【競泳・飛込・水球】第85回日本高等学校選手権水泳競技大会・第57回全国中学校水泳競技大会 3日目
宮城県で行われている第85回日本高等学校選手権水泳競技大会(インターハイ)は大会3日目、鹿児島県の第57回全国中学校水泳競技大会(全国中学)は最終日となりました。
インターハイではこの日、2つの大会新記録が樹立されました。
ひとつは、女子800m自由形。400m自由形を制していた佐藤千夏選手(埼玉栄)は、中村葵選手(近畿大附)と600mまで接戦を演じますが、そこからロングスパートをかけた佐藤選手が一気に抜け出し、8分36秒10の大会新記録を樹立して優勝。大会新記録で優勝した400mと合わせて2冠を果たしました。
もうひとつは、女子4×100mメドレーリレーで誕生しました。
春日部共栄は第1泳者の染谷世奈選手がトップで宮坂倖乃選手に引き継ぎます。対するライバルの豊川は、第2泳者の今井月選手で差を詰めたいところでしたが、宮坂選手が粘り、染谷選手が作ったリードを守って両者第3泳者へ。
豊川の第3泳者は、新野杏奈選手。春日部共栄は田嶋玲奈選手。前半は差が変わりませんでしたが、後半に入って新野選手がどんどん田嶋選手との差を詰めていきます。そして第4泳者に引き継いだときには、春日部共栄のリードはたった0秒25という僅差。最後のアンカー勝負にまでもつれ込みます。
そして、2位との差が0秒15の4分06秒04で優勝を果たしたのは、春日部共栄でした。アンカーの横田早桜選手は、直前の女子400m個人メドレーを泳ぎ切ったあとでしたが、最後まで粘りきり、豊川の今井美祈選手の追随を見事逃げ切りました。
2位の豊川も、昨年までの大会記録を大きく上回る4分06秒19をマーク。レベルの高いレースを見せてくれました。
インターハイの飛込競技は、女子3m飛板飛込の予選と決勝が行われました。
注目はやはり、第17回世界水泳選手権に出場した、板橋美波選手と荒井祭里選手(ともに甲子園学院)。制限選択飛の5本でトップを奪ったのは、荒井選手。派手さはないものの、安定したきれいな入水で着実に得点を重ねていきます。このまま荒井選手が逃げ切るかと思われましたが、自由選択飛の全5本の3本目、305Bを飛んだ板橋選手が72.00の高得点をマークして荒井選手を逆転。残り2本も高得点をマークするダイナミックな演技を披露し、最後は荒井選手との差を50ポイント以上広げて、534.55で優勝しました。荒井選手は高飛込との2冠はなりませんでしたが、482.40の2位に入りました。
ヒルズ県南総合プールで行われている水球競技の3日目は、ベスト4進出を懸けた準々決勝4試合と、合わせて準決勝も行われ、また女子のエキシビションマッチも行われました。
準々決勝は金沢市工と秀明英光が予想通りの強さを見せ、また、明大中野が関西に、大垣東が鳥羽に、それぞれ競り勝ち準決勝へ勝ち上がりました。
同日に2試合というハードなスケジュールではありましたが、金沢市工と秀明英光、明大中野、大垣東の4校は準決勝を行います。
金沢市工は明大中野と対戦。金沢市工のサウスポーエース宮澤拓夢選手が13点中8点を挙げる活躍を見せ、13対7で金沢市工が決勝へ進出。秀明英光と大垣東の対戦は、秀明英光が25対6で大垣東を下し、決勝進出を決めました。
女子のエキシビションマッチでは、藤村女子と山形工業が対戦。前半、リードを奪ったのは藤村女子。ですが、後半に猛攻を仕掛けた山形工業が逆転し、3対5で山形工業が藤村女子に勝利しました。
全国中学の最終日。競泳競技では大会新記録が3(うち1は大会タイ記録)が誕生し、全部で5つの大会新記録が樹立されました。
この日最初の決勝種目である100mバタフライで、まずは男子の井上海選手(東海大浦安)が54秒87の大会タイ記録を樹立。勢いづいたところで男子100m背泳ぎで栁川大樹選手(田浦)が56秒88の大会新記録で優勝。栁川選手は200m背泳ぎでも大会記録を更新しての優勝をしており、これで2冠を達成しました。女子400m自由形では難波実夢選手(都南)が2位以下に4秒以上の差をつける大会新記録となる4分13秒33で優勝を果たしました。
全国中学の飛込競技は、男女の3m飛板飛込の決勝が行われました。
女子は高飛込を制した金戸凜選手(日出)が、最終演技の5335Dで24.65というミスダイブがありましたが、それでも予選の制限選択飛の得点を合わせた合計382.35で優勝を果たしました。
男子も金戸選手と同様、高飛込で優勝した伊熊扇李選手(浜松学院)が合計点でただひとり400点を上回る、410.80で2冠を果たしました。
鹿児島県での全国中学はこれですべての競技を終えました。ですが、宮城県での高校生たちの戦いはまだまだ続きます。次世代の日本を背負う若手の選手たちへのご声援をよろしくお願いします。
※写真1:最後まで接戦を演じた女子4×100mメドレーリレーを制した春日部共栄
※写真2:インターハイの女子3m飛板飛込では板橋選手が優勝
※写真3:全国中学で背泳ぎ2冠を果たした栁川選手
インターハイのリザルトはこちら(インハイTV)
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