【水球】第92回日本選手権水泳競技大会 水球競技 3日目
水球日本一を決める、第92回日本選手権水泳競技大会 水球競技も最終日を迎え、男女それぞれ決勝戦と3位決定戦が行われました。
女子の3位決定戦は、日体クラブ対ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。
先制したのは、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。ですが、すぐに日体クラブの細谷香奈選手が点を奪い返します。同点で第1ピリオドを終えるかと思われましたが、終了のブザーと同時にブルボンウォーターポロクラブ柏崎のフランシェスカ・ポメリ選手が得点し、2対1のブルボンウォーターポロクラブ柏崎リードで第1ピリオドが終了。
第2ピリオドに入ると、攻めあぐねる日体クラブに対して、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎が2点を追加し、4対1と点差を広げて前半を終了。
後半に入って、何とか食らいつきたい日体クラブは2点を奪い、点差を2点に縮めて最終4ピリオドに。すぐさま日体クラブの吉里美優選手が4点目を奪いますが、新澤由貴選手が永久退水となり、そこでブルボンウォーターポロクラブ柏崎の羽田瑛子選手が6点目を挙げ、さらにカウンターで7点目を追加。日体クラブも細谷選手が5点目を奪いますが、すぐブルボンウォーターポロクラブ柏崎も追加点を加えます。残り2分になったところで、日体クラブは6点目を挙げますが、反撃もここまででした。結果、8対6でブルボンウォーターポロクラブ柏崎が勝利して3位、日体クラブは4位と順位が決まりました。
「何度か点差が詰まるところもあって気にはなっていましたが、自分たちが練習してきたことをやれば大丈夫、と信じて戦いました」(ブルボンウォーターポロクラブ柏崎・小出未来キャプテン)
男子3位決定戦は、日本体育大学対早稲田大学の学生対決。
第1ピリオド開始早々、早稲田大学の池水勇太選手が先制点を奪い、すぐに2点目を挙げます。対する日本体育大学も負けじと2点を連続で奪い返します。ここまで、たった2分。得点の奪い合いとなり、早稲田大学が4点、日本体育大学は5点をそれぞれ獲得して第1ピリオドを終了。
第2ピリオドに入ると、日本体育大学が猛攻を開始。一気に5連続得点を奪い、早稲田大学を突き放します。早稲田大学は1点をかろうじで返すのが精一杯。第2ピリオド終了間際、日本体育大学の荒木健太選手が技ありのバックハンドシュートを決めて11点目を奪い、11対5としたところで前半が終了。
後半、第3ピリオド早々、日本体育大学が12点目を奪って突き放しにかかります。対する早稲田大学は山田太一選手が2連続得点で食らいつき、1点を追加されますが、すぐに得たペナルティスローのチャンスでキャプテンの深川幹徳選手がきっちりと得点。日本体育大学との点差をひとつ詰めて、13対8で最終第4ピリオドを迎えます。
第4ピリオドには、早稲田大学の深川選手が自身3得点目を挙げますが、早稲田大学吉村崇選手の退水から素早いリスタートを見せた日本体育大学の坂本洸樹選手がゴールを決めます。そこから日本体育大学が6連続得点を挙げ、一気に点差を広げていきます。早稲田大学も山田太一選手が10点目を奪いますが、日本体育大学がだめ押しとなる20点目を奪い、試合終了。
結果、20対10でこの戦いに勝利した日本体育大学が3位に、4位が早稲田大学となりました。
そして、女子決勝戦は秀明水球クラブ対藤村の戦い。
開始1分で秀明水球クラブの小川栞璃選手がゴールを奪うと、一気に4得点を挙げて第1ピリオドを4対0の秀明水球クラブリードで第2ピリオドへ。
第2ピリオドに入って、秀明水球クラブが開始20秒で5点目となるゴールを奪いますが、ここで藤村の中野由美選手が1点目を挙げます。さらに中野選手がもうひとつゴールを決めるものの、秀明水球クラブは第2ピリオドに5点を追加。9対2と、藤村に点差をさらに広げて後半に突入。
第3ピリオドは、藤村の中野選手の3点目からスタートすると、そのまま藤村は3連続ゴールで反撃。しかし、秀明水球クラブも黙っていません。第3ピリオドに入って5分間も得点できなかったうっぷんを晴らすように、佐々木圭菜選手、坂上千明選手が連続ゴール。それでも勢いづいた藤村はさらに中野選手と固城侑美選手が1点ずつ追加し、第3ピリオドで5得点。秀明水球クラブは11点、藤村は7点と点差はありますが、藤村がその差を徐々に詰めていきます。
最終第4ピリオド。立ち上がりから両者ゴールを決めきれないなか、藤村の中野選手が2人連続でファウルを誘い、一気に有利な状況にしたところでゴールを決めて8点目。秀明水球クラブも1点を返しますが、さらに中野選手が得点して3点差まで詰め寄り、残り1分を切ったところでその中野選手からアシストを受けた橋本みのり選手が得点を奪い、藤村が10点目。後半に入って反撃に出た藤村ですが、無情にもここで試合終了のブザーが鳴り響きます。結果、秀明水球クラブが12対10で優勝し、日本選手権初制覇を成し遂げました。
