2017.07.19

【飛込・水球・シンクロ・OWS】第17回世界水泳選手権(ハンガリー・ブダペスト) 6日目

前半戦も佳境に入ってきた、第17回世界水泳選手権(ハンガリー・ブダペスト)の6日目。この日も飛込、水球、シンクロ、OWS競技がそれぞれ行われ、各地で日本代表選手たちが頑張っています。

シンクロ競技は、ソロのフリールーティン決勝とチームのフリールーティン予選が行われました。
ソロは、日本代表の要でもある乾友紀子選手が出場。今大会で最後となる、思い出深い“鳳凰伝説”のルーティンを慈しむように、そして華やかに演じきりました。得点は92.0667で4位という結果となりました。

「このルーティンが大好きですし、すごく大切にしてきた演目でした。たくさんの人に図触っていただいて大切に泳いできたルーティンを最後は思い残すことなく、出し切れたんじゃないかなと思います。自分もレベルアップしていると思いますが、世界を見ればもっともっとすごい人たちがいる。そう考えたら、またもう一度、自分を成長させて戻ってきたいと思います」(乾選手)

「大切に育ててきたソロの演目なのだから、悔いのない演技をしなさい、と言って送り出しました。最後に良く泳ぎました。乾選手はソリストとしての可能性も持っていますし、日本のエースが成長することは日本全体の成長にもつながります。日本にはエースもいる、健在なんだ、というところを見せていきたいと思います」(井村雅代ヘッドコーチ)

チームフリールーティン予選では、“AMATERASU〜輝く夜明”をテーマに8人が躍動。日本の良さである同調性はキープしつつも、フリールーティンのアーティスティックな部分もしっかりと見せつけるようにして最後まで演じきりました。結果は、92.4667の4位。メダル争いのライバルになる3位のウクライナとは0.4333差という僅差。決勝に向けて選手たちは気合い十分な様子でした。

飛込競技は、男子3m飛板飛込の予選に坂井丞選手が出場しました。昨年のリオデジャネイロ五輪以降、かなり演技が安定してきた坂井選手は、1本目の405Bから72.00をマーク。そこから大きなミスなく、きっちりと70点台をキープして、トータル445.65の6位で準決勝に進出します。
予選から準決勝の間が約2時間しかないなか、準決勝がスタート。3本目までは予選を上回る良いペースで試合を進めますが、得意なはずの後ろ入水である4本目の307C、5本目の205Bでミスダイブが続き、順位を15位まで落としてしまいます。ラスト6本目、107Bで逆転を狙いますが、わずか1.65ポイント届かず13位で、残念ながら準決勝敗退となりました。

また、昨日の女子高飛込の準決勝を12位のギリギリで突破して決勝に進出した板橋美波選手。準決勝後、「ここで失敗してしまったとしても、チャレンジすることが大切だと思います」と話していたとおり、1群(前踏切前宙返り)種目を109Cにレベルを上げて試合に臨みました。
1本目の407Cは70点台、さらに2本目の逆立ち種目である6243Dは、68.80をマークして好スタートを切ります。不安を抱えていた苦手種目の207Cが49.50と得点はふるいませんでしたが、4本目の109Cは決め切れていないものの、さほど大きなミスもなく7点台の演技を披露して79.55を獲得します。さらにラストの5253Bでは、5本目の12人のうちで最高得点となる84.80をマークする最高の演技を決めました。結果、トータルは357.85の7位入賞となりました。

「周りを気にすることなく、思いっきり飛ぶことができました。109Cを飛ぶ、と決めたのは昨日の準決勝が終わった直後でした。試合で飛んだのは、去年の11月以来でしたが、それでもある程度決められたのは良かったと思います」(板橋選手)

OWS競技は女子5kmが行われ、森山幸美選手と新倉みなみ選手のふたりが出場しました。スタート後、新倉選手は前方をキープし、森山選手は若干後方から前を伺います。10kmと違い、5kmはOWSにおけるスピード競技。一気に試合が展開していきます。
周りの選手のスパートについていこうと、新倉選手、森山選手も最後まで食い下がったところでフィニッシュ。新倉選手が1分48秒差の16位、森山選手が2分07秒差の21位という結果になりました。

男子水球は正念場となる、アメリカとの対戦を迎えました。
オープニングショットを奪ったのはアメリカでしたが、日本もすぐにキャプテンの志水祐介選手が存在感を示すシュートで1点目を挙げます。アメリカがもう1点を追加して、1対2で迎えた第2ピリオド。ここから日本が一気に爆発しました。第2ピリオド開始30秒で足立聖弥選手が同点にすると、勢いそのままに逆転のゴールも奪いました。アメリカも負けじと逆転し返しますが、荒木健太選手、足立選手、そして大川慶悟選手が3連続得点を挙げて、前半を6対4の2点リードで終えます。
後半第3ピリオドに入っても、日本は攻撃の手を休めずアメリカゴールに襲いかかります。第3ピリオドで4点を追加した日本は、第4ピリオドにもさらに5点を追加して試合終了。15対7でアメリカに対して、そして今大会初勝利を挙げました。

「最後まで選手たちは集中力を高く持ってくれました。アメリカに対して初勝利ですから、相当大きな勝利だと思います。試合前に、前回のロシア戦みたいなちぐはぐというか、迷ったプレーをするな、と。もっと積極的に攻めて、個々のマークに向き合うことを大切にしよう、と話をしていました。この勝利は、また次につながる。次のクロアチア戦でも、格上ではありますが、自分たちのやりたいことがどれだけできるか、ということを大切にして、とにかく点を獲りにいきたいと思います」(大本洋嗣ヘッドコーチ)

大会7日目は、シンクロ競技のデュエットフリールーテイン決勝、フリーコンビネーションの予選が、そして女子水球はフランスとの対戦を迎え、OWS競技は今年から導入された5kmのリレー競技がそれぞれ行われます。

『世界のトップ』を目指し、一意専心の想いでトレーニングに励んできた選手たち。そのすべての力をぶつけて世界に挑む日本代表選手たちへのご声援、よろしくお願いします。

※写真1:板橋選手は五輪を超える7位入賞を果たした
※写真2:乾選手のフリールーティンの“鳳凰伝説”は今大会で見納め
※写真3:チームは逆転でメダル獲得を狙う

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大会HPはこちら
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