント差で逆転優勝を果たしました。
昨年覇者の秀明英光が2回戦で破れる波乱があった、大阪プールで行われている水球競技。1日で2戦というハードなスケジュールのなか、選手たちは自分の力を惜しみなく出し切ります。
秀明英光を下した大垣東は、準々決勝の向陽との対戦を14対6で制して準決勝に勝ち進み、同様に18対11で山形工業を破った埼玉栄との対戦を迎えます。
第1ピリオド、2点を先制した大垣東でしたが、埼玉栄もすぐに2点を返して同点に持ち込みます。第2ピリオドにさらに追加得点を奪った埼玉栄が1点リードした状態で後半を迎えます。その第3ピリオドで大垣東は得点を奪えず、反対に埼玉栄は2点を追加してリードを3点に広げます。何とか追いつきたい大垣東は、第4ピリオド早々に2点を奪って1点差まで迫りますが、埼玉栄が再度2点を奪ったところで試合終了。8対5で埼玉栄が大垣東に勝利して、明日の決勝戦にコマを進めました。
その埼玉栄と決勝戦で対するのは、準々決勝で昨年3位の前橋商業、準決勝で昨年2位の鹿児島南を下した明大中野となりました。埼玉栄が優勝すれば6年ぶり、明大中野が勝てば15年ぶりとなる決勝戦は目が離せなくなりそうです。
一方、秋田での第55回全国中学水泳競技大会(全国中学)は、今日が最終日となります。
女子100m平泳ぎでは、スピードに絶対的な自信を持つ宮坂倖乃選手(埼大附属)と、200mを制した後半の追い上げが得意な今井月選手(岐阜西)との一騎打ち。
前半を31秒98という驚異的なタイムで折り返したのは、宮坂選手。そのまま今井選手を振りきりたいところでしたが、ターン後からじわじわと差を詰める今井選手。最後の最後で今井選手が宮坂選手をとらえて0秒60差で逆転し、1分08秒00の大会新記録で優勝。3連覇を果たした200mに続いて2冠を達成しました。
昨日の200m自由形を大会新記録で制した、世界水泳選手権代表の池江璃花子選手(小岩四)は、女子100mバタフライに出場。前半の50mを27秒08というハイペースで折り返すと、そのままスピードは最後まで衰えることなく58秒76の大会新記録で2冠を達成しました。
女子100m背泳ぎは、中学記録にあと少し及びませんでしたが1分01秒86で酒井夏海選手(さいたま土合)が制してこちらも2冠を果たします。
飛込競技では、初日の女子高飛込で2位となった宮本葉月選手(土佐女子)が、3m飛板飛込で荒井祭里選手(荒牧)に雪辱を果たし、ただひとり400点オーバーをマークする、400.25で優勝を飾りました。
全日程で競泳競技では大会新記録が4つ誕生した、全国の中学生がしのぎを削る全国中学もこれで全競技を終了しました。
秋田の全国中学が終了し、明日は京都、大阪の2カ所でインターハイの最終日を迎えます。未来の水泳界を背負う選手たちがライバルたちと切磋琢磨し合い、しのぎを削ります。そんな若さあふれる元気な泳ぎや演技に、引き続き皆さまのあたたかいご声援をお願いいたします。
※写真1 800m自由形を制して手を振る佐藤千夏選手
※写真2 100mと200mの2冠を果たして取材を受ける持田早智選手
※写真3 3m飛板飛込で逆転優勝した板橋美波選手
インターハイ・全国中学の競泳と飛込のリザルトはこちら
http://swim.seiko.co.jp/index.html
インターハイの水球のリザルトはこちら
http://homepage2.nifty.com/oita-waterpolo/15InterHigh-top.html