【水球】第91回日本選手権水泳競技大会水球競技 3日目
水球の日本一決定戦、第91回日本選手権水泳競技大会水球競技も最終日を迎えます。この日は、男女ともに3位決定戦と決勝戦が行われました。
最初に行われたのは、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎対CNCウォーターポロクラブびわこの女子3位決定戦。第1ピリオドから激しい点の取り合いが行われ、CNCウォーターポロクラブが1点のリードで前半を終了。第3ピリオドは静かな立ち上がりでしたが、第4ピリオドに入ってからはブルボンが一気に得点を重ねていき、7点を奪う猛攻。CNCウォーターポロクラブも5点を奪いますが追いつかず。16対14でブルボンが制し、3位を確定させました。
次に男子の3位決定戦が行われ、日体クラブ対健志台クラブで争われました。
こちらは健志台クラブが第1ピリオドから6点を奪い、その後も攻撃の手を休めません。前半を5対11の健志台クラブリードで終え、後半に入って第3ピリオドに5得点、第4ピリオドにも6得点を挙げた健志台クラブが10対22で、日体クラブに12点の差をつけて3位となりました。
女子決勝戦は、秀明英光高等学校対東京女子体育大学の対決。第1ピリオドは秀明英光が先制しますが、東京女子体育大も負けず点を奪い返して2対2の接戦スタート。第2ピリオドには、東京女子体育大が2点を追加して3対4でリードを奪って前半を終了します。
ところが、第3ピリオドに入って秀明英光が連続得点を奪い、3点を追加して逆転。まさに点の奪い合いとなって迎えた最終第4ピリオド。東京女子体育大が先に2点を奪い再度逆転しますが、終了間際に秀明英光が1点を追加して7対7の同点となり試合終了。ペナルティーシュート戦にもつれ込みました。
そのペナルティーシュート戦、4本目を外した先攻の秀明英光でしたが、東京女子体育大も5本目を止められて、エクストラシュートに。その1本目、秀明英光のシュートがバーにはじかれてミス。後攻の東京女子体育大は落ち着いてシュートを決めて、女子が正式種目となった2013年以来、東京女子体育大が初優勝を収めました。
「秀明英光は勢いのあるチームでしたが、落ち着いてしっかり守ってからカウンターを仕掛ける、自分たちに水球をしようと心がけて臨みました。途中でリードされましたが、自分たちが今までやってきたことを信じて、チーム全体で優勝する、という同じ気持ちで戦うことができたと思います」(東京女子体育大学:橋口明希キャプテン)
熱気を帯びたなか始まった、男子決勝戦は、全日体大対ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。
試合開始早々、ブルボンが先制してそこから連続得点を奪います。そこから着実に点を重ねていき、第1ピリオドは1対4でブルボンがリード。第2ピリオドには全日体大が3点を先に追加しますが、ブルボンも1点を返して4対5のブルボンのリードで前半が終了。
後半に入ると、第3ピリオドに入ってすぐに1点を奪った全日体大は、この1点で流れをつかみ取ります。連続4得点を奪って一気に逆転。第4ピリオドに入っても、ブルボンは全日体大の勢いを止めることはできません。さらに4点を追加した全日体大は、12対10でブルボンを下し、日本選手権3連覇を果たし、通算37回目の優勝を飾りました。
「うれしいというよりも、ひと安心、という思いです。前半は厳しい流れになってしまいましたが、それでも落ち着いて慌てずプレーできました。後半に入ってからはシステムで守りきるのではなく、一人ひとりが当たりにいって、ディフェンスも攻撃のようなつもりで守ることで流れがつかめました。それに、シュートが決まらない苦しい場面でも、諦めずにシュートを打ち続けたことが勝利につながったのかなと思います。これからは選手全員の個人スキルを上げていくことが課題になると考えています」(全日体:大川慶悟キャプテン)
熱戦が繰り広げられた3日間、水球の日本一決定戦である日本選手権も終了しました。
水球はこのあと、日本代表チームが招集されてハードな強化合宿や強化試合などをこなし、12月のリオデジャネイロ五輪の最終予選に向かいます。
世界に向かって戦う戦士たちに、これからもご声援をよろしくお願いします。
※写真1:男子で優勝して3連覇を果たした全日体
※写真2:女子で初優勝の東京女子体育大学