2018.09.24

日本代表を破って大久保が男子高飛込を制する OWS女子で森山三連覇達成<第94回日本選手権水泳競技大会 飛込競技/OWS競技>

[飛込]3日目(東京都・東京辰巳国際水泳場)
トップとのレベルが拮抗し、接戦が続いている日本選手権水泳競技 飛込競技も、最終日を迎えた。

この日は女子1m飛板飛込、男子高飛込、男女の10mシンクロナイズドの決勝競技が行われた。

女子1m飛板飛込では、アジア競技大会の3mの代表であった宮本葉月(土佐女子高/高知S)が、1本目からトップを譲ることなく275.40を獲得して優勝。常に2位以下と数点差という接戦をものにした。
「助走と入水の角度に特に注意して臨みました。全体的にしっかりまとめられたので良かったです。結構大変なシーズンでしたが、たくさんのことを学べました。この勉強したことを、次のシーズンにつなげていきたいと思います」(宮本)

榎本遼香(筑波大学)は、宮本に迫りながらも惜しくも届かず。272.15の2位となった。3位には藤原蒼(福山平成大学)が268.50で入った。

男子高飛込は、1本目からレベルの高い演技を12人が連発。だが、途中でミスダイブが入って得点を落とす選手が多いなか、安定した力強い入水で得点を伸ばした大久保柊(筑波大学)が434.20で、アジア競技大会代表の村上和基(JSS白子)を破って初優勝を果たした。
「国体、日本選手権とベストスコアを連続してマークできたので、良いシーズンだったと思います。今後は演技のキレもそうですが、種目の難易率も上げていきたいと考えています」(大久保)

その村上は、3本目の207Cで痛恨のミスで得点と順位を落としてしまうが、そこは代表の強さを見せ、4本目以降はしっかりと立て直して419.35で2位に滑り込む。3位には417.60で、大きなミスなく演技を終えた西田玲雄(大阪水泳学校/桃山学院)が入った。

男子10mシンクロナイズドでは、西田玲雄(大阪水泳学校)と山田周汰(帝京高校)のペアが、自由選択飛に入った3本目の207Cでトップに立つと、少しずつ他を引き離していき、392.64でこの種目初優勝を飾った。
2位には村上・伊熊扇李(JSS宝塚)のペアが381.00で入り、高飛込優勝の大久保と金子舜汰(セントラル)のペアが374.37で3位となった。

女子10mシンクロナイズドは、板橋美波と荒井祭里(ともにJSS宝塚)のアジア競技大会代表ペアがその実力をいかんなく発揮。4本目の107Bにミスはあったものの、297.24を獲得して優勝を果たした。

また、この日は昼に日本初となるハイダイバー(ハイダイビング競技・男子は27m、女子は20mから飛び込む競技)の荒田恭平が、観客に向けてデモンストレーションを行った。
通常の飛込競技では入水は頭から行うが、ハイダイビングは脚から入水を行う。その違いはあるが、演技の大きな違いはなく、27mという高さを利用した高い難易率の演技を選手たちは披露する。
荒田は現在、今年11月に行われるFINAハイダイビングワールドカップの出場を目指し、トレーニングに励んでいる。


[OWS](千葉県館山市北条海岸)
1.66kmを6周回の10キロのレース。大会史上最多の男子74選手、女子47選手がエントリー。13時30分男子スタート、5分後に同コースを女子がスタートした。

男子はレース早々に8人のトップ集団(南出(日体大)、宮本(自衛隊)、野中(日体大)、豊田(福井スポ協)、桑添(新潟医福大)、青木(新潟医福大職)、綿貫(日体大))が形成される。集団の中、宮本がスタート直後より積極的に先頭を引っ張り、その後に南出、野中が追泳、最終周に入り南出が先頭に出ると後方の選手を引き離す。結果は2位に21秒7の差をつける1時間55分10秒8で初優勝した。2位は宮本、3位に野中が入った。

女子は森山(日体大)、貴田(コナミ)、新倉(セントラル目黒)、のベテラン三人と新鋭、山本(枚方SS)がトップ集団を形成し、4周回まで貴田が先頭を引っ張る展開、最終周に入り森山がペースを上げると新倉が追泳して、森山、新倉の二人が抜け出す。その後森山はトップを譲らず2時間6分54秒2で優勝し、日本選手権OWS競技3連覇達成、2位に10秒差で新倉、3位に1分4秒差で山本が入った。

※写真1:大久保は代表の村上を破って高飛込初優勝を飾った
※写真2:日本初のハイダイバー・荒田恭平がデモンストレーションを行った
※写真3:森山が日本選手権3連覇を達成した

飛込競技のリザルトはこちら
http://swim.seiko.co.jp/diving/2018/08/jp/03.html