【競泳】第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技 6日目
大会5日目までで30人もの日本代表内定者が誕生している、第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技。残す日程も少なくなり、残すところはあと2日。その大会6日目の競技が終了しました。
この日行われた決勝競技は、女子800m自由形、男子200m背泳ぎ、女子200m平泳ぎと男子200m個人メドレー。準決勝は男女の50m自由形と男子100mバタフライ、女子200m背泳ぎの4種目が行われました。
決勝競技では、日本新記録が2つ誕生。
ひとつは女子200m平泳ぎ決勝。スタートから飛び出し、50mを32秒54で折り返したのは金藤理絵選手(Jaked)でした。100mでは1分07秒93と従来の日本記録を上回り、150mをターンするときには、もうほかの選手は金藤選手についていけません。ひとり次元の違う泳ぎを見せた金藤選手は、2分19秒65の日本新記録を樹立。日本人ではじめて20秒を切る好記録で優勝を果たし、渡部香生子選手(JSS立石)が内定を決めているため、リオデジャネイロ五輪代表枠が1つしかなかったこの種目で、北京五輪以来の代表内定を手にしました。
「タイムもうれしいのですが、本当にたくさんの人たちの応援に支えられました。五輪の舞台では、ありのままの自分を出したいと思います」(金藤選手)
もうひとつの日本記録は、男子200m個人メドレーでした。準決勝が終わったところで「54秒台は見えましたね」と笑顔で話していた萩野公介選手(東洋大学)。そこ言葉通り、最初のバタフライから軽やかな泳ぎを見せます。得意な背泳ぎから勢いに乗ってつないだ平泳ぎもスムーズに泳ぎ切り、ラストの自由形も疲れた様子を見せません。目標だった54秒台には手が届きませんでしたが、1分55秒07の見事な日本新記録を樹立して優勝し、この種目のリオデジャネイロ五輪代表内定を決めました。
「泳ぐ前から自分のタイムに期待できるような、久しぶりに良い感覚のレースでした。日に日に調子が良くなっていって、うまく力を出し切れる泳ぎができました」(萩野選手)
そして、代表内定のもう1枠を手にしたのは、淡々と自分のペースで自分のレースを貫き、1分57秒57で派遣標準記録を突破して2位に入った、藤森太将選手(ミキハウス)でした。
「今は、正直ほっとしています。予選、準決勝があまり良い泳ぎができなくて自信がなかったんですが、決勝の前に藤森(善弘)コーチと泳ぎを調整して良い感覚を取り戻せたことが、この結果につながったのだと思います」(藤森選手)
男子200m背泳ぎは、リオデジャネイロ五輪代表権とともに、入江陵介選手(イトマン東進)が史上初となる10連覇(2011年代表派遣選考会含む)の記録に挑みました。
前半の100mを折り返した時点では2位でしたが、150mまでにスピードに乗った泳ぎで1位を奪取。そのまま最後まで押し切るかと思われましたが、2コースから入江選手を猛追してきたのが、金子雅紀選手(YURAS)でした。しかし入江選手も最後の最後まで粘りを見せて、何とか逃げ切って大会10連覇を達成。記録も派遣標準記録を突破する1分56秒30で、リオデジャネイロ五輪内定を決めました。入江選手を最後まで追い上げた金子選手も、1分56秒52の派遣標準記録を突破して2位に入り、五輪への挑戦権を手にしました。
「100mも200mも五輪に出場する権利を得られて、さらに200mでは10連覇を達成できてうれしいです。ただ、タイムは平凡なので、これから世界と戦えるようにステップアップしていきたいと思います」(入江選手)
6日目を終えて30人だった五輪代表内定者は、リレーも含めて33人(3人のカザン世界水泳での内定者及びリレー派遣を含む)となりました。
世界への挑戦権を懸けた戦いも、もう明日最終日の決勝競技を残すのみとなりました。4年に一度の大一番に向けて死力を尽くして戦う全選手たちが、最高の力を発揮できるように、皆さんのご声援をよろしくお願いします。
※写真1:観客の声援応える金藤選手
※写真2:代表を決めた萩野選手と藤森選手
※写真3:ともに代表を決めた金子選手と抱き合う入江選手
©フォート・キシモト
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