【競泳・飛込・水球・シンクロ】第10回アジア水泳選手権2016 5日目
14日から始まったアジア水泳選手権は5日目が終わり、大会もいよいよ佳境に入ってきました。
東京辰巳国際水泳場で行われている競泳競技は、連日新記録ラッシュが続いています。競泳競技初日の13個の大会新記録に加え、この日は9個の大会新記録が誕生しました。
そのうちの2個は、女子50mバタフライを25秒74で制してから、20分もしないうちにスタートした女子50m自由形でも24秒90で優勝した池江璃花子選手(日本)が樹立。日本記録までは届きませんでしたが、「最後まで諦めなかったことが勝てた要因だと思います。連続で疲れもあって不安もありましたが、自分のなかの50m自由形への意地を見せられたと思います」と笑顔を見せていました。
池江選手に負けずレベルの高いレースを見せたのは、男子100m平泳ぎを59秒99の大会新記録で制した渡辺一平選手(日本)でした。前半は小関也朱篤選手(日本)が先行していましたが、後半の追い上げが光り、小関選手を100分の3秒差でかわして優勝しました。
「大会前の合宿の練習で良いタイムが出ていたので、それが自信になってこの結果につながりました。200mでも、高いレベルで泳ぎ切りたいと思います」(渡辺選手)
この日は、行われた10種目のうち6種目を制する活躍を日本代表選手たちが見せてくれました。
飛込競技は、女子10mシンクロダイブと男子3m飛板飛込の2種目が行われました。
男子3m飛板飛込は、1本目から安定した演技を披露し、6本すべてで70ポイントオーバーの得点を獲得した坂井丞選手(日本)が、トータル444.70で2位に入りました。さらに、要所で粘り強い演技をした須山晴貴選手(日本)も、トータル400ポイント越えをマーク。418.70で3位表彰台を獲得しました。
「日本での国際大会ということで緊張していましたが、それが良い緊張感になって良い演技ができました。5本目はバランスを崩してひやっとしましたが、それでも70点以上を獲得できたことは、五輪などの国際大会を経験したことが生きていると思います」(坂井選手)
女子の10mシンクロダイブは、自由選択飛に入ったところで少し入水の乱れが見られましたが、それでもトータル264.48ポイントで佐々木那奈選手、荒井祭里選手ペア(日本)が2位となりました。
この日のシンクロナイズドスイミングは、デュエットのテクニカルルーティンとハイライトルーティンの2種目が行われ、両種目とも日本が優勝しました。
デュエットは、乾友紀子選手と中村麻衣選手の新ペアで挑みました。しなやかな手脚を生かした乾選手の演技に、しっかりと中村選手が同調します。後半、疲れが見えた中村選手が少しずれる場面もありましたが、最後まで泳ぎ切って90.3333ポイントで優勝しました。
ハイライトルーティンは、チームで4つのアクロバティック要素を組み込むこと、コネクティッド(つながる演技)、またはインタートゥワインド(絡み合う演技)アクションを入れ込むこと、そしてカレイドスコープ(万華鏡のように絶えず変化する)効果の演技を行う、3つの規定要素を組み込んだ演技を行う種目です。
ひとつ一つの規定要素を丁寧に、でもダイナミックに表現したチームは、最後まで観客を引きつけて演技終了。92.9333ポイントを獲得してこの種目を制しました。
水球競技は女子日本代表はカザフスタン戦という、ひとつ目の山場を迎えます。加藤英雄ヘッドコーチは、カザフスタン戦に向けて「カウンターアタック中心に挑みます」と話していたとおり、ボールを奪ってから素早い攻撃への切り替えで得点を奪っていき、第1ピリオドは2対3の日本が1点リードで終えます。第2ピリオドは両チームとも3点ずつ追加し、点差は変わらないまま後半へ。
第3ピリオドが終わっても差は変わらず、第4ピリオドに突入。リードを守るのではなく、攻めの姿勢を最後まで崩さなかった日本は、第4ピリオドで3点を追加。カザフスタンは1点を奪うに留まり、ここで試合終了。結果、7対10で日本がカザフスタンに勝利しました。
男子は準決勝の2試合を含む4試合が行われました。イラン対日本戦の前に行われた中国対カザフスタンの準決勝は、中国が1点リードした状態で前半を終了。このまま中国が逃げ切りをはかるかと思われましたが、後半第3ピリオドに入ったところでカザフスタンが一気に攻勢をかけ、4点を奪います。対する中国は第3ピリオドに得点することができません。第4ピリオドで逆転の望みをかけて攻撃を開始。3点を奪いますが、カザフスタンも2点を奪い返し、第3ピリオドで奪ったリードを守りきって、6対8でカザフスタンが決勝進出を決めました。
日本は、イランを終始圧倒する試合展開を見せます。第1、2ピリオドで7点を獲得し、後半もその勢いは止まりません。日本はさらに第3、4ピリオドで4点ずつ追加。イランも第4ピリオドに意地の攻撃で4点を奪いますが、反撃もここまで。6対15で日本がイランを破って決勝に進出。最終日となる20日の決勝戦で、カザフスタンと対戦することが決まりました。
男子は決勝に進出したことで2位以上が確定し、2017年ハンガリー・ブダペスト世界水泳選手権の出場枠を獲得しました。
水泳のアジアナンバーワンを決める、アジア水泳選手権。水球に加えて競泳、飛込、シンクロが加わって、さらに熱を帯び始めてきました。
し烈な戦いに臨む選手たちへのご声援をよろしくお願いします。
※写真1:男子100m平泳ぎで1分を切る好タイムで優勝した渡辺選手
※写真2:坂井選手は男子3m飛板飛込で2位表彰台を獲得
※写真3:ダイナミックな演技で観客を魅了したハイライトルーティンに挑む日本チーム
リザルトは公式HPから
http://www.asc2016tokyo.org/index.html
水球競技はこちらで試合を視聴できます
https://abemafresh.tv/japanopen