【飛込】飛込国際大会派遣選手選考会1日目
2016年の2月に行われる、リオデジャネイロ五輪最終予選となるワールドカップの出場権をかけた、飛込国際大会派遣選手選考会が東京辰巳国際水泳場で1日目を迎えました。
この日の決勝種目は、男子3m飛板飛込、女子高飛込と、女子3mシンクロナイズドの3つが行われました。
男子3m飛板飛込の注目は、坂井丞選手(ミキハウス)。この種目の五輪出場権を獲得している寺内健選手(ミキハウス)とともに、予選では400点を超える演技で午後の決勝に進出。
その決勝でも坂井選手は、3本目の5154Bでは74.80を獲得しながらも、入水後に少し納得のいかない様子を見せますが、1本目の405Bで70.50を皮切りに、そのまま6本すべてで70点以上獲得する安定した演技で465.15を獲得してこの種目を制しました。
ライバルの寺内選手は「入水処理が甘く、思うような演技ができなかった」と、最後のツメの部分での細かいミスがあり、440.10の2位となりました。
「まだ身体もできあがっていないこともあり、満足できる結果ではありません。ただ、入水だけではなく、つま先を伸ばすなどの細かい動作まで意識してトレーニングできていますし、ワールドカップでどう戦うかを考えたら良い試合だったと思います」(坂井選手)
女子高飛込では、カザン世界水泳選手権出場の板橋美波選手(JSS宝塚)と佐々木那奈選手(JSS宝塚)が抜きつ抜かれつの接戦を演じます。
1本目の407Cを73.60を獲得して好スタートを切ったのは、板橋選手。しかし2本目の305Bでしぶきがあがるミスダイブで58.50。その隙に佐々木選手が107Bを決めてトップを奪います。3、4本目はそのまま佐々木選手がリードを守りますが、「確実に代表権を得るため」に109Cを封印した板橋選手が安定して70点台を獲得。徐々に追い上げ、5本目を残したところで佐々木選手に0.95点差まで詰め寄ります。
最後の5本目、先の演技順だった佐々木選手は5235Dで71.40を獲得。板橋選手が優勝するには72.45以上が必要という緊張感のなか、得意の5253Bをしっかりと決めきり81.60を獲得。トータル359.95で逆転優勝を果たしました。佐々木選手は350.80の2位となりました。
「全体的に演技をまとめて勝てて良かったです。失敗しても笑顔を忘れないようにしていたら、次は落ち着いてやればいい、と気分的に楽に臨めるようになりました。細かい部分でまだまだできていないところがあるので、これから体調管理も含めてしっかりしてトレーニングしていきます」(板橋選手)
女子3mシンクロナイズドも接戦が繰り広げられました。1本目でリードを奪ったのは、馬淵優佳選手(JSS宝塚)・佐々木選手ペア。3本目の405Cを終えた時点で、9月の日本選手権でペアを結成して1年を迎えた渋沢小哉芳選手(セントラルN)・金戸華選手(日出高校)ペア
に対して7.14点差をつけます。しかし、渋沢選手・金戸選手ペアは4本目の5152Bで60.30を獲得して、馬淵選手・佐々木選手ペアに1.44点差まで詰め寄って迎えた最後の5本目。
先に演技を終えた馬淵選手・佐々木選手ペアは205Cで58.80を獲得し、トータル264.54で渋沢選手・金戸選手ペアの演技を待ちます。その渋沢選手・金戸選手ペアの5本目は、405B。プレッシャーがかかるなか、しっかりと演技を決めきった結果、61.20を獲得。1.04点上回るトータル265.50で逆転優勝を果たしました。
「緊張感が高く、少しのズレがいつも以上に分かってしまう状況で、それを気にし過ぎたかなと。もっと冷静に演技できれば良かったのかなと思います。でも3本目以降は悪くない演技ができたと思います」(渋沢選手)
「良い動きはできていたと思いますが、自分たちの最大限の力を出し切れなかったことは悔しいです。日本選手権などとは違う緊張感があり、もう少し気楽に演技ができたら良かったかもしれません」(金戸選手)
リオデジャネイロ五輪への道のスタート地点に立つためにも、非常に重要な今大会。そういう高い緊張感のなかで演技をすることは、選手たちにも良い経験となることでしょう。
明日も見応えのある戦いが期待されます。引き続き、選手たちへのご声援をよろしくお願いします。
※男子10mシンクロナイズドは棄権者が出たため実施なし
※写真1:男子3m飛板飛込を465.15で制した坂井選手
※写真2:女子高飛込を逆転で制した板橋選手
※写真3:逆転優勝の渋沢選手・金戸選手ペア