2014.09.30

【飛込・水球】第17回アジア大会水泳競技 11日目

韓国・仁川で行われている第17回アジア大会水泳競技も、残すところあと4日になりました。水泳競技の11日目となる30日は、飛込競技と水球の準決勝が行われました。

女子10mシンクロと男子3mシンクロの2種目に、それぞれ辰巳楓佳選手・板橋美波選手ペアと寺内健選手・岡本優選手ペアが出場しました。

女子10mシンクロの辰巳選手・板橋選手ペア。「最後の入水のキレが悪くて、少しずつ点を引かれるのが積み重なってしまった」。辰巳選手がそう話すとおり、1本目から少しのズレから入水の乱れにつながり、細かな点を逃してしまいます。高い3.2の難易率の407Cも初動で少しズレて69.12。思うような点につながりません。トータルで284.22の4位となりました。
「日本選手権でも良い演技ができているので、個人ではそれより良い演技をしたいです」(辰巳選手)
「個人的には表彰台を目指していたのですが、ミスが多かった。でも去年の東アジア大会よりは、落ち着いて臨めました。個人は得意な高飛込では結果を残したいと思います」(板橋選手)

男子3mシンクロに臨んだ寺内選手・岡本選手ペアは、2本の制限選択を決めて2位につけます。3本目の405Bを75.60、4本目の5154Bを75.48と安定した演技を見せますが、5、6本目に高い難易率の演技を持ってきた韓国とマレーシアに抜かれ、トータル396.51の4位。3位の韓国とは2.58差と惜しい結果となりました。
「内容も良かったんですが、技の構成や難易率で離されてしまった。混戦が予想された中で、もっと戦い方を考えていかないと。自分の演技の内容にこだわることが上に行くために大事なことだと思います」(寺内選手)
「細かいミスがあった演技だったと思います。韓国やマレーシアの選手たちは、うまいなという印象。自分たちは技の精度を高めて、練習の中で細かい点までひとつ一つ確認しながらやらないといけないと思っています」(岡本選手)

3日間、試合のない日が続いた水球男子は、韓国との準決勝を迎えました。
地元の大きな応援に後押しされた韓国は、第1ピリオドから積極的に日本ゴールに襲いかかります。対する日本は、序盤からプレスをかけていきます。開始から1分30秒、志水祐介選手がゴール前でボールをもらい、大きなチャンスを迎えますがゴールポストに阻まれます。そこから、決定的なチャンスを何度も作りながらも日本のシュートが決まらない展開が続きます。反対に韓国が、プレスをかける日本ディフェンスの隙間をついて先制。

その後も韓国のエクスクルージョンファールからのセットプレーでも日本のパスミスなどがあり、なかなかゴールが決められずに3対4の韓国リードで第1ピリオドを終了。流れを変えたい第2ピリオドでしたが、両チームともに決め手を欠き、1点ずつ追加して4対5。韓国リードで前半を終了します。

後半開始早々、2回のチャンスを韓国キーパーのナイスセーブに阻まれて、流れが変わらないかと思われました。しかし、大本洋嗣監督がかけた言葉を選手たちはしっかりと実行します。「シュートじゃなくて、ディフェンスをまず丁寧にいこう」。
韓国にシュートを打たせず、早めのプレスでチャンスをつぶしていきます。日本が決定的なチャンスを決められないプレーもありましたが、大本監督の言葉通りひとつずつしっかり守り抜き、韓国に点を与えません。第3ピリオド5分過ぎ、韓国の退水から足立聖弥選手が決めて、少しずつ流れが変わり始めました。第3ピリオド終了間際に保田賢也選手が決めて日本が逆転、6対5で第4ピリオドを迎えます。

ここからは、スタミナとスピードに勝る日本の独壇場でした。開始30秒で韓国の退水から落ち着いて筈井翔太選手が決めると、ここから一気にゴールラッシュ。筈井選手が3ゴール、志水選手が2ゴール、大川慶悟選手、足立選手がそれぞれ1ゴールで、スタミナの切れた韓国ゴールを揺らし続けました。そして試合終了、序盤は韓国の猛攻に苦しみましたが、後半に落ち着いてディフェンスから流れを引き寄せた日本が13対5で韓国に勝利。

最終日の決勝では、同じ日にペナルティーシュート戦までもつれ込みながら、中国を破ったカザフスタンとの対戦となります。
「3日間試合がなかったことで、試合感覚が鈍っていました。反省点ですね。最後は引き離せたので、明日につなげられる試合だったと思います。今まで以上に厳しい練習を積んできた。カザフスタンも強いですけど、自分たちが今までやってきたことを出せば勝てる相手だと思っています」(志水選手)

大本監督は、試合後に少しホッとした表情を浮かべました。「相手の攻撃を攻撃していくような、超攻撃型をテーマにやってきた。ちょっとリズムが悪くなって、前半はああいう展開になりましたけど、明日じゃなくて良かったですね。明日のカザフスタン戦は、今日の後半のようなディフェンスが機能するかどうかがカギになる。動いて動いて、チャンスを作りたい」(大本監督)。

飛込競技は、女子1m飛板飛込に渋沢小哉芳選手が、男子1m飛板飛込に坂井丞選手が出場します。水球男子は中国対韓国の3-4位決定戦のあと、日本対カザフスタンの決勝戦が行われます。

韓国の地でメダル争いを繰り広げる選手たちに、引き続き大きなご声援をよろしくお願いいたします。

大会公式ホームページはこちら
http://www.incheon2014ag.org/index