【競泳・飛込】第70回国民体育大会水泳競技 競泳・飛込2日目
第70回国民体育大会水泳競技の競泳競技は和歌山・秋葉山公園県民プールで、そして飛込競技は大阪・なみはやドームで、ともに2日目を迎えました。
競泳競技は、2日目にも日本新記録が誕生します。
成年女子200mフリーリレー決勝。神奈川県は第1泳者の山根優衣選手が25秒52のトップで第2泳者の細田梨乃選手にバトンを渡すと、25秒06というタイムで他チームとの差を広げます。第3泳者は五十嵐千尋選手で、得意な距離ではないものの25秒18でアンカーの青木智美選手に引き継ぎます。青木選手も25秒27で泳ぎ切り、4人ともが25秒前半でタイムをそろえた神奈川県は、1分41秒03でフィニッシュ。従来の記録を0秒58上回る日本新記録で優勝しました。
「去年、日本記録を出せずに悔しかったので、一所懸命泳いで日本新記録が出せて本当に良かったです」(青木選手)
日本記録には惜しくも0秒03届かなかったものの、女子の50m自由形で日本人2人目となる24秒台を出したのは、池江璃花子選手(東京都)でした。
スタートから浮き上がり、中盤から後半にかけて。スピードに乗った泳ぎは終始衰えることはなく、24秒99の日本中学新記録を樹立。日本記録に迫る泳ぎに、会場も大きくわき上がりました。
「ここまできたからには日本記録を出したかったんですが、24秒台が出たのは良かったです。日本記録は来年の日本選手権に出したいなと思います」(池江選手)
少年女子B400mメドレーリレーでは、東京都の内藤凜音選手、牧野紘子選手、長谷川涼香選手、池江選手が見事なリレーを見せて、1秒91も縮める4分05秒73の大会新記録を樹立して優勝しました。
また、初日の200m個人メドレーを制した渡部香生子選手(東京都)は成年女子100m自由形で、50mは3番手で折り返しながらも、ラスト5mで逆転。55秒00で個人メドレーとあわせて2冠を達成しました。
大会2日目は日本新記録が1、日本中学新記録が1、大会新記録が4誕生しました。夏の総決算とも言える国民体育大会の最終日も、新記録の期待は高まります。
また、2日目の競技終了後には、1日目のオープンウォータースイミングのデモンストレーションに続いて、日本泳法のデモンストレーションが行われました。和歌山県無形民俗文化財にも指定されている岩倉流は、江戸時代に紀州藩士の岩倉重昌が開いた伝統ある泳法です。水中で書をしたためる水書をはじめ、様々な泳法を披露してくれました。
なみはやドームでの飛込競技の2日目は、少年女子3m飛板飛込、少年男子高飛込、成年男子3m飛板飛込の決勝が行われました。
1日目の少年女子高飛込を制した、カザン世界水泳選手権代表の板橋美波選手(兵庫)は、この日の3m飛板飛込でもレベルの高い演技を見せます。1本目の405Bで67.50を獲得し、2位に10ポイント近くの差をつけます。そのまま安定した演技でどんどん差を広げていき、最終5本目の5152Bを66.00で締めた板橋選手は、ただひとり300ポイントを超える320.00で優勝。高飛込とあわせて2冠を達成しました。
少年男子高飛込では、3m飛板飛込を制した中秀太郎選手(石川)を抑えて、須山晴貴選手(島根)が397.45で優勝します。中選手との差はわずかでしたが、須山選手は1本目から最後までトップを譲ることはありませんでした。
成年男子3m飛板飛込は、カザン世界水泳選手権で来年のリオデジャネイロ五輪内定を決めた寺内健選手(兵庫)と、同じく世界水泳選手権代表の坂井丞選手(神奈川)のひりつくような緊張感のある戦いを見せつけてくれました。
1本目の405Bを決めた坂井選手が先行しますが、寺内選手は2本目の305Bで坂井選手を逆転し、5353Bで差をわずかですが広げます。
坂井選手も負けていません。4本目の305Bで82.50を獲得して、寺内選手が405Bをわずかなミスで70ポイント台だった隙をついて逆転します。しかし、次の5本目の5154Bで86.70を出した寺内選手が再度坂井選手を抜き返し、この時点で7.80差をつけました。
最終6本目の演技を先に終えた寺内選手は、107Bで85.25を出してトータル486.95。寺内選手の演技のすぐあとが、坂井選手の演技です。逆転するには、90ポイント以上が必要なこの場面で坂井選手が飛んだ307C。ジャッジのひとりが10点をつけるほどの完璧な演技を見せつけて、92.75を獲得。しかし、結果は惜しくも寺内選手に0.30届かず。486.65で2位となりました。
日本代表選手たちが、その力を見せつけている飛込競技も明日が最終日。レベルの高い演技を期待しましょう。
夏の5大大会の最後を締めくくる国民体育大会。
日本の将来を背負う中高生に大学生、そして社会人が勢ぞろいする今大会で、力の限り戦う選手たちへご声援をよろしくお願いします。
※200mフリーリレーで日本記録を樹立した神奈川県チーム
※50m自由形で24秒99の日本中学新記録で優勝の池江選手
※競技終了後に行われた日本泳法、岩倉流のデモンストレーションの様子
競泳競技のリザルトはこちら
http://swim.seiko.co.jp/2015/S70703/index.htm
飛込競技のリザルトはこちら
http://swim.seiko.co.jp/diving/framepage07.html