「勝ちはしましたが、後半にやってきたことができておらず、ディフェンスに積極性がなかったこともあり、負けたような気持ちではあります。代表に入る選手も多いので、また細かいところを修正していきます」(加藤英雄ヘッドコーチ)
男子決勝戦は、昨年と同カードのKingfisher74(旧全日体大)対ブルボンウォーターポロクラブ柏崎。
第1ピリオド開始から激しくぶつかり合う両者。先制したのは、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎のキャプテン、筈井翔太選手。すると、Kingfisher74のキャプテン大川慶悟選手がお返しとばかりに得点を奪い返します。
その後、また3分近く続いた膠着状態を破ったのは、日本が誇るエース、Kingfisher74の竹井昂司選手でした。得意の左サイドのミドルレンジから2点目を奪います。3点目はサイドからのボールに合わせたKingfisher74の飯田純士選手が決めます。2点差で第1ピリオドを終えると思われた一瞬の隙を突いて、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎のジョセフ・ヘンリー選手が決めて、点差を1点として第2ピリオドを迎えます。
第2ピリオドが開始すると、Kingfisher74の飯田選手のファウルがペナルティースローとなり、これをエイダン・ジョセフ選手が確実に決め、ブルボンウォーターポロクラブ柏崎が同点に追いつきます。ですが、カウンターで再度Kingfisher74が逆転。さらにペナルティースローをもらったKingfisher74ですが、それをブルボンウォーターポロクラブ柏崎の棚村克行ががっちりガード。なかなか両チームとも決め手を欠く展開にいらだちが見え始め、残り1分でKingfisher74の志賀光明選手とブルボンウォーターポロクラブ柏崎の保田賢也選手の2人が両者退水。ここで志賀選手が永久退水となりますが、大川選手が技ありのループシュートを決めて5点目。前半を5対4と、Kingfisher74が1点リードしたまま後半戦に入ります。
会場のボルテージが上がり続けるなかでスタートした、第3ピリオド。Kingfisher74の退水からヘンリー選手が同点にすると、続けてキャプテン筈井選手がゴール前で相手を翻弄してしっかりと逆転となるゴールを決めます。しかし、Kingfisher74も負けていません。すぐに竹井選手からのパスをタップで方向を変えた逸見勇太選手が同点ゴールを奪います。その後もブルボンウォーターポロクラブ柏崎が得点を奪えば、Kingfisher74も奪い返す展開でしたが、最後はブルボンウォーターポロクラブ柏崎の瀧川俊也選手と保田選手の2人が一度に退水したチャンスを竹井選手が逃さず決めて、Kingfisher74が1点のリードを守ったまま、最終第4ピリオドへ。
第4ピリオドの開始1分、Kingfisher74の飯田選手がパワーでねじ込んで点差を広げますが、すぐさま筈井選手がゴールを奪ってブルボンウォーターポロクラブ柏崎が1点差で食らいつきます。ですが、この試合ひとりで4得点を挙げたブルボンウォーターポロクラブ柏崎のヘンリー選手が永久退水を受けてしまい、その後Kingfisher74の竹井選手が10点目となる得点を挙げ、再度2点差に。何とか追いつきたいブルボンウォーターポロクラブ柏崎は、ペナルティースローを獲得して、これを江崎大地選手がきっちり決めて9点目。もう一度1点差に詰め寄ると、残り1分を切ってからKingfisher74の荒井陸選手がレッドカードで退水、さらに大川選手が退水という大きなチャンスを迎えたブルボンウォーターポロクラブ柏崎は、最後の猛攻を仕掛けます。しかし、あと1点が遠かったブルボンウォーターポロクラブ柏崎。第1ピリオドでついた1点差を詰め切ることができず、試合終了。
結果、10対9でKingfisher74がブルボンウォーターポロクラブ柏崎を下して優勝を果たしました。
「やっぱり得点を奪われているのは、カウンターからでした。そこを守りきれなかったことと、こちら側もチャンスでシュートを外してしまったことが敗因だと思います」(ブルボンウォーターポロクラブ柏崎・筈井キャプテン)
「様々なプレッシャーのなか、優勝できてほっとしています。最後に退水になりましたが、この試合では荒井選手がオフェンスでもディフェンスでも、チームに勢いを持ってきてくれたと思います」(Kingfisher74・大川キャプテン)
3日間、熱戦を戦い抜いた選手たちへのご声援、ありがとうございました。また世界を目指し、日々のトレーニングに励む選手たちへの応援をよろしくお願いします。
※写真1:激しい攻防となった男子決勝戦
※写真2:女子日本選手権初制覇の秀明水球クラブ
※写真3:男子日本選手権獲得チームとなったKingfisher74
試合のインターネット映像配信はこちら
https://abemafresh.tv/japanopen